高市早苗首相が7日、国会で「台湾有事」について言及したことを受け、中国が強く反発し、日中関係は緊張を高めている。日本側はいまだ発言を撤回しておらず、中国側は対応のレベルを一段と引き上げた。中国国営の『新華社』によると、中国の習近平国家主席は24日、米国のドナルド・トランプ大統領と電話会談し、台湾問題に関する中国の原則的立場を説明した。習氏は「台湾の中国への回帰は戦後国際秩序の重要な構成要素だ」と強調し、中国と米国がかつてファシズムと軍国主義に共に立ち向かった歴史に触れ、現在こそ第二次世界大戦の勝利の成果を共に守るべきだと述べた。
習氏は、先月韓国・釜山で行われた米中首脳会談で多くの重要な共識が得られ、米中関係という「巨大な船」の進むべき方向が正され、新たな推進力が注入されたと強調した。釜山会談以降、米中関係は概ね安定し、良い方向に向かっており、両国および国際社会から広く歓迎されていると述べた。さらに、これらの事実は「米中が協力すれば双方に利益があり、対立すれば双方が傷つく」という点が実践によって繰り返し証明されてきた常識であり、「米中が相互に成就し、共に繁栄する」というのは目に見える現実だと指摘した。
習近平氏、台湾問題を通じ「戦後秩序」を再び言及 米国・日本への同時メッセージ
習氏は、双方がこの勢いを維持し、正しい方向を堅持し、平等・尊重・互恵の姿勢を保ち、協力リストを広げ、問題リストを縮小し、より多くの前向きな進展を目指すべきだと述べ、中米関係に新たな協力空間を開き、両国民および世界の人々に恩恵をもたらす必要があると強調した。
習氏は改めて台湾問題における中国の立場を説明し、「台湾の中国への回帰は戦後国際秩序の重要な構成部分である」と重ねて主張した。中国と米国が第二次大戦で共に戦った歴史を踏まえ、両国はその勝利の成果を守る責任があると述べた。
ウクライナ危機でも意見交換 北京は米国にどんなシグナルを送ったのか
新華社によると、トランプ氏は「習近平主席は偉大な指導者だ」と述べ、釜山での首脳会談は非常に有意義だったと評価した。さらに、両国は釜山会談で達成した重要な共識を全面的に実行していると述べ、中国が第二次大戦の勝利に重要な役割を果たしたことにも触れた。また、米国側は台湾問題が中国にとって極めて重要であることを理解していると語った。
両国首脳はウクライナ危機についても意見を交わした。習氏は、中国は平和に資するあらゆる努力を支持すると述べ、各国が分歧を縮小し、公平で持続的で拘束力のある和平協議を早期に実現し、危機の本質的な解決を図るべきだと強調した。
王毅氏、三つの「絶対許さず」を提起、「国際的一つの中国」圧力は東京にも
中国共産党政治局委員である王毅外相は先週、招待を受けてキルギス、ウズベキスタン、タジキスタンを訪問し、外相級の戦略対話を行い、各国首脳とも会談した。王氏は、日本の現指導者(高市氏)が台湾問題への武力介入を示唆する「誤ったシグナル」を公然と発したと強く非難し、「言うべきでないことを言い、越えてはならないレッドラインを越えた」と述べ、日本に対し早期の反省と是正を促した。
王氏は22日、タジキスタン外相との戦略対話で、三つの「絶対に許さない」を提示した。すなわち、中国は①日本の右翼勢力が歴史を逆行させることを絶対に許さない、②外部勢力が台湾問題に干渉することを絶対に許さない、③日本の軍国主義が復活することを絶対に許さない、というものだ。中国と3カ国が発表した政治文書にはいずれも台湾問題が盛り込まれ、中央アジア3カ国はいずれも「一つの中国」原則を支持した。日中関係が緊張する中、北京は「国際的一つの中国」体制を一層強化する姿勢を鮮明にしている。
編集:柄澤南 (関連記事: 高市早苗氏の「台湾有事」発言に抗議 沖縄出身の女子学生が訴え「沖縄を再び戦場にしないで」 | 関連記事をもっと読む )
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