天王洲アートウィーク2025開幕 寺田倉庫で織りなす「境界・記憶・自然」のアート対話

芸術が交錯し、感覚が目覚める──TENNOZ ART WEEKで“境界”を旅する。(写真/黃信維撮影)
芸術が交錯し、感覚が目覚める──TENNOZ ART WEEKで“境界”を旅する。(写真/黃信維撮影)

倉庫街の趣を残しつつ、国際的なアートシティとして進化を続ける東京・天王洲で、寺田倉庫株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:寺田航平)主催によるアートイベント「TENNOZ ART WEEK 2025」が、9月11日(木)から15日(月・祝)まで開催される。現代アートの“いま”を体感できる本イベントでは、寺田倉庫が展開する6つの拠点を舞台に、展覧会、インスタレーション、ワークショップなど多彩なプログラムが繰り広げられる。

芸術が交錯し、感覚が目覚める──TENNOZ ART WEEKで“境界”を旅する。黃信維
芸術が交錯し、感覚が目覚める──TENNOZ ART WEEKで“境界”を旅する。(写真/黃信維撮影)

注目の一つは、BONDED GALLERYにて展開される企画展「Blurred:交錯する境界」だ。陶芸、箔、鋳金といった日本の伝統技法を再解釈しながら、現代的な視点で作品を紡ぐ3名の作家——奈良祐希、能條雅由、久野彩子——が出展する。それぞれが建築と陶芸、金属と都市、写真と記憶といった異なる領域を行き来しながら、私たちが無意識のうちに捉えている「境界」そのものを問い直す。数値化と定義が求められる時代において、曖昧さを宿す造形表現は、かえって本質的な美の在りかを照らし出す。

本展の会期は9月28日(日)まで。会場はTERRADA ART COMPLEX IIの4階に位置するBONDED GALLERY。開館時間は12時から19時まで、入場は無料となっている。

一方、WHAT CAFEでは、企画展「Seesaws(シーソーズ)」が同日よりスタートする。板橋令子をゲストキュレーターに迎え、清川あさみ、薄久保香、竹村京らをはじめとする19名の女性作家が、「自然」と「人」をテーマに、それぞれの視点から作品を展開する。布、植物、糸など多様な素材を通じて、現代社会における「自分らしさ」や価値観の揺らぎを浮かび上がらせる構成となっている。タイトル「Seesaws」には、「She saw(彼女は見た)」という言葉遊びのニュアンスも含まれており、作家一人ひとりのまなざしが作品に宿る。

芸術が交錯し、感覚が目覚める──TENNOZ ART WEEKで“境界”を旅する。黃信維
芸術が交錯し、感覚が目覚める──TENNOZ ART WEEKで“境界”を旅する。(写真/黃信維撮影)

本展は9月23日(火・祝)まで開催。会場は品川区東品川にあるWHAT CAFEで、開館時間は11時から18時まで(最終日は17時閉館)。入場は無料。会期中は石磨きの体験イベント「玉庵」など、アーティストによる参加型企画も実施される。

さらに、寺田倉庫G3-6Fでは、ヨーロッパを拠点に活動するアーティスト、ナイル・ケティングによる日本初公開のパフォーマティブ・インスタレーション《Blossoms – fulfilment》が展開される。本作は、2024年にリスボンで発表された《Blossoms》シリーズの最新作であり、「鑑賞」そのものの意味を問う意欲作だ。倉庫空間を活かした構成で、パフォーマンスは都市空間へと拡張し、観客の知覚を揺さぶる体験を生み出す。 (関連記事: 「TENNOZ ART WEEK 2025」WHAT CAFEで「Seesaws」展、19人の女性作家が参加 関連記事をもっと読む

展示は9月15日(月・祝)まで。パフォーマンスは12時から19時まで行われる。チケットは一般1,500円、学生800円、高校生以下は無料。WHAT MUSEUMで同時開催中の「諏訪敦|きみはうつくしい」とのセット券(一般2,500円)も販売されている。

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