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「台湾は十分混乱している」 民進党議員の「両岸条例」改正案、民進党重鎮・張景森氏が痛烈批判「口先だけの独立」と警鐘 民進党議員による「両岸条例」改正案を、「典型的な『実体のない独立(務虚台独)』」だと痛烈に批判した張景森・前政務委員。(資料写真/盧逸峰撮影)
民進党の頼清徳総統に近い派閥とされる林宜瑾立法委員(国会議員)は、台湾と中国の交流を規定する「両岸人民関係条例」の改正案を提出した。林氏は法律の名称を「台湾と中華人民共和国人民関係条例」に変更し、現行条文にある「国家統一前」という文言や、両国の領土を「地区」と呼称する表現の削除を主張している。この動きに対し、野党などからは「中国への挑発」や「法理独立(法的な台湾独立)」の試みであるとの批判が上がっている。
これに対し、前行政院政務委員(無任所大臣に相当)の張景森氏はFacebookで、「これは典型的な『実体のない独立(務虚台独)』であり、口先だけの政治だ」と厳しく批判した。張氏は、「この提案の機能はゼロだ。中台関係の情勢を変えることも、台湾の外交や安全保障を強化することもない。ただ予見可能な内部対立と中台間の緊張を自ら引き起こすだけだ」と指摘し、「現在の台湾は、まだ十分に混乱していないとでも言うのか」と疑問を投げかけた。
また、張氏は頼清徳総統がかつて自らを「実務的な台湾独立工作者」と称したことに言及。「この名称で評価すべきは『独立』ではなく『実務的(務実)』という点だ」と述べた。張氏の解釈によれば、「実務的な独立工作」とは、台湾の実質的な安全と主権を守るために努力することであり、頼総統が就任以来、国防安全保障に尽力している姿勢こそが、真の「実務的な独立」であると論じた。
「痒くない場所を血が出るまで掻きむしる」 国家の安全に寄与しない象徴的政治を戒める 張景森氏は、「実務的な独立」の対極にあるのが「実体のない独立(務虚な独立)」であると定義した。これは汗を流さず、唾(言葉)と口先だけで行う独立論であり、国家の象徴(シンボル)に関する議論に精力を集中させるのが特徴だという。張氏はこれを「痒くもない場所を、血が出るまで掻きむしる」と独特の比喩で表現した。「現実には痛くも痒くもない(重要ではない)問題を、わざと血が出るまで掻くことで、支持者に『努力している』という興奮や錯覚を与えている」と皮肉った。
さらに張氏は、法改正の評価基準は「国家安全保障の実質的向上」や「社会リスクの低減」にあるべきだと主張。その基準に照らせば、今回の提案は「機能ゼロ」であるとした。軍事バランスを変えず、国防能力も増強せず、国際的な承認も得られないためだ。「つまり、これは象徴性が高く、実用性が極めて低い法改正だ。緊張が高まりリスクが溢れる現実の状況下で、ただ旗を振るような行為は、内部対立と両岸の緊張を爆発させるだけだ」と結論付けた。
「台湾の混乱は十分だ」 張景森氏、安易な対立煽動と法案撤回を要求 張景森氏は、現在の台湾が直面している安全保障上の危機について、「台湾には今、本当に『痒い(切実な)』場所がたくさんある」と強調した。
張氏は、立法委員(国会議員)が日々関心を持つべきは、行政院(内閣)や国防部(防衛省)の動向であると指摘。「国防戦略や予備役の動員体制は確実に実行されているか。米国側から批判されている『軍の官僚主義』は改善されたか。社会のレジリエンス(強靭性)は十分か。そしてエネルギー、産業、民生インフラは衝撃に耐えうる構造になっているか」といった具体的な課題を列挙した。
その上で、「これらの問題は困難で複雑であり、有権者受けもせず、拍手もスポットライトも浴びない。しかし、台湾が実際に生存できるかどうかに直結する問題だ」と述べ、これこそが民進党が選民から託された使命であり、主権を守るための地道で「実務的な独立」の努力であると訴えた。
「製造コストの安い」政治家たちが社会を引き裂く 張氏は、現在の政治状況について、「多少痒いかもしれないが、緊急ではない場所を、血が出るまで掻きむしっている」と現状を糾弾。「台湾はまだ十分に混乱していないとでも言うのか。十分に煩わしくないのか」と憤りを露わにした。
さらに、こうした操作は民進党内で初めてのことではないと指摘。「長年にわたり、『製造コストの安い(安直な)』政治家たちが、この常套手段で政界を渡り歩いてきた」と批判した。彼らは両岸(中台)問題を内部動員や他者との差別化の道具として利用し、対立の緊張を高めることで自らの政治的基盤を固めているという。
張氏は「この戦略は個人の選挙には有効かもしれないが、結局は自陣営(民進党陣営)の票を食い合っているに過ぎず、社会はその代償として信頼の分断とリスクの増大を支払わされている」と警鐘を鳴らした。
支持層の失望と法案撤回の提案 張景森氏は、民進党の敵対者ではない人々、あるいはかつて民進党を支持していた人々にとって、最も不快なのは「統治に役立たないと知りながら、反復して行われる政治的操作」であると分析した。
今回の法改正案について、「高尚な理念や価値観の表明だと弁解することは可能だ」としつつも、「実際の効果を見れば、対立を生み、踏み絵(立場の表明)を迫り、衝突を刺激するだけで、問題解決にはならない」と断言。「これは強権に対抗して台湾を団結させるべき与党がやるべきことか」と疑問を呈した。
最後に張氏は、民進党の同志に対し、「実体のない(務虚な)」政治動作をやめるよう呼びかけた。「論争の種となるばかりで実質的利益が極めて低いこの法改正案は、自主的に撤回すべきだ。それこそが台湾社会の対立を鎮静化させ、政治家としての最低限の責任を保つ道である」と結んだ。
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