生成AI悪用か、快活CLUBで会員情報700万件超流出 17歳男子高校生を不正アクセス容疑で逮捕、警視庁発表

不明なハッカーが侵入してデータを盗んでいる。(写真/PhotoAC提供)
不明なハッカーが侵入してデータを盗んでいる。(写真/PhotoAC提供)

日本国内最大のネットカフェチェーン「快活CLUB」がハッキング被害を受け、サーバー内に保管されていた700万件以上の会員情報が流出した。警察の捜査によると、犯行の背後にいたのは大阪在住の17歳の高校2年生であり、幼い頃からプログラミングに長けていたこの少年は、ChatGPTの制限を言語的な手法で回避し、悪意あるプログラムを生成させ、それを用いて大企業のサーバーへの侵入に成功したという。

東京警視庁は4日、快活CLUBの公式サーバーが不正アクセスを受けた事件について、容疑者は関西・大阪出身の17歳の男子高校生であると発表した。捜査によれば、少年はChatGPTを利用して悪意あるプログラムを作成し、それを用いて日本最大のネットカフェチェーンである同社のサーバーに侵入し、725万件におよぶ会員情報をダウンロードしたという。警察は同少年に逮捕状を発付し、「不正アクセス禁止法」などの違反容疑で捜査を進めている。ネットカフェを攻撃し会員情報を窃取した動機について警察は、少年が他人名義のクレジットカード情報を入手し、それを使ってポケモンカードを購入するためだったと説明している。少年は逮捕後、「サイトに脆弱性がないか確かめたかっただけだ」と弁明しているが、警察はこの説明を信用していない。

日本メディアが警察からの情報として伝えたところによると、少年が犯行に及んだのは2025年1月18日から20日にかけてであり、悪意あるプログラムを使って快活CLUBの公式サーバーに複数回偽の命令を送信し、システムが設定していた会員データへのアクセス制限を解除したとされる。そして、会員名、住所、電話番号、入会日、会員番号などの個人情報を含むデータを大量にダウンロードしたという。攻撃の影響で同社システムの一部機能が一時的に停止し、快活CLUBの通常業務にも深刻な支障が出た。

関係者によると、この少年は専門的なハッカーではなかったものの、幼少期から独学でプログラミングを習得し、過去にはサイバーセキュリティやハッキング関連の競技会で受賞歴もあった。

警察が追跡した結果、少年が使用した悪意あるプログラムの一部はChatGPTによって生成されたものであり、本来AIプラットフォームには悪意あるコード生成を防ぐ制限が設けられているものの、言い回しを工夫したり内容を偽装したりすることで制限を回避し、実用性のあるハッキングツールを作り出すことが可能だったという。こうした事実から、この少年の技術レベルが一般的な高校生の域を大きく超えていることがうかがえる。

由OpenAI研發的生成式機器人ChatGPT主介面。(美聯社)
OpenAIが開発した生成AI「ChatGPT」のメイン画面。(AP通信)

サイバーセキュリティ専門家は、生成AIの登場によって「ゼロ知識ハッカー」が今後増える可能性が高いと警告する。つまり、高度な技術や専門的な知識がなくても、AIを操作できるだけで効果的な悪意あるプログラムを作成できるようになり、企業や個人情報の安全にとって深刻な脅威となり得るという。また、各種プラットフォーム運営者が事前に制限を設けていても、人間の言語表現は無数に存在するため、言い回しを変えれば制限をすり抜け、最終目的を達成することが可能だと指摘している。

今回サーバー侵入を受けた「快活CLUB」は、日本国内で非常に高い知名度を持つ大手ネットカフェチェーンで、個室空間、シャワー設備、無料インターネット、24時間営業などを提供している。地元住民だけでなく、深夜便を利用するバックパッカーが乗り継ぎの待機場所として利用することも多い。

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