テスラ、Model S・Xの生産終了を正式表明 マスク氏「車は過渡期」、人型ロボット「Optimus」に社運を賭ける

2026-01-30 22:02
かつてEV革命を牽引した旗艦モデル「Model S」と「Model X」が正式に「歴史の1ページ」となり、生産ラインの全面転換が発表された。人型ロボット「Optimus」の研究開発と量産に全力を注ぐ方針だ。(写真/AP通信)
かつてEV革命を牽引した旗艦モデル「Model S」と「Model X」が正式に「歴史の1ページ」となり、生産ラインの全面転換が発表された。人型ロボット「Optimus」の研究開発と量産に全力を注ぐ方針だ。(写真/AP通信)

世界のEV(電気自動車)市場に激震が走った。テスラのイーロン・マスクCEOは最新の四半期決算説明会において、かつてEV革命を牽引した旗艦モデル「Model S」および「Model X」の生産を終了し、歴史の幕を閉じることを正式に認めた。

同時に、生産ラインを全面的に刷新し、人型ロボット「Optimus(オプティマス)」の研究開発と量産に経営資源を集中させる方針を発表した。この決断は、テスラが単なるEVメーカーから、AI(人工知能)とロボティクスの巨大企業へと完全に変貌を遂げることを意味する。この発表を受け、時間外取引でテスラの株価は3%以上急騰した。

旗艦モデル撤退の真意 マスク氏「未来はロボットにある」

​「これは困難だが、不可欠な決断だ」。マスク氏は投資家やメディアに対し、Model SとModel Xの生産終了を自らの口で認めた。これら2車種は、高級EV市場におけるテスラの地位を不動のものにした功労者であり、多くのファンにとっての「ドリームカー」であった。

しかし、テスラの戦略は劇的な転換点を迎えた。この「創業の功臣」とも言える2車種の退場は、販売不振によるものではなく、より壮大な戦略的レイアウトのための布石である。

説明会でマスク氏は「自動車はあくまで過渡期に過ぎない。高度な知能を持つ人型ロボットこそが、テスラの真の未来だ」と断言。Model 3とModel Yがキャッシュフローを安定的に支える現在、構造が複雑で製造コストの高いSとXに依存して技術力を証明する必要性は薄れた。

この戦略転換により、これまで高級車生産に充てられていた工場スペース、サプライチェーン、そしてトップレベルのエンジニアチームは、すべて人型ロボット「Optimus」の開発計画へと振り向けられる。マスク氏は、このような「破壊的イノベーション」とリソースの再配分を行わなければ、次なるAIの波で主導権を握ることはできないと強調する。これは単なる製品ラインの整理ではなく、人類社会の労働構造が根本から変わる未来への「賭け」である。

第3世代Optimusが今期登場 「産み出す価値は数兆ドル」

​旧モデルの停產発表と同時に、マスク氏はもう一つの爆弾発言を行った。第3世代となるOptimusが「今四半期」に正式発表されるというのだ。

この進捗は外部の予想を遥かに上回るスピードであり、テスラのロボット工学分野での開発速度が指数関数的に加速していることを示している。詳細は依然としてベールに包まれているが、マスク氏によれば、第3世代Optimusは人間に限りなく近い柔軟性と感知能力を備え、実験的要素の強かった前2世代とは異なり、「量産・商用化可能」な成熟したバージョンになるという。
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市場アナリストは、このロボットがまずテスラ自社工場での危険作業や反復作業に導入され、その後、商業・家庭用市場へ展開されると予測している。「これこそがテスラの時価総額を次のステージへ押し上げる鍵だ」。マスク氏は自信を見せ、人型ロボットの市場ポテンシャルはEV事業を遥かに凌駕し、Optimusが人間の労働を大規模に代替できるようになれば、その経済価値は「兆ドル」単位になると豪語した。これこそが、Model SとXの既得市場を犠牲にしてでも、未開拓のブルーオーシャンを全力で獲りに行く理由である。

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