自民・高市早苗氏「歴史的圧勝」の正体と死角 「東京の鉄の女」が踏み込む改憲・核共有、台湾海峡への波紋

2026-02-11 11:51
2026年2月8日、自民党本部で当選者にバラをつける高市早苗首相兼自民党総裁。(写真/AP通信提供)
2026年2月8日、自民党本部で当選者にバラをつける高市早苗首相兼自民党総裁。(写真/AP通信提供)

衆議院選挙において、自民党は316議席を獲得するという歴史的な勝利を収めた。単独で3分の2を超える議席を確保したことで、高市早苗氏は名実ともに「東京の鉄の女」へと変貌を遂げ、長期政権の盤石な基盤を築いた。

3月には訪米してドナルド・トランプ米大統領と会談する予定であり、憲法への「自衛隊」明記や「非核三原則」の見直しを加速させている。この動きは東アジア近隣諸国の注目の的となっており、日中間の緊張が高まる中、台湾海峡情勢にどのような激震をもたらすかが焦点となっている。

大胆な賭けで「鉄の女」へ

​衆議院選挙(定数465)の全議席が確定した。自民党は316議席を獲得し、単独で法定の「3分の2」のラインを突破、戦後の一政党としての最多議席記録を樹立した。日本維新の会の36議席を合わせると、改憲勢力を含む与党側は352議席となり、実に4分の3を超える。

一方で、野党の立憲民主党と公明党が急遽結成した「中道改革連合」は49議席へと激減し、壊滅的な敗北を喫した。維新の会は自民党以上に右派的かつ急進的な立場をとるため、今後、高市氏を改憲方向へと強力に後押しすることは必至だ。残る障壁は参議院のみであり、憲法改正の「ラストワンマイル」はいよいよ現実味を帯びてきた。

高市氏はこの一世一代の豪快な賭けに完勝し、戦後最も人気のある女性首相となった。「強く豊かな日本」をスローガンに掲げ、SNSを通じて「岩盤保守層(あるいは無党派の右派層)」を熱狂的に惹きつける政治的カリスマを発揮。選挙後には日本株が急騰する「ご祝儀相場」も到来した。今後、自民一強体制の下、高市氏は長期政権を視野に入れており、故・安倍晋三氏に続き、日本政界の「東京の鉄の女」として君臨することになるだろう。

日本は右旋回し、保守派が完全に復権した。高市氏は以前から日本国憲法第9条の改正を主張しており、戦後の平和憲法による「軍隊を持たず、戦争をしない」という制約から脱却し、日本を「普通の国」にすることを望んでいる。圧倒的な民意の負託を得て、自民・維新の両党は条文新設による「自衛隊」の明記、そして自衛隊の実質的な「国軍化」を推し進めるだろう。同時に、高市氏は非核三原則の「持ち込ませず」の条項見直しにも着手し、米国との「核共有(ニュークリア・シェアリング)」を通じて抑止力を強化しようとしている。これはインド太平洋地域、そして台湾海峡情勢に大きな衝撃を与える恐れがある。 (関連記事: 【日本衆院選】高市早苗氏が歴史的大勝、316 議席獲得 台湾の元高官が分析する「成功の 3 要素」と頼政権への示唆 関連記事をもっと読む

高市早苗氏とトランプ氏。(写真:ウォール・ストリート・ジャーナルより)
高市早苗氏とトランプ氏。(写真/ウォール・ストリート・ジャーナル提供)

トランプ氏との連携と日本の新たな野望

​選挙前、米国のトランプ大統領は異例のメッセージを出し、高市氏を全面的に支持して勝利を予祝した。取引を重視するトランプ氏は、米国の「戦略的縮小」と引き換えに、各同盟国に防衛費の自主負担を求めている。改憲後の日本はトランプ氏の思考に合致する。日本による5500億ドル(約80兆円)規模の対米投資が実行され、最新鋭のF-35戦闘機、トマホークミサイル、イージスシステムを購入する限り、トランプ氏は高市内閣の改憲を歓迎し、米国はより多くの「防衛負担金」を受け取ることになるだろう。

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