デンソー、2026年1月1日付で大規模な組織再編と役員人事を発表

デンソー（DENSO CORPORATION）は2025年11月28日、2026年1月1日付で大規模な組織再編と役員・シニアディレクターの人事異動を実施すると発表した。急速に多様化するモビリティ市場に対応し、戦略機能、技術開発力、システム提案力をさらに強化することが目的としている。

今回の組織変更では、電動化と内燃機関を横断したパワートレインシステム事業の強化を目指す「パワートレインシステム事業グループ」を新設。また、安全性と快適性を高める製品の開発体制を強化するため、ADAS領域の組織も再編する。さらに、センサー、アクチュエーター、スイッチなど環境と安全価値を支える要素技術を統合する「システムコントロールコンポーネント事業グループ」を立ち上げ、製品統廃合と開発・生産における連携強化を図る。

車載半導体の重要性拡大を受け、「半導体事業グループ」も新設される。これにより、事業横断の戦略機能を持ち、車載領域の中長期的な半導体戦略を統合的に推進する体制を構築する。このほか、全社横断の戦略領域として企業戦略本部を再編し、CSO（Chief Strategy Officer）の役職を新設する。また、ソーシャルイノベーション領域の機能を研究開発センターに統合し、社会課題解決型ビジネスの創出に向けた技術開発と事業企画を一体化して進める。

役員人事では、神部智孝氏と松岡直樹氏が新たにエグゼクティブに就任し、飯田康裕氏と横尾英弘氏が退任する（横尾氏はエグゼクティブアドバイザーに就任）。執行役員やシニアディレクターの担当領域も見直され、新体制の下で意思決定の迅速化と事業推進力の向上を図る。

デンソーは、「技術とモノづくりの強みを活かし、顧客の車両開発価値を高める製品・システムの提供を進める」としており、電動化、ADAS、半導体など戦略領域での競争力強化を目指す方針だ。