2026年初頭、北京当局は衝撃的な「成績表」を公表した。過去1年間で、中国共産党中央規律検査委員会(中紀委)は記録的な98万3000人を処分したという。「第15次5カ年計画(十五五)」の始動を目前に控え、習近平国家主席は軍制服組トップだった張又侠氏を粛清しただけでなく、その刃(やいば)を金融業界や国有企業にも向け、反腐敗の圧力を強めている。しかし、高圧的な「汚職撲滅」と、幹部に求める「担当精神(責任ある行動)」との間で、中国官界は今、奇妙な矛盾に陥っている。13年にも及ぶこの整風運動は、果たして清廉な政治のためなのか、それともより深層にある権力固めのためなのか。多くの人々が疑念を抱いている。
中国が「第15次5カ年計画」の策定を急ぐ重要な局面で、中紀委も年度報告を提出した。公式データによると、2025年の摘発・処分者数は過去最多の98万3000人に達し、2024年比で10.6%増加した。これは共産党がデータを公開し始めた過去20年間で最多の記録である。
2012年末の習近平体制発足とともに始まったこの反腐敗キャンペーンは、13年を経ても収束するどころか、権力の集中とともにエスカレートしている。戒告、停職、降格から党籍剥奪に至るまで、年間100万人近い処分者を出す規模となっている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、この反腐敗闘争が「終わりのない調査と粛清」へと変質しており、その目的は単なる汚職撲滅を超え、習氏とその政策課題に対する「絶対的な忠誠」を強化することにあると指摘している。
先週開催された第20期中央規律検査委員会第5回全体会議において、習氏は「腐敗は党と国家の事業発展における『行く手を阻む虎』であり『足かせ』だ」と断じた。さらに、「十五五」の目標達成に向け、規律検査機関に対し監督権限をより強力に行使し、忠誠心と効率性を兼ね備えた執行チームを確保するよう求めた。しかし、官製メディアの論評は、地方幹部が中央の政策を実行する際、しばしば「骨抜き」や「歪曲」が生じているという気まずい現実を露呈している。
共産党機関紙『人民日報』は、各地で認識のずれや怠慢な対応(形式主義)が横行し、中央の計画が円滑に実施されていないと指摘。党として引き締めを強化する必要があると論じた。一部の地方では、現地の条件を無視して、中央が奨励する半導体、電気自動車(EV)、リチウム電池などのハイテク分野に盲目的に追随し、無謀な計画を立ち上げているという。同紙は、実情から乖離した政策実行は「歪み」を生み、「良い経典も読み手が悪ければ台無しになる(把好経念歪)」と警告。この歪みを防ぐ鍵は、やはり「全面的な厳しい党内統治(従厳治党)」にあるとしている。
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共産党自身も、終わりのない粛清が多くの幹部を萎縮させ、「官僚形式主義」や「無作為」を助長していることを認めている。経済的課題を克服するためには地方の活力が不可欠だが、習氏は「公心からの過失(職務遂行上の過ち)」は容認すると強調し、「厳格な規律が積極果敢な精神を削ぐべきではない」と訴えている。しかし現実は厳しく、2025年1月から11月の間に、政策執行の不手際や無謀な行い、虚偽報告などで処分された幹部は14万人を超え、2024年の約13万8000人を上回った。












































