メディアテックは、モバイルチップの覇者から「総合AIソリューションプロバイダー」へと変貌を遂げつつある。蔡CEOは「2026年は、AIがもたらす構造的な成長の恩恵を最大限に受ける年になる」と述べ、多角化戦略の進捗に自信を見せた。
HPC分野の飛躍 エヌビディア共同開発「GB10」の実力
コンピューティング・ソリューション部門の成長は極めて目覚ましく、2025年の売上高は前年比80%増の10億ドル(約1,500億円)規模に達した。
なかでも市場の注目を集めているのが、エヌビディアと共同開発し、AIスーパーコンピュータ「DGX Spark」に採用された高機能演算チップ『GB10』だ。蔡CEOは、GB10プロジェクトがすでに収益に貢献し始めていることを明かし、市場の反応も極めて好意的であると述べた。演算処理能力への需要激増に伴い、同分野の成長は2026年にさらに加速する見通しだ。
車載市場を強襲 デンソーと次世代ADASプラットフォームを開発
車載電子分野においても、大きな進展が見られる。インフォテインメント・システム「Dimensity Auto」のシェア拡大に加え、世界的な自動車部品大手のデンソーとADAS(先進運転支援システム)向けカスタムチップの共同開発を進めていることが発表された。
この提携では、デンソーが持つ車載グレードの安全基準に関する知見と、メディアテックの高効率SoCおよびAI演算技術が融合される。量産性に優れた拡張性の高いプラットフォームとして、次世代の運転支援システムの中核を担う。同社は、2026年に車載ソリューションが収益の柱の一つとして顕著な貢献を始めると予測している。
業界に先駆け「Wi-Fi 8」へ 通信技術の覇権を維持
クラウドや車載AIの基盤となるのが、同社の強みである通信技術だ。2025年に売上高を3倍に伸ばしたWi-Fi 7に続き、年初のCESでは業界に先駆けて「Wi-Fi 8」ソリューションを発表した。蔡CEOによれば、2026年末までには早期顧客による製品導入が開始される予定であり、次世代規格でも圧倒的なリードを保つ構えだ。
「遍在するAI」時代の構造的勝者へ
蔡CEOは、「遍在するAI(Ubiquitous AI)」がハイパフォーマンス・コンピューティングの限界を押し広げ続けるなか、メディアテックはその最前線に立っていると総括した。
スマートフォン、タブレット、テレビ、自動車、そしてデータセンター。これらを網羅する全方位の製品ポートフォリオを構築したことで、同社は民生用電子機器のサイクル的な変動を吸収し、AIが主導する新時代において安定した成長を遂げる構造的な優位性を手にしたといえる。
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編輯:丁勤紜 (関連記事: 【メディアテック決算説明会①】2026年AI売上高10億ドルへ 「脱スマホ」で狙うクラウドASIC世界シェア15%の勝算 | 関連記事をもっと読む )
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