世界的なAIブームの先頭を走る輝達(NVIDIA)は、AIチップを売るだけでなく、社内業務にもAIを本格的に導入している。最近行われた社員向けの全体集会で、CEOの黃仁勳(ジェンスン・フアン)ははっきりと方針を打ち出した。「NVIDIAはAI駆動の重要フェーズへ入った。研究部門だけでなく、全ての部署が自動化できる仕事をAIに任せるべきだ。」文書作業、ソフトウェア開発、社内管理まで、業務プロセスをすべて見直すべきだと強調した。
全社員に向けAI時代を宣言
会議の内容が明らかになった後、外媒はこれを技術方針にとどまらず、「会社の運営モデルの改造」と表現した。黄仁勳氏は、輝達は本当にAIを核心に運営する企業になるべきで、社員の日常業務でAIが代行できる反復的なタスクは、人力に頼らずAIに任せるべきだと指摘した。
黄仁勳氏、「あなたたちは気が狂ったのか?」と疑問を投げかける
『BusinessInsider』などの報道によると、黄仁勳氏はこの社員会議でこの会議で黃仁勳は珍しく強い口調で不満を示した。彼は、会社は大量の資源を投じてAIプラットフォームや内部ツールを構築したが、一部の管理職がAI導入に慎重で、新ツールを活用するようチームに求めなかったことに対し、その場で思わず質問したという。「私の知る限り、我々のマネージャーの中には、社員にAIをあまり使うなと言った人がいると聞いた。あなたたちは正気か?」
参加者の証言によれば、黃仁勳はAIを「付属物」とみなす態度を批判し、次のように断言した。AIは輝達の仕事すべての“共通基盤”である。管理職が率先してAIを使い、社員にも使わせ、既存のプロセスを分解して「どの工程をAIに任せられるのか」を徹底的に洗い出すべきだとした。
社内で「AI優先」の働き方をテスト中
現在、社内でエンジニアチームにAI支援ツールのCursorを使用させ、ソフトウェア開発の効率と品質を向上させようとしている。黄仁勳氏にとって、Cursorは始まりに過ぎない。彼は会議で、AIを時折開くプラグインとしてではなく、「日常に溶け込む」標準の作業方法としてとらえるべきだと強調。問題に直面したらまずAIに聞き、プログラムを書くときはまずAIに下書きさせ、業務フロー設計はAIでシミュレーションするべきだと考えている。
AIを本格導入するために、彼は社員にツールの使用経験についてフィードバックを続けるように促し、ユーザーインターフェース、人間・機械のインタラクション、生成結果の正確さに関して絶えず調整、最適化することを求めた。目標は、内部で使えば使うほど賢くなるAIエコシステムを構築することであり、ただ会議でAIを語りながらも、実際の作業が伝統的なプロセスにとどまることではない。
社員はAIに仕事を奪われることへの懸念
社員がAIによって仕事が奪われることへの懸念に対し、黄仁勳氏は回避せずに議論した。NVIDIAは現在、縮小段階にはなく、むしろ規模を拡大していると。社員数は2024年度末の約3万人から約36,000人に増加し、会社はまだ約1万の職位が埋まっていない。さらに、台北、上海、アメリカ各地の都市で新施設を建設している。
黃仁勳氏は社員に向けて、こう言い切った。「あなたたちには仕事がある。職はなくならない。」彼の発言は、「AI=リストラ」という単純な道筋に別の解釈もあることを示している。会社はAIによって低付加価値で反復かつ時間のかかる作業を処理し、人材はより高度な意思決定、設計、革新業務に集中させることを望んでいる。AIを学び、利用する意欲のある人々にとって、リスクは置き換えられることではなく、新しいツールの上にどのようにしてより高い価値を積み上げるかということだ。
編集:佐野華美
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