リトアニアは2021年、台湾が「台湾代表処」の名称で事務所を設置することを承認して以降、中国との関係が急速に冷え込んだ。対中外交関係の回復を施政目標の一つに掲げる現職のリトアニア首相、インガ・ルギニエネ氏(Inga Ruginienė)は、最近のメディアインタビューで、当時の対応について「リトアニアはおそらく重大な過ちを犯した」との認識を示した。
これに対し、中国側は、リトアニアに対し「意思を実際の行動に移すべきだ」との立場を表明している。こうした発言を受け、台湾外交部は10日、最新の見解を発表し、台湾の駐在機関の名称は双方の合意に基づくものであり、名称変更について両政府間で協議が行われた事実はないと強調した。
駐リトアニア台湾代表処は2021年に設立が承認され、業務を開始した。これは、国連加盟国において「台湾」の名称を掲げる台湾の在外公館としては、現時点で唯一の存在となっている。
一方、リトアニアが台湾の代表機関設置に同意したことに対し、中国は強く反発した。現在に至るまで、中国は正式な外交官や関連職員をリトアニアに常駐させておらず、またリトアニア側も中国に大使を派遣できていない状況が続いている。
こうした中、ルギニエネ首相は就任後、中国との関係修復に取り組んでおり、「中国との外交関係を他のEU加盟国と同等の外交レベルに回復させること」を政府の施政目標の一つに掲げている。
ルギニエネ首相は先週、バルト通信社(BNS)の取材に応じ、リトアニアがかつて首都ビリニュスに「駐リトアニア台湾代表処」の設置を承認した判断について言及し、「リトアニアはおそらく重大な過ちを犯した」「列車の前に飛び出し、結果として敗北した」との見方を示した。
これを受けて、中国共産党系メディアの環球時報は社説を掲載し、「口先だけで誤りを認めるだけでは不十分であり、より誠意ある行動を示す必要がある」と主張した。さらに、中国外交部の林剣(りん・けん)報道官は、「リトアニア側が二国間関係改善への意思を実際の行動に移し、できるだけ早く誤りを正すことを望む」と述べた。
リトアニア政府が名称変更を提案したのか 台湾外交部「駐在機関名の変更は議論されていない」
台湾外交部が関連する一連の波紋についてこれまでに2度説明した後、同部は10日、定例記者会見を開いた。会見の場では、リトアニア政府が名称変更を提起した事実があるのか、または双方の実質的協力拡大を望む意向を示したことがあるのかについて、報道陣から質問が出た。
これに対し、台湾外交部の蕭光偉(しょう・こうい)報道官は、リトアニアと台湾は民主的価値を共有する重要なパートナーであるとした上で、「駐リトアニア台湾代表処」の名称は双方の合意に基づくものだと説明した。そのうえで、「現時点では、駐在機関の名称変更について、両政府間で協議は行われていない」と述べた。
蕭光偉報道官は、台湾は引き続きリトアニアと、レーザー、半導体、金融など各分野において実質的な協力を推進していると強調した。そのうえで、双方にとって互恵的な実質的経済・貿易利益の創出を目指すとともに、両国の民主的経済の強靭性を一層深めていきたいとの考えを示した。
また、「リトアニアと台湾はいずれも二国間関係の深化と実質的協力の強化を望んでいる。この点について、台湾は今後もリトアニアと緊密な意思疎通と調整を維持していく。今後、具体的な進展があれば、適切なタイミングで対外的に説明する」と述べた。
実際、ルギニエネ首相と同じくリトアニアの与党・社会民主党に所属する国会議員のルスラナス・バラノヴァス氏(Ruslanas Baranovas)は、先週台湾を訪問した際、中央社の取材に対し、リトアニアは中国と外交関係を有しており、中国との貿易関係を維持したい考えだと述べたうえで、中国との間で争点を解決するための方策に到達することを期待していると語った。
一方で同氏は、リトアニアは自由な国家(free country)であり、「代表機関の入口に掲げる名称を自ら決定することができる」と強調し、状況は何も変わっておらず、台湾の代表処を閉鎖したり名称を変更したりする計画はないと明言した。また、台湾との友好関係は引き続き維持されているとの認識を示した。
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編輯:丁勤紜、小田菜々香

















































