高市早苗首相が「台湾有事」論を公に述べたことを受け、中国政府が強く反発し、日中関係は再び緊張状態に陥った。中国外交部は厳正な立場を示すだけでなく、自国民に「日本への渡航を控えるように」と呼びかけ、さらに日本への留学や遊学の判断についても慎重を求めている。
しかし、こうした政治的圧力にもかかわらず、日本留学を目指す中国人学生の意欲は驚くほど揺らいでいない。日本メディアの報道によれば、多くの中国人留学生は冷静で、ある学生は「留学の目的は教育を受けることで、政治とは関係ない」と明言している。
日本留学市場の「圧倒的首位」は中国人、12万人超え
地政学的リスクが高まる中でも、日本が中国人学生を強く引きつけている状況に変わりはない。日本学生支援機構(JASSO)の統計によれば、以下のような傾向が見られる。
● 総人数トップ
2024年に日本へ留学した中国人学生は 12万3,000人超。国・地域別で断トツの1位となった。
● 名門大学での存在感
東京大学の昨年11月のデータによれば、中国人留学生は 3,545人 に達し、留学生全体の 67.8% を占める。これは東大全体の学生数の 12% に相当し、名門校でも中国人の比率が突出している。
● 芸術系大学では「7割超」
『産経新聞』の報道では、日本の多くの芸術系大学で、中国人留学生が留学生全体の 7割以上 を占めていることが指摘され、特定領域での際立ったプレゼンスが明らかとなった
「政治とは関係ない」 中国政府の呼びかけでも揺るがぬ留学意欲
中国外交部が「日本留学を再検討すべきだ」と発言したなか、TBSは日本国内に滞在する中国人留学生に取材を行い、率直な反応を聞き取った。
語学学校に通うある男子学生は、「今回の件は正直、少し不安にはなった」としながらも、2026年に日本の大学へ進学する計画は変えない と語った。
彼は、留学の目的について次のように述べている。「勉強だけではなく、異なる立場や環境にどう適応するかを学ぶことも大切。だから簡単に留学を諦めるつもりはない。」
また、日本留学に強い憧れを持つ高校3年の女子学生も明確に語った。
「留学の目的は教育を受けること。政治とは関係ないと思う。」
これらの声からは、国家間の政治対立が激しくなっても、「より良い教育を受けたい」「視野を広げたい」という留学生自身の目標が揺らいでいないことがうかがえる。 (関連記事: 「中国人が日本から消える?」SNSに投稿相次ぐ「街はいつも通り」 中国、対日渡航50万枚キャンセルの裏側 | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実
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