台湾民意基金会の世論調査》頼清徳総統の支持率は依然伸び悩み 游盈隆氏が指摘する「1つの長期的懸念」

台湾民意基金会が頼清徳総統の人気について世論調査を実施。(写真/柯承惠撮影)
台湾民意基金会が頼清徳総統の人気について世論調査を実施。(写真/柯承惠撮影)
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台湾民意基金会は18日、11月の最新全国世論調査を公表した。今回、頼清徳総統の職務評価について尋ねたところ、国家大事の処理方法に「賛同する」と答えた国民は38%にとどまった。一方、「賛同しない」は50%で、賛同を12.3ポイント上回った。10月と比べても上昇幅はわずか3ポイント。台湾民意基金会の游盈隆董事長は、頼清徳氏の支持率は「ゆっくりと回復しているものの、依然として深い執政困難にある」と述べた。

同基金会は調査で、「頼清徳総統が就任して1年以上が過ぎたいま、重要な人事や政策を含む国家大事の処理方法を賛同しますか」と質問。その結果、「非常に賛同」10.2%、「まあ賛同」27.7%で計38%となり、「あまり賛同しない」24.5%、「全く賛同しない」25.7%で計50.2%。「意見なし」は8.4%、「分からない・回答拒否」は3.5%だった。つまり、20歳以上の台湾人のうち、頼清徳氏の国家運営を支持するのは約4割、支持しないのは約5割という構図である。

頼清徳総統の支持率。(台湾民意基金会提供)
頼清徳総統の支持率。(画像/台湾民意基金会提供)

游盈隆氏は「今回の結果が示すのは、頼清徳氏の支持率がようやく緩やかな回復の兆しを見せている一方で、執政の困難から抜け出せていないという事実だ」と指摘。大規模リコールの失敗前の水準に戻すには「相当な努力が必要だ」と述べた。10月と比較すると、総統職務への「賛同」は3ポイント上昇し、「不賛同」は2.3ポイント低下したが、それでも不賛同が賛同より12.3ポイント多い状況に変わりはなく、執政上の苦境は続いているという。

游氏は長期的な推移についても分析した。頼清徳氏は就任から1年半が経過したが、過去5カ月間は支持が下降局面に入り、民意の不満が急速に高まった時期だと説明。「この5カ月間、頼清徳氏ははっきりと執政困難に陥っていた」と述べ、大リコールの敗北が最大の要因だと強調した。支持率は8月の33.3%から11月の37.9%まで4.6ポイント上昇したにすぎず、不満は同期間に54.4%から50.2%へ4.2ポイント下がっただけだった。現状では、この困難からいつ脱するのか「大きな疑問符が付いている」とした。

頼清徳総統の支持率 — 最近2ヶ月の比較。(台湾民意基金会提供)
頼清徳総統の支持率 — 最近2ヶ月の比較。(画像/台湾民意基金会提供)

さらに年齢別の分析では、65歳以上を除き、20~64歳のほぼすべての層で頼清徳氏の国家運営に「不賛同」が多数を占めた。具体的には、20〜24歳は賛同32%・不賛同43%、25〜34歳は賛同40%・不賛同51%、35〜44歳は賛同34%・不賛同60%、45〜54歳は賛同40%・不賛同47%、55〜64歳は賛同33%・不賛同58%。唯一、65歳以上のみ賛同43%が不賛同41%を上回った。

教育別では、小学校以下を除き、中学校・職訓以上のほぼ全ての層で不賛同が多数派だった。大学以上は賛同36%・不賛同54%、専門学校は賛同35%・不賛同57%、高校・高職は賛同37%・不賛同55%、中学校は賛同44%・不賛同48%、小学校以下では賛同43%・不賛同15%となり、ここだけ賛同が大幅に上回った。

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