日中対立はいつ終息するのか 東大研究者が指摘「高市首相は撤回せず、薛剣総領事も追放されない」

2025年10月31日、韓国で開催されたAPECの場外で、高市早苗首相と中国の習近平国家主席が会談した。(写真/AP通信)

日本の高市早苗首相は7日、国会答弁で「台湾有事」に関して、武力行使を伴う場合には日本の「存立危機事態」に該当する可能性があると述べ、中国側の強い反発を招いた。中国の抗議や各種のボイコット措置は段階的にエスカレートしており、この不一致が長期的な対立へ発展するのか、各方面が注視している。

日本で教鞭をとる研究者は、本世紀に発生した過去三度の中日衝突の経験、および日本政治の慣行から判断すると、高市早苗氏は発言を撤回せず、また「斬首」に言及した中国駐大阪総領事の薛剣氏を追放することもないだろうとの見方を示す。ただし中が膠着状態を維持する場合、この対立は来年、さらには最大二年程度続く可能性もあるという。

20250916-風傳媒《下班國際線》節目主持人路怡珍、東京大學東洋文化研究所特聘研究員林忠泉(見圖)、風傳媒國際兩岸中心副主任杜宗熹16日在節目中對談。(柯承惠攝)
東京大学東洋文化研究所の特聘研究員・林泉忠氏。『下班国際線』出演時の資料写真。(写真/柯承惠撮影

日本は薛剣氏をどう扱うのか

東京大学東洋文化研究所の特聘研究員・林泉忠氏は、『風傳媒』のインタビューに対し、高市氏が関連発言を撤回することは基本的にないと述べた。その理由として、第一に日本にはそのような慣例がないこと、第二に台湾海峡で軍事衝突が起きた場合の日本の潜在的な軍事関与は「すでに進行している」ことであり、撤回する必要がないと指摘する。ただし日本側は、今後この件に触れないという意味で一定の保証を示したとも説明した。

中国側の行動に対し、日本側はこれまで低姿勢を保ち、相応の「対抗措置」も取っていない。林氏は、高市氏が岸田政権時代に経済安全保障担当大臣を務めていたことに触れ、台湾問題は高市氏にとって非常に馴染みが深く、また重要視してきた政策領域でもあると分析した。台湾は日本にとって海上輸送だけでなく、半導体などの分野でも欠かせない存在であり、こうした背景も高市氏の関心の強さにつながっているという。

一方、中国駐大阪総領事・薛剣氏の挑発的発言が引き起こした騒動については、日本政界では薛剣氏を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定すべきだとする声も多い。しかし林氏は、日本国内に反対意見や懸念があるため、政府は実際にその措置を取る可能性は低いと見る。むしろ抗議を続けながら「本人が自ら退任する」ことを期待する対応を取るだろうと判断している。

もちろん、中国側が容易に人事を交代させるとは考えにくい。薛剣氏の去就について林氏は、日本側がすでに「薛剣氏とは接触しない」という姿勢を示しており、「不協力」「ボイコット」の態度が明確になっていると説明する。この状況が続けば、薛剣氏が大阪に留まっても「何もできない状態」に陥るとみられる。中国側がすぐに薛剣氏を交代させる可能性は低く、問題は少なくとも来年以降に持ち越されるだろうと分析する。
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林氏は、20年以上の研究経験と観察を踏まえ、中関係の良し悪しは本質的に東京ではなく北京が決めるものだと指摘する。「中国が中関係を良くしたいと思えば良好になり、悪化させたいと思えば悪化する。どれほど改善するか、どれほど悪化させるかもすべて中国次第だ」。今回の膠着状態がどこまで激化するのかも、北京の判断に左右されるという。

日本首相高市早苗11月在國會公開的「台灣有事,日本有事」言論,徹底點燃了北京的怒火,導致中日關係急遽惡化。(來源:Google Gemini生成)
高市早苗首相は11月、国会で「台湾有事は日本有事」と発言し、北京の強い反発を招き、日中関係は急速に緊迫した。(画像/Google Gemini生成)
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