台湾の卓栄泰(タク・エイタイ)行政院長(首相)は、工業技術研究院(ITRI)が進める先端半導体研究開発拠点の起工式に出席し、「国力とは電力のことだ」と述べた。卓氏は、いわゆる「第2次エネルギー転換」を継続し、再生可能エネルギーの多角的な開発や電力網(グリッド)の強靱化を図るとした上で、世界で開発が進む次世代型の原子力技術についても「全面的に受け入れる」との考えを表明。産業界の懸念払拭に努める姿勢を強調した。
「5つの信頼産業」推進 半導体を先導役に
工業技術研究院はこのほど、先端半導体の試験・研究開発拠点の起工式を行った。卓氏はあいさつで、同拠点が次世代の産業高度化に向けた重要な研究開発基盤になることに期待を寄せた。
頼清徳(らい・せいとく)総統の就任以降、政府は「5つの信頼産業(五大信賴産業)」を重点的に推進している。卓氏は半導体、AI(人工知能)、軍需産業、セキュリティ(安控)、通信を挙げた上で、半導体産業がその先導役を担うと説明。今回の拠点は、半導体分野でのさらなる前進を国内外に示す重要なマイルストーンになるとの認識を示した。
AI需要で電力不足の懸念 省エネ・蓄電・電力網強化を継続
一方、近年はAI活用の拡大やデータセンターの急増により、国内の電力需要が大幅に増加する可能性があり、産業界では電力不足への懸念が高まっている。
卓氏は、政府として良質な水源の開発を継続する方針を示すとともに、電力システムについては頼総統が掲げる「第2次エネルギー転換」を堅持し、再エネ開発、徹底した省エネ、スマート蓄電(スマートストレージ)の推進、電力網の強靱化を進めると明言。その上で、世界最先端の次世代原子力技術にも全面的に取り組む姿勢を示した。
関連法改正後の「従来型原発」 三原則での慎重評価に期待
また、「原子炉施設規制法(核子反応器設施管制法)」の改正を見据え、従来型原発の扱いをどうするかが焦点となる中、卓氏は原子力安全委員会(核安会)と経済部に対し、同法に基づき、「原発の安全確保」「放射性廃棄物の処分先確保」「国民の高度な合意」という3つの原則の下で慎重に評価することへの期待を表明した。従来型原発が産業界により大きな安心をもたらし得るか、関係機関が共に向き合っていく必要があると述べた。
「電力は計算力」 産業安定へエネルギー基盤の拡充を強調
卓氏は、政府として「エネルギーの開放」という構想を掲げ、十分なエネルギー基盤によって産業発展を安定させたいと説明。その理由として、「電力は計算力(コンピューティングパワー)であり、計算力こそが国力だ」と強調した。
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編集:丁勤紜、小田菜々香 (関連記事: 非核電源供給の方針転換か? 経済部、核二・核三の再稼働計画を2026年3月に核安全会議へ | 関連記事をもっと読む )

















































