中国、日本渡航制限の次は「台湾旅行解禁」か 憶測呼ぶ契約更新、台湾当局は「定例事務」と一蹴

2026-01-26 13:20
中国文化観光省がこのほど「2026年版 台湾地区への旅行契約(モデル約款)」を公表し、中台観光の解禁が近いのではないかとの憶測を呼んでいる。(イメージ写真/楊騰凱撮影)
中国文化観光省がこのほど「2026年版 台湾地区への旅行契約(モデル約款)」を公表し、中台観光の解禁が近いのではないかとの憶測を呼んでいる。(イメージ写真/楊騰凱撮影)

高市早苗首相による「台湾有事」発言を受け、中国外務省が昨年11月14日深夜に「日本への渡航自粛」を呼びかけたことは記憶に新しい。これを受け、中国の大手航空会社3社は即座に日本行きの航空券を無料で変更・払い戻し可能にする措置を取った。

そんな中、中国文化観光省がこのほど「2026年版 台湾地区への旅行契約(モデル約款)」を公表し、外部からは「中台間の観光規制がついに緩和されるのではないか」との憶測が飛び交っている。これに対し、台湾の対中政策を管轄する大陸委員会(陸委会)の梁文傑・副主任委員(報道官)は、「単なる定例的な事務更新に過ぎず、特別な意味はない」と冷静な反応を示した。さらに中台間の現状を「卓球」に例え、「我々がサーブを打っても、相手が打ち返してこない」と、対話が停滞している現状を指摘した。

中国人観光客の解禁なるか?中国が「訪台旅行契約」を更新

​中国文化観光省と市場監督管理総局は20日、「2026年版 団体旅行契約(モデル約款)」を公表した。ここには「大陸住民の台湾地区への旅行契約」も含まれており、保険加入や団体の最小催行人数、紛争解決のルールなどが規定され、3月31日から正式に施行される予定だ。政治的に微妙な時期での発表だけに、これが中国人団体客の台湾旅行再開に向けた「準備動作」ではないかと注目が集まっている。

しかし、陸委会の梁報道官はこの見方を否定した。「この文書は2014年から毎年発行されているもので、今回はその更新版だ。定例的な事務手続きであり、政治的なシグナルとは見ていない」その上で、観光再開の条件として、まずは「観光小両会(台湾海峡両岸観光旅遊協会と海峡両岸旅遊交流協会)」と呼ばれる実務者レベルでの協議再開に応じるよう、中国側に求めた。「双方の旅行者の安全、品質、安定性、公平性を確保してこそ、観光は再開できる」との立場だ。

梁氏は、中国側が契約モデルを更新したことについて「(台湾への)団体旅行を拒絶しない意思表示」としては評価しつつも、肝心の協議要請には沈黙を続けていると指摘。「中台関係は卓球のようなものだ。相手がボールを受けず、打ち返してもこなければ、試合は成立しない」と語った。

「独立派処罰」の恐怖、遠のく観光再開

​メディアからは「2026年11月の統一地方選挙(九合一選挙)は、中国の一般市民に台湾の民主主義や日常を知ってもらう絶好の機会ではないか」との質問も飛んだが、陸委会の姿勢は慎重だ。

梁氏は「中台交流のタイミングは、一瞬で消えてしまうことが多い」と語る。過去にも、中国側が台湾海峡の航空路「M503」を一方的に変更したことで、台湾からの団体旅行が中止に追い込まれた経緯がある。さらに中国当局はその後、いわゆる「台湾独立派処罰のための22カ条の意見」を発表。台湾人を恣意的に「独立派」や「共犯者」と認定しかねない法的威嚇を行ったため、台湾政府は中国・香港・マカオへの渡航警戒レベルを「オレンジ(不要不急の渡航自粛)」に引き上げざるを得なかった。

梁氏は、「中国共産党は一方的に『誰が独立派か』『誰が共犯か』を定義し、台湾に対して非友好的、あるいは悪質とも言える措置をとっている。我々が関係改善を試みるたびに、相手側が悪化させる挙動に出る。この悪循環は誰も望んでいない」と述べた。現状において、観光再開の鍵は依然として「中国側が交渉のテーブルに戻り、観光の安全と品質を保証できるか」にかかっているようだ。

