高市早苗政権は2026年1月にも取りまとめる外国人政策の基本方針において、永住許可や国籍取得の要件を厳格化する施策の全容を固めた。これまでの受け入れ拡大路線を転換し、税の未納や社会保障給付の不正受給防止策を徹底することが柱となる。
新たな基準として、永住権の申請に際して「日本語能力」と「一定の収入基準」の要件を追加するほか、受け入れ環境の整備として日本の法制度や文化を学ぶためのプログラムも創設する。
背景には、長期間日本に在留しながら日本語を十分解さない外国人が地域社会から孤立し、生活習慣の違いなどから住民トラブルに発展するケースが散見される現状がある。政府は円滑な共生には語学力が不可欠と判断した。あわせて、公的扶助に依存しない経済的な自立を裏付けるため、明確な収入基準も導入する方向だ。永住権の申請要件も見直され、申請時点での在留資格において定められた「最長の在留期間」を有していることを必須とするなど、運用面でのハードルも引き上げる。
また、安全保障面では、2024年度に重要施設周辺で外国人や外国法人による土地・建物取得が計3498件確認され、そのうち中国による取得が半数近くを占めたことを受け、政府は次期通常国会で土地利用規制を強化する法案を提出する方針だ。
観光・文化政策においては、政府が国立美術館・博物館に対し、訪日客の入場料を高く設定する「外国人料金(二重価格)」の導入を求めていることが明らかになった。現在、国立施設の7割以上が収入の半分以上を多額の公費に依存しており、自己収入の拡大が急務となっているためだ。政府は各施設が策定する2026年度からの計画に、二重価格の設定や夜間開館日の増加などを盛り込むよう求めている。この背景には財務省による具体的な試算がある。財務省は、運営費を入場料収入のみで賄うと仮定した場合、東京国立近代美術館の料金は一般1500円に対し、外国人は4000円に設定する必要があるとの数字を示しており、この試算が導入検討の根拠となっている。
今回の方針転換、特に永住要件への日本語能力追加や厳格化の方針に対し、ニュース配信プラットフォーム『Yahoo!ニュース』の公式コメント欄(オーサーコメント)では、各分野の専門家がそれぞれの知見から見解を示した。
日本総合研究所調査部長の石川智久氏は、海外では現地の言葉を理解できない外国人が職に就けず犯罪に及んだり、特定の民族で固まり行政や警察が介入しにくくなったりする傾向があると指摘した。その上で、日本社会の安定性を守るためには日本語能力を重視することは良い方向性であると評価している。
早稲田大学招聘研究員の鈴木崇弘氏は、日本が「規制を厳しくしすぎると人が来なくなるが、これまでのルールは甘すぎた」というジレンマに直面していると分析した。AIの普及で必要な人手も変わる中、適正な人口規模を考え直す時期に来ているとし、外国人材を単なる労働力として批判・拒絶するのではなく、共に支え合う仕組み作りを本気で進める必要があると訴えた。
健康社会学者の河合薫氏は、現場では貴重な戦力となっている外国人でも日本語試験に受からなければ残れない現状に対し、知人の「日本には見えない鎖国がある」という言葉を引用して懸念を示した。言葉の壁を溶かすのは制度や法律ではなく、受け入れる側の「人」であると強調し、日本語能力だけを問題視する傾向に疑問を呈している。
雇用・労働政策研究者の今野晴貴氏は、厳格化がもたらす副作用に警鐘を鳴らした。現状でも留学生などが週28時間の制限を超えた分を強制的に「ボランティア」扱いされるなどの違法行為が横行していると指摘。在留資格の厳格化が、立場の弱い外国人をさらに追い詰め、雇用主による違法な搾取を容易にすることがないよう、実際の運用について慎重な配慮を求めた。
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp
(関連記事:
都市部で「爆入学」現象?外国人児童の急増で日本語指導が逼迫、東京・大阪で顕著に
|
関連記事をもっと読む
)
編集:小田菜々香


















































