トップ ニュース 独占》盧秀燕氏、3月にワシントン訪問 総統選に向け、鄭麗文氏主導の国民党「親中路線」と距離置く動き
独占》盧秀燕氏、3月にワシントン訪問 総統選に向け、鄭麗文氏主導の国民党「親中路線」と距離置く動き 2028年総統選への布石として、3月に訪米を開始する予定の台中市長・盧秀燕氏(中央)。(柯承惠撮影)
今から7年前の2018年、国民党は当時の呉敦義・党主席の采配の下、地方選挙で大勝を収めた。高雄市長選に出馬した韓国瑜氏が「韓流ブーム」を巻き起こして全土の党勢を押し上げたほか、新北市長選では「漢(漢子)」こと侯友宜氏、台中市長選では「ツバメ(燕子)」こと盧秀燕氏が躍進した。北・中・南の各拠点を「漢・ツバメ・はげ頭(禿子)」の3人が牽引する形で、国民党は勝利を掴んだのである。その後、依然として人気絶頂にあった韓氏は2020年総統選に出馬し、侯氏は新北市政で80%という高い満足度を維持し2022年に市内全行政区で勝利を収めた後、2024年総統選に挑んだ。しかし、いずれも敗北を喫し、国民党の政権奪還は叶わなかった。
現在、「はげ頭」こと韓国瑜氏は2020年の敗選と高雄市長罷免という低迷期を経て、比例代表立法委員(国会議員)および立法院長として政界に復帰している。「漢」こと侯氏は2024年の敗選後も新北市政で7割近い満足度を維持し、党内の重要人物であり続けている。こうした中、再選を目指す台湾総統・頼清徳氏に対抗し、2028年に誰が国民党を率いるのかが注目されている。当初、「ツバメ」こと盧秀燕氏には大きな期待が寄せられていた。しかし、盧氏が党主席選への不出馬を決め、路線的に親中派とされる鄭麗文氏が党主席に当選して以降、党内では盧氏の総統への道は閉ざされたとの見方が広がり、2028年の出馬は困難ではないかと囁かれていた。
「漢」こと侯友宜氏(右から3人目)、「ツバメ」こと盧秀燕氏(左から4人目)、「はげ頭」こと韓国瑜氏(右から2人目)は、かつて2018年の国民党勝選の機運を牽引した。(撮影:李東陞)
台湾総統を目指す必須条件:両岸関係と対米関係の構築 その後、AIT処長に就任したサンドラ・オウドカーク氏も盧氏を表敬訪問しており、双方はトルコ地震の救援活動や野球、文化芸術などの分野で交流を行った。その際、盧氏はオウドカーク氏の名前が入ったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)台湾代表のユニフォームを贈呈している。当時、オウドカーク氏はAITのフェイスブックに「AIT処長として、初めての台中訪問で盧市長とお会いし、夕食をご一緒できたことを嬉しく思う。米台間には深い歴史的な繋がりがあり、その多くが台中と結びついている」と投稿しており、盧氏とAITの関係は修復されたと見られている。
さらに直近では、1月28日にAITの現理事長であるレイモンド・グリーン氏が盧氏を訪問した。報道では、経済貿易協力、産業発展、文化交流、都市統治などの議題について深く議論したとされている。しかし、外界があまり注目していない点として、米国からワシントン本部の執行理事であるイングリッド・D・ラーソン氏も訪台していたことが挙げられる。ラーソン氏の訪問先は総統府と台中市役所のみであった。
メディア報道では、双方が経済貿易協力や産業発展、美食・観光文化といったソフトな話題について語ったとされているが、国内では米国側が武器購入案件を目的に来たのではないかとの見方も強い。しかし、『風傳媒』の取材によれば、ラーソン氏やグリーン氏が盧氏を訪問した真の目的は、盧氏が3月に予定している再度の訪米行程に関する詳細な協議を行うためであったという。
AITのレイモンド・グリーン現理事長(左)が盧秀燕氏(右)を訪問。双方は経済貿易協力、産業発展、美食観光文化、および相互訪問などの議題に触れた。(写真:AIT Facebookより)
党内では悲観論も、盧秀燕氏は総統選へ極めて意欲的 盧秀燕氏はこれまでにも訪米を行っている。省議会議員や立法委員時代には何度も米国を訪問しており、台中市長在任中の2024年7月にも訪米した。しかし、当時の行程は華僑との面会や産業視察が主であり、政治的な色彩は薄かった。加えて、不運なことに7月は台風シーズンと重なり、訪米中に台風3号(ケーミー)が来襲したため、盧氏はシアトル到着からわずか6時間で台中へ戻り、災害対策センターで指揮を執ることとなった。台風通過後に再び渡米したものの、党内ではこの「弾丸往復」の政治的判断が適切であったかどうかが議論の的となった。
盧氏は本来、2028年の総統選において国民党の最有力候補と目されていたが、党主席選への不出馬やアフリカ豚熱への対応による逆風を受け、党内では一時、盧氏の総統への道を悲観視する声が強まっていた。しかし、『風傳媒』が入手した情報によると、盧氏の陣営は2028年に向けて極めて積極的であり、党内指名を勝ち取る決意を固めているという。その足掛かりとなるのが、2026年3月の訪米である。関係者によれば、今回の訪米で盧氏はマサチューセッツ州、ボストン、ワシントンD.C.などを含む米国東部へ直行する予定だという。今回は米国西部よりも政治的な意味合いの強い東部を訪問することから、米国側との信頼構築、いわゆる「面接」が目的であると見られている。
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外界の注目は少なかったが、AITワシントン本部のイングリッド・D・ラーソン執行理事(右)も台中市長の盧秀燕氏(左)を訪問していた。(写真:台中市政府公式サイトより)
鄭麗文氏の親中路線が選挙に影響か 盧氏の訪米が示す「もう一つの選択肢」 『風傳媒』の取材によると、盧秀燕氏がこのタイミングで訪米を決断した背景には、2028年の総統候補指名の獲得に加え、さらに重要な狙いがあるという。鄭麗文氏が党主席に就任して以来、任命された4人の副主席はいずれも親中路線をとっており、鄭氏本人も度々、中国の習近平国家主席との会談を口にしている。最近では「平和枠組み」構想を打ち出したが、これが民進党からの激しい攻撃を招いている。「武器購入を阻止して習近平氏との会談を引き換えにしようとしている」「媚中だ」といった批判は、2026年の選挙に挑む国民党候補者たちを困惑させており、年末の選挙情勢に悪影響を及ぼす可能性が高い。
そのため、『風傳媒』によると、盧氏がこの時期に訪米を決めたことには、党中央の強化された親中路線には追随せず、「親米・和中(中国と平和維持)・友日」路線への回帰を示す意図が含まれているという。これにより、2026年の統一地方選挙(九合一選挙)に出馬する候補者たちは、国民党内にも米中台の三者間で友好的な路線を維持する政治家が存在することを対外的に強調でき、「親中派」というレッテルを払拭する根拠を得ることができる。
現在、国民党内では2026年の次期台中市長候補を巡り、ベテラン立法委員の楊瓊瓔氏と立法院副院長の江啓臣氏による「姉弟対決」の様相を呈しており、盧氏がこれに積極的に介入しないことに対して懸念や不満の声も聞かれる。しかし、盧氏は双方を身内のように大切に思っており、2026年にスムーズなバトンタッチを行うためには、どちらか一方に肩入れせず、団結して選挙戦を戦う必要があると考えているようだ。一方で、盧氏は今年下半期から、国民党の全候補者を支援するために、全国最強の「選挙の母鶏(牽引役)」として積極的に活動する準備を整えているという。
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