桃園国際空港の第3ターミナル北搭乗コンコースが、1日午前3時に正式に試行営業を開始、第3ターミナルが本格稼働に向け新たな段階に入った。交通部の林國顯・常務次長は、北搭乗コンコースに新たに8つの大型搭乗ゲートが新設されたことで、桃園空港の年間旅客サービス能力は約580万人分増加する見込みだという。第3ターミナル全体は2027年末の完成を予定しており、完成後は空港全体の年間処理能力が8,000万人を突破すると見込まれている。
搭乗口の増設で、桃園空港の処理能力はどう拡大するのか?
北搭乗コンコースの全長は738メートル、天井高は13メートル。第2ターミナルのD10搭乗口から北側へ延伸する形で、D11〜D18の8つの搭乗口が新設された。出発フロアは3階、到着フロアは4階に配置され、エスカレーターとエレベーターで接続されている。旅客動線は分かりやすく、搭乗・入国の流れがよりスムーズになる設計だ。
桃園空港会社の李俊德・副総経理は、円滑な稼働を確保するため空港側は「第3ターミナル試験運用対応チーム」を立ち上げ、ボーディングブリッジ、電力設備、エレベーター、トイレ、旅客動線など各種システムのテストを完了させたと説明した。
1日未明の正式稼働後、最初の試験運航便としては、8時35分発のチャイナエアライン札幌行き(D11)、9時25分発のスターラックスバンコク行き(D13)、9時30分発のエバー航空札幌行き(D12)が予定。年末までには北コンコースを本格的な定期運用へ移行する計画だ。

北コンコースのデザインコンセプトはどこから?
第3ターミナル北搭乗コンコースの設計は、英国のプリツカー賞受賞建築家リチャード・ロジャース(Richard Rogers)氏のチームが担当し、「光と影、透明性」を中核コンセプトとしている。構造は鉄骨と大きなガラスカーテンウォールを主体とし、自然光や夕日の光をふんだんに取り込むことで、開放感のある待合空間を演出している。
また、北コンコースには商業・休憩スペースも併設されており、すでに複数の国際コーヒーブランドや飲食店が出店している。搭乗前の時間を、よりリラックスした気分で過ごせるよう配慮されたつくりだ。
第3ターミナル本体はいつ完成?南コンコースの進捗は?
第3ターミナルの工事は、「北搭乗コンコース」と「本館ターミナルおよび南搭乗コンコース」の2つのパートに分かれている。今回先行して試験運用が始まったのは北コンコースで、本館ターミナルと南コンコースは2027年末の完成を目標としている。完成後は、自動手荷物処理システム、多機能ビジネスビル、旅客向けMRT連絡施設などを統合し、国際線サービス能力を全面的にアップグレードする計画だ。
増え続ける旅客需要に対応するため、桃園空港は今年7月、第3滑走路計画の一環として「仮設オーバーナイトエプロン(夜間駐機場)」の運用も開始した。初期段階では9スポットを提供しており、第2期工事は来年の春節前の完成を予定、スポット数は16まで拡大する計画だ。これにより、便のやりくりや駐機場運用の柔軟性が高まると期待されている。
北搭乗コンコースの試験運用開始は、桃園空港第3ターミナル稼働プロセスの第一歩であり、台湾の航空輸送に新たな原動力を注入するものでもある。林國顯・常務次長は、「このプロジェクトは決して容易なものではなかった。長年にわたり尽力してきたすべてのチームに感謝したい」と述べたうえで、北コンコースの稼働は単なるハード面の拡張にとどまらず、桃園空港がスマート化・高効率運用の新たな段階へ進むことを意味すると強調した。
編集:佐野華美
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