トップ ニュース 過去最大823億円予算で「育成就労」創設へ 厳格化する「不法滞在ゼロ」と共生社会の行方
過去最大823億円予算で「育成就労」創設へ 厳格化する「不法滞在ゼロ」と共生社会の行方 出入国在留管理庁は、過去最大の823億円予算を計上して2027年の「育成就労制度」開始や特定技能の拡大による人材確保を急ぐ一方、日本版ESTAの導入や「不法滞在者ゼロプラン」の推進により、受入れ環境の整備と厳格な在留管理を両輪とする新時代の入管行政方針を打ち出した。(写真/Flickr@2benny提供)
出入国在留管理庁は、2025年版「出入国在留管理」および2025年度予算案を公表し、過去最大規模となる823億4,500万円の予算を投じて、外国人材受入れ制度の抜本的改革と水際対策の厳格化を同時に推進する方針を明らかにした。2024年の外国人新規入国者数が前年比約43%増の3,400万人を超え、コロナ禍前の水準を上回る回復を見せる中、政府は単なる「開国」にとどまらず、制度の質的転換と管理強化に舵を切っている。
本年度において最大の焦点となっているのは、従来の技能実習制度を発展的に解消し、2027年(令和9年)4月から導入される新制度「育成就労制度」である。長年課題とされてきた人材育成と確保の両立を目指すこの新制度に加え、即戦力となる「特定技能1号」の在留者が前年比36.1%増の28万人超、「特定技能2号」が約21倍に急増するなど、労働力不足を背景とした受入れ拡大が急速に進んでいる実態が示された。これに対応するため、2025年度予算では人件費や物件費が増額され、円滑な制度移行と共生社会実現に向けた基盤整備に重点が置かれている。
一方で、受入れ拡大の裏側で進められているのが、徹底した管理体制の強化である。入管庁は「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」を策定し、2030年までの目標達成に向けた工程表を前倒しで進める姿勢を見せている。具体的には、空港での入国審査と税関手続を統合する「共同キオスク」の導入や、結核まん延国からの入国者に事前スクリーニングを義務付けるなど、水際でのフィルタリング機能を強化した。さらに、不法滞在者数が7万4,863人(2025年初頭時点)と減少傾向にあるものの、退去強制を拒む者への対応や送還忌避問題の解決に向け、過去最大の予算と組織力を背景に、法の支配を徹底する構えだ。
報告書は全11章で構成されており、将来の行政の在り方を議論する「出入国在留管理政策懇談会」の開催(第1章)を皮切りに、円滑かつ厳格な入国審査(第2章)、外国人材受入れ(第3・4章)、共生社会の実現(第5章)、不法滞在対策(第6章)に加え、これまで焦点が当たりにくかった難民等の適正な保護(第7章)や国際社会への対応(第8章)、広報活動(第9章)、そしてこれらを支える組織・体制(第10章)と予算(第11章)に至るまで、多岐にわたる行政課題への包括的なアプローチが示されている。
施策の実行を裏付ける2025年度予算は、近年の厳しい財政状況下にありながらも前年度(797億1,400万円)を上回る過去最大の823億4,500万円が計上された。この予算増額は、インバウンドの回復に伴う審査体制の強化や、「育成就労制度」など新たな外国人材受入れ制度への対応のみならず、難民認定手続の適正化やウクライナ避難民を含む人道支援、さらには国際的な人流管理の枠組みへの参画といった国際協力分野の強化にも充当される。また、これらの業務を遂行する組織体制についても見直しが行われ、定員は6,499人体制(2024年度末時点の資料に基づく推計)となり、地方出入国在留管理局や出張所の整理統廃合を含めた効率的な組織運営と人員配置の最適化が進められている。
具体的な施策展開として、政府は法務大臣の私的懇談会である「政策懇談会」を通じて有識者の意見を取り入れつつ、観光立国の実現に向けた「共同キオスク」や顔認証ゲートの活用による審査の円滑化と、バイオメトリクス等を活用した厳格な水際対策を両立させる。外国人材の受入れに関しては、高度専門職の優遇や「デジタルノマド」の誘致に加え、技能実習に代わる「育成就労」と「特定技能」の連携強化が柱となる。一方で、治安維持の観点からは「不法滞在者ゼロプラン」に基づき、不法滞在・偽装滞在者への取締りと送還を強化する。さらに、報告書では難民条約に基づく適正な保護や第三国定住難民の受入れ支援、国際機関との連携強化も主要施策として明記されており、単なる管理にとどまらない人道的な役割の重要性も強調された形だ。入管庁は、これら全方位的な施策を効果的に広報し、国民の理解を得ながら(第9章)、過去最大の予算と組織力を駆使して、安全で活力ある共生社会の基盤構築を目指す。
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