日本の公立学校において、外国籍や外国にルーツを持つ児童生徒の数が急増している。特に都市部での増加が顕著であり、『産経新聞』などの報道によると、日本語がほとんど話せない状態で転入するケースも相次いでいるという。教育現場では言語対応や指導リソースの確保に追われており、かつての「爆買い」になぞらえ、この現象を「爆入学」と呼ぶ声も上がっている。
過去最多の6万9千人、日本語指導が追いつかず
文部科学省の調査(令和5年5月時点)によると、公立の小・中・高校および特別支援学校において、日本語指導が必要な児童生徒数は6万9,123人に達し、平成3年の調査開始以来最多を記録した。
『産経新聞』によれば、この増加傾向は特に都市部に集中している。大阪市内や東京都心の文教地区などでは、特定の学校に外国籍児童の転入が急増。教員不足が叫ばれる中、現場の負担は限界に達しつつある。
「クラスの4分の1が外国ルーツ」地方でも多国籍化
都市部だけでなく、地方自治体でも多国籍化が進む。Yahoo!ニュースの特集によると、人口約4万人の神奈川県愛川町では、住民の約1割にあたる約3,890人が外国籍だ。
同町の町立中津小学校では、全校児童約420人のうち、4分の1を超える100人以上が外国にルーツを持つ。国籍はペルー、ブラジル、フィリピン、スリランカなど15カ国に及ぶ。学校側は日本語指導教室を設置し、自治体から派遣された協力者と共に対応しているが、対応可能な言語には限りがある。
現場では、簡単な英語やジェスチャー、タブレット端末の翻訳機能を駆使して授業を進めている。同校関係者によると、児童たちは日常会話レベルであれば数ヶ月から1年程度で習得できるものの、学習言語としての日本語や漢字の習得には依然として高いハードルが存在するという。
さいたま市・大阪市で中国籍児童が急増
特定の国籍の児童が急増している地域もある。『産経新聞』によると、さいたま市立向小学校では、日本語指導が必要な児童が5年前の1人から23人へと急増した。田山豊校長は「ここ2、3年で急激に増えた」と述べ、1人の教員が複数を担当せざるを得ない現状を吐露している。
特に目立つのが中国籍児童の増加だ。大阪市の令和6年度データでは、小中学校に転入した外国籍児童の約4分の3が中国出身者で占められている。
難関校目指す「ガチ勢」、進学塾も専門クラス設置
こうした需要を受け、民間教育機関も動き出している。大阪市の進学塾「アーガス進学会」大阪玉造校では、令和5年末頃から中国人生徒が急増し、一部校舎では生徒全体の約2割を占めるまでになった。
同塾では翌春から専門クラスを設置。日本語の読み書きや生活マナーを指導した上で、通常クラスへ合流させるカリキュラムを組んでいる。転入する生徒の多くは教育熱心な家庭で育ち、日本の難関大学や医学部を目指すケースも多いという。塾側は「将来も日本で暮らしたいという親子が多い。中国の過酷な競争社会から逃れ、新たな環境を求めているのではないか」と分析している。
東京都の対応と「静かなる有事」
少子化が進む日本において、子供を取り巻く環境整備は急務だ。東京都の小池百合子知事は『産経新聞』のインタビューで、0歳から18歳に月額5,000円を給付する「018サポート」など、「チルドレンファースト」の政策を強調した。
小池氏は、少子化による社会の縮小を「静かなる有事」と表現し、強い危機感を示している。都内の出生数は昨年上半期にわずかながら増加に転じたという。
外国人児童の受け入れ拡大は、労働力不足の日本にとって不可避な流れでもある。しかし、日本語指導の人手不足は深刻であり、一部の教育現場では生成AI(人工知能)などのデジタルツールを活用し、言語の壁や学習支援を補う模索が始まっている。
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編集:梅木奈実


















































