世界的なAI半導体のリーディング企業であるエヌビディア(NVIDIA)は30日、台北市の南港展示センターで年末恒例の社内イベント「輝達尚蓋讚(NVIDIA is the Best)」を開催し、会場には2,000人を超える社員が集まった。ジェンスン・フアンCEOは、色鮮やかなシャツ姿で登壇。冒頭から台湾への強い愛着をにじませ、「とても台湾らしい雰囲気だろう?この年末パーティー(忘年会)は、1年の中で最も好きなイベントの一つだ」と語った。
またフアン氏は、台湾の半導体大手・聯発科(MediaTek)と深い協業関係にあることを初めて公式に認めた。あわせて、エヌビディアの台湾での事業展開は、従来の単一GPU中心の体制から、現在では7種類に及ぶ多様なチップを擁する包括的なエコシステムへと進化していることを明らかにした。
モリス・チャン氏と非公開で会談、旧交を温める
ジェンスン・フアンCEOの今回の台湾訪問は日程が非常にタイトだ。南港に新設されたオフィスで社員と面会したほか、来台後の最初の正式な会合は、TSMC創業者の張忠謀(モリス・チャン)氏との夕食だったことを明かした。
フアン氏は感慨深げに「モリスに会えたことをとてもうれしく思う。心から感謝している」と語った。
週末にもかかわらず、フアン氏のスケジュールは台湾のサプライチェーン・パートナーとの会食や会議で埋まっている。フアン氏は「週末にも関わらず、パートナーの皆さんが時間を割いて会ってくれることに深く感謝している」と述べ、台湾半導体産業チェーンとの切っても切れない戦略的パートナー関係を印象づけた。
聯発科と提携、AI PCのハイエンド市場を狙う
市場で以前から噂されてきた「N1」プロセッサを巡る聯発科(MediaTek)との協業について、フアン氏は30日、前向きな姿勢を明確に示した。同社が聯発科と共同で、極めて高い性能を備えたシステム・オン・チップ(SoC)を開発していることを認めたのだ。
このチップについてフアン氏は、「低消費電力でありながら高い演算能力を発揮する」と説明。強力な人工知能(AI)演算を前提としたコンピューター向けに設計されており、幅広い応用可能性を持つと強調した。
台湾で7種類のチップを展開 エンジニアの大規模採用を開始
エヌビディアが「グラフィックスカードの企業」から「AI分野における世界的なコンピューティングリーダー」へと変貌するのに伴い、台湾における研究開発(R&D)体制も質的な転換を遂げている。
フアン氏は、これまでエヌビディアが設計してきたのはGPUが中心だったが、現在は台湾で設計・開発するチップの種類が大幅に増え、7種類にまで拡大していると説明した。中核となるGPUに加え、ネットワークチップ、スイッチチップ、ストレージやネットワーク向けのスマート・データ・プロセッサ(SDP)、さらには注目を集めるCPUも含まれるという。
フアン氏は「多くの人はエヌビディアはGPUだけを手がけていると思っているかもしれないが、現在のGPUは実質的にスーパーコンピューターだ。そのためには巨大なエコシステムが不可欠だ」と強調した。
システムの複雑性が飛躍的に高まる中、エヌビディアは台湾で、半導体設計、システム設計、ソフトウェア開発、サプライチェーン管理など、幅広い分野において大量のエンジニア人材を必要としていると宣言した。

今後の展望:量子コンピューティングとデジタル生物学
AIに加え、フアン氏は量子コンピューティング(Quantum Computing)にも強い期待を示した。米国政府のロードマップに基づき、GPUと量子プロセッサ(QPU)を組み合わせたハイブリッド構成によって、自然科学やデジタル生物学のシミュレーションを目指すと説明。「台湾が量子分野でも厚い科学的基盤を備えていることを心強く思う」と語り、次なる計算技術の頂点に向けて台湾との連携を深める方針を示した。
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