高市早苗氏の「台湾有事」発言に抗議 沖縄出身の女子学生が訴え「沖縄を再び戦場にしないで」

沖縄出身の日本人女子学生・崎浜空音氏が、21日に首相官邸前で行われた抗議行動の場で演説する様子(写真/崎浜空音氏提供)
沖縄出身の日本人女子学生・崎浜空音氏が、21日に首相官邸前で行われた抗議行動の場で演説する様子(写真/崎浜空音氏提供)
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高市早苗首相が国会で、台湾有事の際には「集団的自衛権」の行使を含む対応に言及したことが、国内外で大きな議論を呼んでいる。中国側の反発も加わり、日中関係の緊張が高まる中、今週金曜夜、首相官邸前では市民団体が抗議集会を実施。「戦争を煽る発言をやめよ」「発言の撤回を求める」といった声が相次いだ。

集会には数百人が集まり、沖縄出身の大学生、崎浜空音氏が登壇。故郷を戦争の当事者にも、加害者にもしたくないと訴え、「外交と対話こそが平和への道だ」と語りかけた。崎浜氏はその後『風傳媒』の取材に応じ、沖縄の歴史やアイデンティティ、政治への思いを語った。

来自沖縄的日本女大学生崎浜空音,21日在日本首相官邸前的抗议中演讲(崎浜空音提供)
沖縄出身の日本人女子大学生・崎浜空音氏が、21日に首相官邸前で行われた抗議デモの中でスピーチを行う様子(写真/崎浜空音氏提供)

沖縄出身の女子大生

現在、東京の名門・慶應義塾大学の4年生として学ぶ崎浜空音氏は、父親が沖縄本島、母親が石垣島の出身だ。幼い頃から在日米軍嘉手納空軍基地の近くで育ち、家のすぐそばに軍事基地があることによる圧力や恐怖を、日常の一部として感じてきたという。抗議行動に参加する前に『風傳媒』の単独インタビューに応じ、沖縄の人々は平和を愛し、世界中の人々が平和の中で暮らせることを願っているとして、「どこにも戦争が起きてほしくない」と語った。

崎浜氏によれば、沖縄には基地が極めて高い密度で集中しており、住民にとって長年にわたり大きな負担となってきた。たとえばベトナム戦争期には、彼女の故郷にある嘉手納空軍基地から米軍のB52爆撃機が飛び立ち、ベトナムで多くの犠牲者を出したという。そのため沖縄が「悪魔の島」と呼ばれることもあり、沖縄の人々の複雑な心情につながっていると話す。「私たちは加害者になりたくない。誰かを傷つけたくない」とも述べた。

首相官邸前でのスピーチでは、「私たち沖縄の人々は、(第二次世界大戦の)沖縄戦の被害者であるだけでなく、そこに軍事基地が設けられたことで、戦争の加害者にもなってしまった」と強調。「戦争に関わることは、私たち自身がその渦中に巻き込まれるだけでなく、他国の人々を殺害する加害者にもしてしまう」と訴えた。

また崎浜氏は、自衛隊がすでに石垣島に配備され、島外への避難計画も整備されている一方で、沖縄本島には多くの米軍基地が存在している現状を指摘した。そのうえで、「もし中国と日本の間で戦争が起きたとしたら、最初の標的はどこになるのか」と問いかけ、「軍事力が集中している場所であることは明らかだ」と述べた。「日本においてそれは沖縄諸島を意味する。私たち沖縄の人々は、あの惨烈な沖縄戦を経験したにもかかわらず、再び『日本を守る戦争』の最前線に立たされている」と危機感を示した。 (関連記事: 中国、日中韓首脳会談の調整を拒否 高市首相発言に反発し国連に書簡提出 緊張一段と高まる 関連記事をもっと読む

米軍在1945年曾登陆沖绳发动惨烈的沖繩战役。(美联社)
1945年、米軍は沖縄に上陸し、激しい地上戦となった沖縄戦が繰り広げられた(写真/AP通信)

沖縄戦がもたらした大きな傷跡

第二次世界大戦における沖縄戦は、沖縄の人々にとって非常に悲痛な歴史の一頁となっている。激しい戦闘と日本軍の抵抗戦術により、米日両軍の兵士だけでなく、多くの一般住民も甚大な被害を受けた。この事実は、崎浜氏の家庭を含め、沖縄の家庭に今なお重くのしかかっている。

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