トップ ニュース 米台、関税協定で異例の「政府間署名」 中国の反発必至か、5000億ドルの戦略的バーター成立
米台、関税協定で異例の「政府間署名」 中国の反発必至か、5000億ドルの戦略的バーター成立 米台貿易協議が妥結し、台湾の対米税率は15%に。イメージ画像。(資料写真、陳怡慈撮影)
長期間にわたる米台間の関税交渉を経て、米国商務省は米東部時間15日、米台貿易合意の内容を公表した。これにより、台湾への対等関税率は15%に引き下げられ、最恵国待遇(MFN)税率の加算も不要(Non-stacking)となる。また、半導体およびその派生製品などは、米国通商拡大法232条に基づく関税において「最優遇待遇」を取得した。これに対し、台湾側はハイテク産業による直接投資や金融支援など、総額5000億ドル(約78兆円)規模のコミットメントを行う。総括会合の終了後、台湾行政院(内閣)もプレスリリースを出し、この事実を認めた。
財経作家の游庭澔氏は16日、Facebookにて「ついに米台関税が妥結した」と指摘。その交換条件として、台湾側は性質の異なる2つのカテゴリーで計5000億ドル規模の投資を約束したと分析している。
台湾は「主要な赤字国」から「最優遇同盟国」へ ニューヨーク・タイムズが台湾の関税率が15%になると報じたことを受け、行政院副院長の鄭麗君氏や、行政院経貿談判弁公室(OTN)の楊珍妮代表らが率いる代表団が訪米し、実務協議を行った。米東部時間15日の総括会合終了後、行政院の米台経済貿易作業部会は、台湾が米国にとって第6位の貿易赤字国であり、その赤字の9割が半導体、情報通信(ICT)製品、電子部品など232条調査に関連するものであると説明。米国通商代表部(USTR)および商務省との複数回の交渉を経て、当初の目標であった以下の4項目を順調に達成した。
対等関税率の15%への引き下げ MFN税率加算の免除(不疊加) 主要赤字国の中で日本、韓国、EUと並ぶ「最優遇同盟国待遇」の獲得 半導体関税における「最恵国待遇」の取得
5000億ドルの内訳:「企業投資」と「政府保証」 また、プレスリリースでは、台湾がアメリカへの投資企業のために半導体および半導体派生製品の関税最優遇待遇を勝ち取った最初の国になったことにも言及した。交換条件について、游氏は台湾が2つの異なる性質を持つ計5000億ドルの投資を約束したと指摘している。1つ目は企業による2500億ドルの自主投資で、これは半導体、AI、EMS(電子機器受託製造サービス)、エネルギーおよび関連産業を網羅する。2つ目は、政府が信用保証の形で金融機関による最大2500億ドルの融資枠を支援するもので、直接的な出資ではない。さらに、232条の規定に関連し、台湾の半導体業者が米国内で工場を建設する期間中、計画生産能力の2.5倍に相当する製品を無関税で輸入できることも盛り込まれた。
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米台「新合意」の全貌:関税15%は上乗せなし、半導体は「枠内免税」へ 5000億ドルの投資MOUも締結
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プレスリリースでは、台湾が米国への投資企業のために、半導体および半導体派生製品の関税最優遇待遇を勝ち取った「世界初の国」になったと言及されている。交換条件について、游氏は台湾が約束した計5000億ドルの投資には2つの種類があると解説する。
1. 企業による自主投資(2500億ドル): 半導体、AI、EMS(電子機器受託製造)、エネルギーおよび関連産業を網羅する。
2. 政府による信用保証(最大2500億ドル): 金融機関による融資枠を政府が保証するものであり、政府による直接出資ではない。
さらに、232条に関連し、台湾の半導体業者が米国内で工場を建設する期間中、計画生産能力の2.5倍に相当する製品を無関税で輸入できる特典も盛り込まれた。
「中国の反発は必至」米国商務省での署名 Facebookのコミュニティページ「米国台湾観測站(US Taiwan Watch)」は、今回の合意が米国商務省内で署名されたことについて、「政府対政府(G2G)の形式であるため、中国側が反発するのは必至だ」と分析した。同ページはさらに、台湾の税率が当初の32%から20%、そして今回15%へと引き下げられた経緯に触れ、合意時期こそ米国の主要パートナーの中で最も遅かったものの、「減税幅は最大級」であり、半導体投資以外のカードをほとんど切ることなく追加品目の減税を勝ち取ったと高く評価している。
TSMCだけで1650億ドル、目標達成は「難しくない」 投資条件に含まれる「2500億ドルの信用保証」について、同ページは「政府が保証人となることで企業が銀行融資を受けやすくする仕組み」であり、主な受益者は中小企業になると解説した。これは政府が直接米国に資金を投じるわけではないという。
また、先日行われたTSMCの決算説明会で利益が予想を大幅に上回り、生産能力不足が焦点となっている点に言及。「米国進出は増産と新市場獲得が目的であり、TSMC1社だけで米国に1650億ドルを投資する計画であることを考えれば、半導体サプライチェーン全体で残りの850億ドルの投資目標を達成することは難しくない」と分析した。結論として、台湾は米国にとって重要なサプライチェーンの鍵を握る存在であり、「科学園区(サイエンスパーク)」などの産業政策の経験が交渉における大きな切り札になったとまとめている。
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