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「欧州は現在、台湾を歓迎している」林佳龍氏、台欧関係の進展における3つの鍵を分析「不敗のために必要な条件」 台湾の林佳龍外交部長は、インターネット番組『下班國際線』(風傳媒)でのインタビューで、欧州は台湾の訪問を歓迎していると語った。(写真/顏麟宇撮影)
台湾はこの1カ月間、対欧関係で相次いで突破を見せた。副総統の蕭美琴氏が外交部長・林佳龍氏の同行でベルギー・ブリュッセルを電撃訪問し、欧州議会に足を踏み入れたのに続き、蔡英文前総統がドイツを1週間訪問。さらに数日前には、外交部政務次長の呉志中氏もベルギー、フランス、ドイツを歴訪した。これについて林佳龍氏は、『風傳媒』のネット番組「下班國際線」のインタビューで「欧州は実際に台湾の訪問を歓迎している。しかし、双方が信頼関係を築き、中国の報復行動を『共同管理』できるようにすることが必要だ」と述べた。
「007のような訪問」 林佳龍氏:鍵は信頼関係の蓄積 蕭美琴氏は7日、林佳龍氏の同行で「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」の招きを受け、欧州議会で開催された年次総会に出席した。これは台湾の現任官員として、ブリュッセルを公然と訪問した史上最高レベルとなった。一行は往復ともドイツ・フランクフルト空港を経由し、その2日後には蔡英文氏が欧州訪問に出発。蔡氏の訪欧直後には呉志中氏も欧州入りし、ドイツでは軍服姿の現役軍官を伴って登場した。
『風傳媒』の報道によれば、蕭氏訪欧の初期段階では、外交当局内にも悲観的な見方があった。しかし最終的には「チーム戦」で中国側の妨害を巧みにかわし、台欧関係は「天の時、地の利、人の和」という条件を得て急速に温度を上げている。
19日に行われた「下班國際線」の録画インタビュー(22日放送)で、林佳龍氏は、就任後に推進してきた「総合外交」理念が今回のケースで最もよく表れたと説明した。IPACは台湾支持だけでなく、新疆、チベット、香港など、中国の圧力を受ける人権問題にも関心を寄せる国会ネットワークである。 蕭氏訪欧の難題を乗り越えるためには、欧州連合、欧州議会、ベルギー政府、そして乗り継ぎ地のドイツなど、多くの関係者との調整が必要だったという。
「007のようだったというのは間違いではない」と林氏は語る。外交当局は当初から関係機関と個別に連絡を取り合い、情報保全と、想定される中国の報復行動への対応を慎重に進めた。林氏は、「欧州はいま台湾を歓迎している。ただし、中国の非合理な行動をどう『共同管理』するかが重要だ」と強調する。中国が取り得る介入、妨害、報復に備えるためには、双方の信頼関係が不可欠だという。 実際、林氏は今年後半に日本、フィリピン、欧州など非邦交国を相次いで訪問しており、「突撃して終わりではなく、長期の信頼構築が基礎にある」と述べた。
林佳龍氏:台湾と欧州の協力は「双方にとって補完関係」 林佳龍氏は、欧州はかつて台湾を「地理的に遠く、台湾海峡の情勢も自国とは直接関係がない」と見ていたと指摘する。しかしロシア・ウクライナ戦争が勃発して以降、欧州はロシアが現在まで戦争を継続できている背景に、中国が武器や無人機の提供、さらにはロシア産石油・天然ガスの購入を通じた貿易支援を行っている現実を目の当たりにし、「中国の脅威がすでに欧州大陸にまで拡大している」ことを痛感したという。
林氏は続けて、米国のドナルド・トランプ大統領が欧州各国に防衛負担の分担を求めたこと、そしてロシア・ウクライナ戦争における中国の役割が欧州の目を覚まさせたと述べた。これは同時に台湾にとっての好機でもある。欧州が再工業化や再武装を目指す上で、半導体から人工知能(AI)まで、台湾は不可欠な存在となる。一方で、欧州は技術分野に強みを持ち、防衛産業でも豊富な基盤を有している。このため「台湾と欧州の協力は互いを補完する関係になる」と分析した。
林佳龍氏:中露同盟の時代、台湾は欧州にとって最良のパートナー 林氏は、中国とロシアがすでに同盟関係を築き、いわば「 鉄壁 の関係」にあると指摘する。もし台湾と欧州がそれぞれ単独で中露に対峙すれば、「各個撃破される」可能性があるため、台湾と欧州は連携する必要があると強調した。
台湾が国際社会へ積極的に歩み出せている背景には、台湾自身の重要性が高まっているだけでなく、ロシア・ウクライナ戦争、中国の拡張政策、トランプ政権の撤退方針といった世界の地政学的変動がある。それによって欧州は自らを守る必要性に迫られ、台湾は欧州にとって最良のパートナーとなった。
林氏は、台湾が無人機による攻撃、海底ケーブル損傷、偽情報拡散など「グレーゾーン戦術」への対処経験を持つことを挙げ、台湾が欧州に豊富な知見を共有できると述べた。
欧州専案の設置と文化外交・科技外交で関係強化 林氏はまた、欧州には今後大きな発展余地があるとして、就任後に外交部内に「欧州プロジェクト」を設置したと説明した。中東欧における「レジリエンス計画」を2.0へと引き上げたほか、文化外交を活用して欧州26カ所の在外館処で70回以上のイベントを開催。さらに科技外交により、台湾はドイツ、フランス、ポーランドなど欧州諸国との関係を一段と密接なものにしたという。
林氏は「台湾が欧州と手を組む目的は、『かわいそうだ』と同情を求めるためではない」と強調した。重要なのは、欧州が台湾との協力において実際の利益を見いだせるようにすることだと述べ、「これこそが不敗の基盤を築く方法だ」と結んだ。
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