トップ ニュース TSMC、元幹部を正式提訴 インテル転職で「営業秘密流出の恐れ」
TSMC、元幹部を正式提訴 インテル転職で「営業秘密流出の恐れ」 台湾積体電路製造（TSMC）の元上級副総経理 ・羅唯仁（Luo Wei-Jen）氏が米半導体大手インテルに転職したことを受け、先端プロセスに関する営業機密が流出する可能性があるとして、市場ではTSMCが法的措置に踏み切るかどうかが注目されていた。こうしたなか、TSMCは、羅氏が営業秘密および機密情報をインテルに対して「使用、漏えい、開示、引き渡し、または移転する高度な可能性がある」として、正式に提訴したことを明らかにした。
TSMCは25日夕方、重要情報として、知的財産および商業裁判所に対して羅氏を訴えたと発表した。今回の訴訟は、TSMCと羅氏との雇用契約書、在職中に締結した競業避止義務に関する誓約書、および営業秘密法などの関連法規に基づくものであるとしている。
羅氏はかつてインテルに勤務していた経歴を持ち、2004年7月にTSMCに転職して副社長として就任し、2014年2月に上級副総経理 へと昇進した。その後、今年7月27日付でTSMCを正式に退職していた。
TSMCによると、2024年3月、羅氏は「企業戦略発展部」の上級副総経理 に異動となった。同部門は会長および社長に対する助言を担う幕僚組織であり、職務上、研究開発部門の監督管理を行う必要はなかったという。
しかし羅氏は異動後も、研究開発部門（職位が上級副総経理 以下の社員で、直接の指揮命令関係にはなかった）に対し、会議の開催を求め、現在開発中および将来的に計画されている先端プロセス技術に関する資料の提出を要求し、情報を把握し続けていたという。
TSMCは、羅氏が在職中に守秘義務条項および退職後の競業避止義務に関する誓約書に署名していたことを説明した。
また、TSMCの法務責任者である方淑華法務長は、今年7月22日の退職面談において、羅氏に対して改めて注意喚起のための書簡を手渡し、競業避止義務について詳細に説明したうえで、退職後の進路について確認していた。その際、羅氏は「学術機関での勤務を予定している」と回答し、インテルへの転職については明らかにしていなかったという。
しかしTSMCによれば、羅氏は退職直後にインテルへ移り、同社のエグゼクティブ・バイス・プレジデント（EVP、執行副社長）に就任した。これにより、羅氏がTSMCの営業秘密および機密情報をインテルに対して使用、開示、移転する可能性が極めて高いと判断し、TSMCは契約違反による損害賠償請求を含む法的措置を講じる必要があると結論づけたとしている。
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