資料來源:陸委會

編集:梅木奈実

最新ニュース
米主導の「対中包囲網」に風穴 EU・カナダが中国と相次ぎ和解、揺らぐEVデカップリング
「日台友情の象徴」李琴峰氏や東山彰良氏の作品など3万冊 日台交流協会が寄贈、2026年開館の台南新国家図書館分館に収蔵へ
【舞台裏】台湾軍「サイバー部隊」に戦力空白の危機?中国の指名手配が示す実力と、組織再編の真実
トランプ氏、ペンギン画像で「グリーンランド執着」示す?英米研究者が指摘する「資源開発」の不都合な真実
2026年こそ「運命の分岐点」?習近平の焦燥とトランプ外交の空白が招く、台湾有事「3つの引き金」
【特別寄稿】映画『国宝』の狂気と高市早苗の覚悟 映画と政治が共振する「日台運命共同体」の行方
命綱なしで台北101の頂へ アレックス・オノルドはいかにして「恐怖」を飼いならしたか?王者が語る極限の心理と死生観
わずか1時間半!アレックス・オノルド、台北101の「完全フリーソロ」に成功 命綱なしで史上初の快挙
日本の帰化条件が大幅厳格化へ 自民党が提言案、居住要件「10年」に延長 離島の国有化も明記
婚姻減が少子化の主因、現金給付より住宅支援や同棲普及が有効 八代尚宏氏らが経済学的分析で提言
「関税交渉は台湾の主権を確立させた」日韓超えの好条件に韓国は焦燥、TSMC米国進出は「競争力の拡張」
「狙いはレアアースだけではない?」トランプ氏、2019年にグリーンランドと覚書締結済み 中国の支配網を脅かす「北極の宝庫」の全貌
NVIDIA「H200」ついに中国解禁か 中国「条件付き」で容認、アリババ・テンセントが40万個規模の争奪戦へ
独占インタビュー》「家がなくても歌えば生きられる」理系教師から路上の歌姫へ 古川愛理、セクハラ・ホームレス生活を越え 台湾人との絆で世界へ
2026年世界経済は緩やかな減速へ 日銀は「極めて緩慢な正常化」維持で年末金利1.25%・ドル円145〜150円を予測
「AI公務員」誕生へ?OpenAIが政府向け新戦略を積極展開、英韓など11カ国が既に署名
羽田でも仁川でもない!2025年「アジア最強ハブ空港」トップ10 1位はあの「LCC天国」、シンガポールも敗北
【演説全文】ゼレンスキー氏、NATOは「張り子の虎」欧州は「二枚舌」と痛烈批判 台湾の「プーチン支援」に不満
独占インタビュー》「離婚裁判」という人生最大の逆境を力に 元看護師の書道家・優、魂を揺さぶる筆致で世界へ
長渕剛「7 NIGHTS」最終公演、U-NEXTで2月23日独占配信へ
政府、外国人政策で新方針決定 「共生」に加え「秩序」を重視 税・保険料未納の審査反映や永住許可厳格化へ
「台湾人は鹿に優しい」へずまりゅう市議、中国人の暴行問題巡りマナーを称賛 「ルール守る外国人は大歓迎」
「トランプ氏の言葉は字面でなく『ビジネスロジック』で読め」林佳龍外相が語る、台湾防衛と対米交渉の核心
「金は払わない、欲しいのは支配権だ」トランプ氏がNATOと合意宣言、激怒するグリーンランド首相
Japan DX Week分析、名古屋展のリード獲得効率が東京を大幅に上回る 1小間平均649件
駅の食品廃棄物が「肥料」に進化 JR藤沢駅・リエール藤沢で循環型野菜を味わう「地のものフェア」2月5日より開催
政府、外国人共生策を加速 自治体の「アウトリーチ支援」制度化と空港業務の規制緩和を推進
「税・保険料未納はビザ更新せず」高市首相へ申し入れへ、自民が「不法滞在ゼロ」厳格化提言 土地取得規制や難民審査の短縮盛り込む
台湾奪取は「最も困難な軍事作戦」になる トランプ流の現実的戦略へ「日韓・比豪」と連携し台湾を守る、米国が第一列島線に最先端防衛力を配備
GINZA SIX、2026年春のリニューアル詳細を発表 「赤坂おぎ乃」新業態や「ミキモト」スキンケア旗艦店など注目5店舗が開業へ
【ダボス演説・完全要約】トランプ大統領、ダボスで70分の熱弁 グリーンランド問題や対中戦略など重要15項目まとめ
在留カード照会システム機能強化 海外アクセス遮断などICチップ確認と失効照会が連携へ
「+から始まる電話」には出ないで!入管職員を装う詐欺が多発 急増する「なりすまし」電話、被害防ぐための鉄則とは
入管庁が「不法滞在者ゼロプラン」公表 在留外国人377万人、過去最多を更新 空港手続き短縮や「マイナ一体化」推進へ
羽田空港に世界最大の「ゴジラ」襲来!第3ターミナルで全長40mの巨大模型を公開
ズーラシアで「レゴ®ワークショップ」開催へ レゴランド東京との初コラボで動物づくり体験
横浜・みなとみらいでイノベーションの祭典、「Startup Demoday × YOXO FESTIVAL 2026」開催へ
水素を「知る・遊ぶ・味わう」体験型イベント 高輪ゲートウェイで「水素がうごかす未来シティ」開催へ
「1週間の出張」がまさかの286日に NASAの伝説、スニータ・ウィリアムズ飛行士が引退表明 スターライナー騒動の真実
広尾の名店「incanto」が初出店!渋谷スクランブルスクエアで「バレンタイン2026」開催、限定チョコラテリアが登場
横浜赤レンガ「ストロベリーフェス2026」過去最多46店舗集結、東急電鉄と連携しデジタル企画乗車券を発売 入場券・お買物券がセットに
髙松建設、最新の建築事例を一挙公開する「プレミアム建物博覧会」を全国19会場で開催へ
2026年米国経済、AI主導で「5%成長」へ ブルームバーグ主席エコノミストが見通す“死角”とFRB利下げの行方
横浜「GREEN × EXPO 2027」マスコット「トゥンクトゥンク」、待望のぬいぐるみが登場 1月28日発売
京都府内「最高層」128m!JR向日町駅前に38階建てタワマン「J.GRAN TOWER」誕生
「武力行使せず、関税も延期」トランプ氏がグリーンランド問題で急転換 NATOとの枠組み合意強調も詳細は不透明
【ギャラクシー賞】12月度月間賞は『べらぼう』など4本 万博問題描くテレメンタリーも
北京五輪スキージャンプ金メダリスト・小林陵侑「最大の敵は自分自身」 ミラノ五輪へ向け外国特派員協会で会見
Google日本法人が「Gemini」の正しい読み方を「ジェミニ」と明言 発音論争に公式見解
舞台裏》「頼清徳の顔に泥を塗った」 台南の派閥抗争が露呈させた民進党の亀裂、2026年選挙への不安