トップ ニュース 【米台交渉】トランプ氏の「半導体4割移転」要求に鄭副院長が断言「不可能だ」 関税交渉の舞台裏を公開
【米台交渉】トランプ氏の「半導体4割移転」要求に鄭副院長が断言「不可能だ」 関税交渉の舞台裏を公開 米台交渉の内幕について、メディアのインタビューに応じる鄭麗君・行政院副院長。(資料写真/顔麟宇撮影)
米 台間の関税交渉が妥結し、旧正月(春節)前に「対等貿易協定」が締結される見通しとなった。こうした中、ドナルド・トランプ米大統領が掲げていた「台湾の半導体生産能力の40%を米国へ移転させる」という要求に対し、台湾の鄭麗君(てい・れいくん)行政院副院長が明確に拒絶していたことが明らかになった。
2月8日に放送されたテレビ番組の単独インタビューに応じ、 鄭氏は「米側に対し、それは不可能だとはっきりと伝えた」と言及。数十年にわたり築き上げられた台湾の半導体エコシステムは移転できるものではなく、最先端プロセスは今後も台湾が拠点であり続けると強調した。
関税交渉の成果 対等な立脚点の確保 今回の交渉は、従来の双辺経貿交渉とは性質が異なり、米国の「貿易赤字の解消」と「製造業の国内回帰(リショアリング)」という強い要求が背景にあった。鄭氏は、台湾が対米貿易赤字国で第4位であることを踏まえ、「交渉が不調に終われば関税が引き上げられる」という最悪のシナリオを想定して臨んだという。
項目 合意内容の詳細 共通関税 15%の対等関税(累積・重ね掛けなし) 通商拡大法232条 半導体派生品について「最恵国待遇」を適用 産業への影響 伝統的製造業が主要競合国と同じ土俵で競争可能に
鄭氏は「赤字解消から始まった交渉ではあるが、台湾産業にとってより開かれた未来を勝ち取ることができた」と評価した。
「氷山の一角」は動かせない 半導体40%移転の非現実性 トランプ政権が主張する「台湾の半導体生産能力の40%移転」について、鄭氏は「エコシステムの構造上、物理的に不可能」との論理を展開した。
台湾の先進プロセスは世界市場の約9割を占めるが、鄭氏はこれを「氷山」に例えて説明した。
「海面上に見えている尖った先端部分(工場)だけでなく、水面下には数十年にわたり醸成された膨大な基盤(サプライチェーン、人材、研究開発)が沈んでいる。この基盤そのものを他国へ持ち出すことはできない」
鄭氏は、台湾を護る「神の山」(護國神山:TSMCを指す呼称)は今後も拡大を続け、最先端の投資は台湾国内で継続されると断言した。
「台湾モデル」による戦略的提携 米国側の「製造業振興」という目標に対し、台湾政府は日本や韓国のような「政府出資型」とは異なる「台湾モデル」を提示した。
生産能力の分配ではなく、投資の拡大: 特定の生産能力を無理に米国へ割り当てるのではなく、台湾産業が国際的に展開する一環として、米国への投資を拡大するアプローチをとる。 量産の「マザー工場」は台湾: 「サイエンスパーク(科学園区)が空洞化する」という懸念を否定。最先端の研究開発と量産の確立は必ず台湾で行い、安定稼働が確認された後に海外展開を行う。 対米赤字の構造的理由: 台湾の対米黒字の9割は半導体およびICT(情報通信技術)製品である。これは米国側の需要に基づくものであり、供給側の論理だけで解決できる問題ではないと合理的に説得した。
グローバル展開と国内投資の両立 鄭副院長は、先進プロセス、先進パッケージング、上下流のサプライチェーンにおいて、台湾国内への投資額は米国や他国への投資を遥かに上回り続けると総括した。台湾政府は「国内投資の拡大」を大前提としつつ、重要な経貿・技術パートナーである米国との戦略的な協力関係を深めていく方針だ。
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