中国「内巻き」の果ては日本の二の舞か 上海のアパレルからデリバリー戦争まで蔓延する集団的焦燥、中国が陥るデフレスパイラル

2026-02-02 14:21
北京の街頭で、巨大なカセットテープのレプリカアートの前を台車を押して通り過ぎる清掃員(写真/AP通信提供)
北京の街頭で、巨大なカセットテープのレプリカアートの前を台車を押して通り過ぎる清掃員(写真/AP通信提供)

中国は昨年、貿易黒字が1兆ドルを超えるという驚異的な成績を収めたものの、国内経済はかつてない「インボリューション(内巻き、過度な競争)」の嵐とデフレ危機に直面している。上海・七浦路(チープルー)におけるアパレルの大量返品から、EV(電気自動車)やフードデリバリー業界での血で血を洗う価格競争に至るまで、懸念される生産過剰と需要低迷が悪循環を形成している。輸出は好調でも、国内消費者の財布の紐は固く、企業収益は縮小の一途を辿っている。かつての日本における「失われた30年」を彷彿とさせるこの経済の冬は、中国が単なる「世界の工場」であるだけでなく、将来への不安を抱えた「焦燥する貯蓄大国」であることを浮き彫りにしている。

米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、現在の上海・七浦路の服飾卸売市場で業者に話しかければ、話題は今年のトレンド商品ではなく、山積みになった返品の山になるだろうと指摘する。中国ファッションの卸売の中心地であっても、今や寒々しい空気が漂っている。市場のフロアでは、返品の山を載せた台車を押す配達員が行き交い、その数は顧客よりも多いほどだ。これは単一の現象ではなく、中国経済の現状を映し出す最もリアルな縮図である。すなわち、生産過剰が引き起こす「インボリューション」の嵐が、中国をデフレの悪循環へと巻き込んでいるのだ。

「世界の工場」から「返品大国」へ

「一般庶民の懐にはもうお金がない。それは私たち自身も含めてだ」。婦人服卸売業を営む王晶晶(ワン・ジンジン、40歳)氏は無力感を滲ませる。ブルームバーグは中国政府の最新データを引用し、中国経済が深刻な構造的不均衡に直面していると報じた。王氏のビジネスはその縮図だ。彼女の試算では、2025年の収入は前年比で半減する見込みだという。かつては意気揚々と高級ブランド品を自分へのご褒美に買っていた彼女も、今ではフードデリバリーを頼む際にも予算を切り詰めている。

中国経済の現状は、典型的な「デフレスパイラル」の入り口にある。消費者が財布の紐を締めることで、生産者は在庫を抱える。在庫処分のために企業は身を切るような値下げを余儀なくされ、利益は蒸発する。利益が薄く、あるいは無くなれば、企業は採用凍結、賃金カット、さらにはリストラに踏み切らざるを得ない。その結果、労働者の収入は減り、消費マインドはさらに冷え込む、これこそが、完璧かつ窒息しそうな負の連鎖(閉ループ)である。 (関連記事: 一文でわかる「内巻地獄」 EVから太陽光まで過当競争が中国をのみ込む なぜ習近平氏は介入せざるを得ないのか 関連記事をもっと読む

中国国家統計局が2026年1月31日に発表したデータによると、中国の公式製造業購買担当者景気指数(PMI)は1月に予想外の49.3まで低下し、好不況の判断ラインである50を割り込んだ。これは製造業の活動が再び縮小していることを意味する。同時に、非製造業ビジネス活動指数も49.4に低下し、2022年12月のゼロコロナ政策解除以降で最低水準を記録している。

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