「チケットの適正な流通」がライブエンタメの未来を支える――チケットプラス取締役・飯沼裕樹氏が独自インタビュー

SNSで急増するチケット不正転売や本人確認の課題に対し、Tixplus飯沼取締役がAI顔認証など最新技術を用いた対策と実態を語った。(写真/Tixplus提供)
SNSで急増するチケット不正転売や本人確認の課題に対し、Tixplus飯沼取締役がAI顔認証など最新技術を用いた対策と実態を語った。(写真/Tixplus提供)

人気公演におけるチケット高額不正転売や、本人確認をすり抜ける不正入場――。これらは台湾だけの問題ではなく、日本でも長年にわたり主催者とファンの頭を悩ませ続けてきた深刻な課題である。ライブ・エンターテインメント市場の回復とともに、日本や台湾で深刻化するチケットの「不正転売」問題。そんな中、電子チケットや公式チケットリセールの領域で独自の取り組みを進めている「株式会社チケットプラス」の取締役・飯沼裕樹氏に、風傳媒(The Storm Media)が独自インタビューを行った。

SNSで急増するチケット不正転売や本人確認の課題に対し、Tixplus飯沼取締役がAI顔認証など最新技術を用いた対策と実態を語った。Tixplus
SNSで急増するチケット不正転売や本人確認の課題に対し、Tixplus飯沼取締役がAI顔認証など最新技術を用いた対策と実態を語った。(写真/Tixplus提供)

取材では、非公式の転売仲介サイトやSNSによる転売手口AI技術(人工知能)を活用した本人確認の導入、そして日台のチケット文化の違いや制度面の課題まで、多岐にわたる質問をぶつけ、その実態に迫った。飯沼氏は取材の冒頭、日本におけるチケット不正転売の手口について、「手口が巧妙化しているというよりは、従来の非公式転売仲介サイトならびにX(旧Twitter)を中心としたSNSなど、主催者があずかり知らない場での個人間取引が急増している点が課題だ」と指摘した

SNSで急増するチケット不正転売や本人確認の課題に対し、Tixplus飯沼取締役がAI顔認証など最新技術を用いた対策と実態を語った。Tixplus
SNSで急増するチケット不正転売や本人確認の課題に対し、Tixplus飯沼取締役がAI顔認証など最新技術を用いた対策と実態を語った。(写真/Tixplus提供)

従来のような非公式の転売仲介サイトの場合は、運元に対して発信者情報開示請求を行い、投稿者を特定するアプローチが取れるが、SNS上で「譲ります・求めます」といったハッシュタグを使い、DM(ダイレクトメッセージ)で取引が行われる場合証拠を残すのが難しく、個人の特定や追跡も難しい。。。飯沼氏は「我々はあくまでチケット販売を委託されている立場であり、主催者の意向に沿って対応を行っていますが、SNS上の個人間取引を一つひとつ把握・追跡するのは現状では非常に難しいです」と課題を語った

また、台湾でも問題視されている「入場時の本人確認すり抜け」の実態について、日本では厳格な本人確認を行う公演は全体の12割程度であるとした上で、そこでは本人確認書類の偽造手口も確認されていると話す。例えば、運転免許証などの公的身分証を偽造したり、精巧に作られた身分証のシールを貼り付ける手法が挙げられるライブ当日、何万人もの観客が押し寄せる入場ゲートで、係員の目視だけでこれらを全て見抜くことは現実的に困難である

そこで同社が推進しているのが、パナソニック等の国際的な技術を採用した「AI顔認証システム」だ0.数秒で来場者を照合するため偽造の余地がなく、さらに最新技術では電子チケットアプリの起動時にFace IDのような購入者本人の顔認証機能を実装しており、スマートフォン端末ごと他人に貸し出すことによる不正入場も対策に乗り出している (関連記事: ジェイ・チョウのチケット不正転売で最大の組織を摘発 約200枚を確保、詐欺的手法で前売り金も騙し取る 関連記事をもっと読む

主催者やアーティスト側がここまで不正転売対策に力を入れる背景には、単なるセキュリティ強化以上の切実な理由がある。飯沼氏は「主催者は会場が満員になることを望んでいるが、同時に、チケットを買い占めて良席を独占するような行為が、他の多くのファンの不満につながってしまう」とし、健全なチケットの流通がファンコミュニティ全体の信頼感につながります。と語る

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