高市早苗首相が率いる自民党は、先日の衆議院改選で大勝を収めた。高市氏が掲げる「反中・保日(中国に対抗し日本を守る)」路線や強硬なナショナリズムは国際社会の注目を集めており、台湾では頼清徳(らい・せいとく)総統が今後その手法を模倣するのではないかとの見方も出ている。
これについて、元立法委員の郭正亮(かく・せいりょう)氏はインターネット番組『亮話天下』で、民進党には現在「抗中保台(中国に対抗し台湾を守る)」と「米台協力」という二つの大きな軸があり、これらのテーマは2028年まで続き、しかも次第に激しさを増していくとの見解を示した。郭氏は、この二つの路線はいずれも台湾にとって大きなリスクを伴い、進めば進むほど選択肢は狭まると指摘。その一方で、国民党からは強い反論が聞こえてこないと批判した。
郭氏は、「抗中保台は台湾を行き詰まりに導く」と公然と主張しているのは国民党主席の鄭麗文(てい・れいぶん)氏だけだと述べた。世論調査では、台湾住民の約8割が中国との両岸交流と平和的発展を望んでいるとされる。先に国民党副主席の蕭旭岑(しょう・きょくしん)氏が代表団を率いて中国を訪問したが、党内ではいまも反対の声がくすぶっているという。
台湾の民意は両岸交流を望んでいるにもかかわらず、国民党は自らの強みを十分に生かせていないと郭氏は指摘する。鄭麗文氏の訪中や習近平国家主席との会談の可能性が取り沙汰されると、すぐに腰が引ける姿勢を見せることに対し、「国民党は何を考えているのか分からない」と批判した。政権交代を目指す政党でありながら、中国指導者との面会を恐れるのは滑稽だとも述べた。
さらに郭氏は、高市氏が「反中」の旗を高く掲げる一方、野党・立憲民主党はこの問題に踏み込もうとしないと指摘。現在、世界で最も状況が似ているのは日本と台湾だとし、各国が中国との関係を再定義するなか、高市氏と頼氏だけが「孤立無援の道(一路走到黑)」を突き進んでいるとの見方を示した。両氏はいずれも中国との対立を通じて支持率の引き上げを図ろうとしているが、日本でも台湾でも野党の存在感は希薄だとする。
立憲民主党は「抗中保日」に反対しながら選挙では明確に主張できず、国民党もまた民進党の「抗中保台」は危険だと考えつつ、自らの立場を明確に打ち出せていないと批判した。国民党の基本的立場は両岸の平和的発展だが、それを前面に掲げなければ相手に主導権を握られるだけだと述べた。
郭氏は、高市氏は政治生命を懸けて反中路線を選択したとし、たとえ日本に損害をもたらすとの懸念があっても、野党には同じ覚悟を示す人物が見当たらないと語った。台湾でも同様に、国民党内に頼氏と同じ覚悟で賭けに出る人物は見当たらないと指摘。高市氏の大勝を受け、頼氏は間違いなくその手法を模倣するだろうとの見方を示した。

また郭氏は、欧州各国や韓国、南米、中東諸国が中国との経済的協力の余地を模索し、リスク分散を図っている現状に言及した。米国は信頼しきれない存在であり、世界第2の経済大国である中国との協力空間を探るのは自然な動きだと指摘する。
その一方で、蕭旭岑氏が率いた訪中団は、気候変動や人工知能といったテーマを議論したにもかかわらず、連日「親中派」のレッテル貼りをされているという。郭氏は、国民党はなぜ毅然と立ち上がり、民進党こそ台湾を孤立と破滅に導いていると明確に批判できないのかと疑問を呈した。
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編集:小田菜々香 (関連記事: 【吳典蓉コラム】頼清徳氏はなぜ高市早苗氏の「圧勝」を再現できないのか——台湾に欠ける「責任政治」と不在者投票 | 関連記事をもっと読む )
















































