台湾海峡情勢をめぐる議論を巡り、最近の日本側の発言が再び中国の強い反発を招いた。高市早苗首相はかつて、「台湾に緊急事態が発生すれば、日本にとっても重大な安全保障上の事態に当たる」と公言しており、国会での答弁で対台湾政策に変更はないとの立場を再確認したものの、中国外務省はこの発言に対して抗議の意を表明した。
中国は『サンフランシスコ平和条約』を認めず、下関条約は「強制的に延長」されたも同然に?
台湾の法的地位をめぐる日本政府の説明は、歴史的な条約上の義務に基づくものである。高市首相は、1951年に締結された『サンフランシスコ平和条約』により、日本は台湾に対するすべての権利および権原を完全に放棄したと説明している。したがって、日本政府は「台湾の最終的な主権帰属を認定する法的立場にない」との見解を示しており、これは国際社会における一部の「台湾地位未定論」と一致する立場でもある。
これに対し、中国の国営メディアである『新華社』は12月1日、中国は『サンフランシスコ平和条約』をこれまで一度も承認または受け入れたことはないとの声明を発表した。中国は、同条約が国際法の基本原則および国連憲章に違反していると主張し、さらに1942年の『連合国共同宣言』における「敵国と単独で講和してはならない」という規定にも反していると非難した。中国は、中国が締約国ではない以上、中国の領土または主権に関わるいかなる処分も違法かつ無効であるとする立場を示した。
しかし、中国が一方的にサンフランシスコ平和条約を拒否したことで、法理上の重大な矛盾が生じることとなった。戦後における台湾の主権処理の基盤とされる同条約が無効であるとするならば、1895年の『下関条約』によって台湾が日本へ割譲されたという法的状態が、結果として「強制的に延長」されることになりかねない。すなわち、中国側の論理を突き詰めれば、台湾は現在においても日本の領土である可能性すら生じることになる。
日本のネットでは「台湾、日本復帰おめでとう」 “国内旅行ランキング”を自作、台湾が堂々1位に
中国外務省の発言が生んだこの法理的混乱に対し、日本のSNSでは、皮肉とユーモアをもって応酬する動きが広がった。ある日本のネットユーザーは、「大喜利旅行団株式会社」(実在しない架空の会社名)を名乗り、「サンフランシスコ平和条約無効記念」と題した日本国内旅行ランキングの画像を作成し、台湾を「国内旅行先第1位」に位置づけ、以下に奈良、京都、大阪、東京を並べた。
「大喜利」という言葉は、日本における即興のお笑い問答ゲームを指し、この種の風刺画像は、日本のネットユーザーが中国外務省の主張や発言に反応する際によく用いられる手法である。
この皮肉に満ちたランキング画像が台湾のネット上にも転載されると、たちまち話題となり、台湾のネットユーザーの間でも大きな反響を呼んだ。多くの台湾人は、中国側が歴史を歪曲しようとする姿勢が、かえって台湾の地位をめぐる歴史的論争への関心を高めていると受け止めており、コメント欄には「ようこそ国内旅行!」といった冗談交じりの反応や、台湾積体電路製造(TSMC)と日本の三菱重工を結び付け、「ガンダムを共同生産する日台未来」を語る声まで見られた。





















































