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米台「新合意」の全貌:関税15%は上乗せなし、半導体は「枠内免税」へ 5000億ドルの投資MOUも締結 米台間の相互関税を15%に引き下げ。写真はドナルド・トランプ米大統領(写真/AP通信提供)
米台間の対等関税交渉がついに決着した。台湾行政院(内閣)は16日、交渉チームが米東部時間15日に米国側との総括会議を終え、「対等関税15%(MFN税率への上乗せなし)」、「半導体および派生製品の通商拡大法232条関税における最恵国待遇の取得」、そして「サプライチェーン投資協力の拡大と米台AI戦略パートナーシップの深化」といった主要目標を確認したと発表した。同時に、駐米国台北経済文化代表処(TECRO)と米国在台協会(AIT)が米商務省にて投資MOU(覚書)に署名したことも明らかにした。
投資家にとって、この「新たなコンセンサス」の核心は、単に関税率を有利な条件に持ち込んだことだけではない。より重要なのは、半導体やAIサプライチェーンが最も懸念していた「232条(安全保障に基づく輸入制限)の不確実性」を低減させた点にある。 大手証券の富邦投顧(Fubon Investment)は、今回の成果を以下のように分析している。
対等関税: 現行の20%から15%へ引き下げ、かつ最恵国待遇(MFN)税率への上乗せ(スタッキング)は行わない。半導体分野: 対米投資を行う企業には一定の「免税枠」が付与され、枠外であっても最恵国税率が適用される。
「15%・上乗せなし」が意味するもの:日韓欧と競争条件を「平準化」 いわゆる「15%・MFN上乗せなし(Non-stacking)」とは、平たく言えば「15%の対等関税に、既存のMFN税率をさらに加算する計算方式は採らない」ということだ。「税金に税金を重ねる」二重課税のような事態が回避されたことになる。富邦投顧はこの効果について、「台湾がEU、日本、韓国といった主要な競争相手とほぼ同等の税率基盤に立つことになった」と指摘する。
一般産業界にとって、この取り決めの最も直接的な意義は、工作機械やハンドツールなど対米輸出を主とする台湾産業が、税負担の構造的不利によって競争力を削がれるリスクが減ることだ。これにより、顧客が注文を他の同盟国のサプライチェーンへ切り替える動機を低下させる効果も期待できる。
半導体の「枠内免税」をどう読み解くか 鍵は232条の今後と投資戦略 市場が最も注目していた半導体分野については、米国側がすでに232条調査を開始し、関税賦課へ動き出していた背景がある。富邦投顧の1月14日のレポートによると、米国は一部の輸入半導体、製造装置、派生商品に対して「25%」の関税を課すと発表していた。ホワイトハウスも今後、より広範な半導体製品への課税を示唆しているが、米国内での半導体生産や特定のサプライチェーン工程に投資する企業には、優遇関税措置が適用される可能性があるとしていた。
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この文脈において、台湾が勝ち取った「最恵国待遇」と「枠内免税(配額免税)」は、市場心理を圧迫していた「不確実性」を事前に封じ込める意味を持つ。たとえ米国が将来的に232条の適用範囲を拡大したり税率を変更したりしても、一定条件下で台湾に最恵国待遇を与えるという約束があるため、対米投資やサプライチェーン構築の予見可能性が高まるからだ。なお、「免税枠」の具体的な規模や、枠外に適用される優遇税率の詳細については、米国の今後の正式発表を待つ必要がある。
投資MOUの裏側 「5000億ドルの約束」の内訳 関税措置と並ぶもう一つの柱が、投資協力だ。富邦投顧によると、台湾は対米投資の拡大として合計5,000億米ドル (約77兆5,000億円) のコミットメントを行った。その内訳は以下の2つに分類される。
民間主導: 台湾企業による自主的な投資(2,500億米ドル)。 政府支援: 台湾政府による「信用保証」を通じた、金融機関からの企業向け融資枠の提供(最大2,500億米ドル)。 このスキームは、「企業の直接投資」と「ファイナンス支援」を両輪で進めることを意味する。企業は自身の戦略に基づき、半導体、ICTサプライチェーン、AIアプリケーション、エネルギー分野などで米国での事業拡大を図る。一方、金融サイドはリスク管理可能な前提の下、資金供給を効率的にサプライチェーン投資計画へと誘導することが可能となり、企業の米国工場建設や生産拡大に伴う資金調達コスト(摩擦コスト)を低減させる狙いがある。
なぜ「対米貿易赤字第6位」があえて言及されたのか 行政院(内閣)の発表資料は、交渉の背後にある政治経済的な文脈についても触れている。台湾は米国にとって「第6位の貿易赤字相手国」であり、その赤字構造は半導体、情報通信(ICT)製品、電子部品に高度に集中している。これらが米国の通商拡大法232条(安全保障)調査に関連する分野であることから、台湾側は交渉において「対等関税」と「232条関税」を切り離さず、セットで協議することを重点戦略としたのである。
機関投資家の視点からも、輸出データを見ればそのセンシティブな構造が浮かび上がる。大手証券の富邦投顧が財政部のデータを分析したところ、2025年の台湾の貿易黒字は1,571億米ドル(約4.96兆台湾元)に達したが、そのうち対米黒字だけで1,501億米ドル(約4.74兆台湾元)を占める結果となった。特に対米輸出の構成比を見ると、ICT製品が76.5%、集積回路(IC)が約4.1%へと急増しており、両者の合計は実に80.6%に達している。
言い換えれば、今回の米台関税交渉の着地は、単なる特定産業への影響にとどまらず、台湾の輸出全体とサプライチェーンの競争力がどの位置付けになるかというマクロな問題に直結する。税率と最恵国待遇の仕組みが「アンカー(固定)」された今、市場の関心は「細則がいつ公表されるか」「具体的にどの品目が対象になるか」、そして「企業の投資計画がどのようなペースで実行されるか」に移ることになる。
次なるステップ、「米台貿易協定」の署名と議会審議 行政院はさらに、今回の合意とは別に、包括的な「米台貿易協定」の進捗についても言及した。この協定には、関税、非関税障壁、貿易円滑化、経済安全保障、労働権益の保護、環境保護、調達拡大といった重要項目が含まれている。現在、双方は条文の法的審査(リーガルチェック)を進めており、別途日程を設けて米通商代表部(USTR)と正式な署名を行う予定だ。その後、法的手続きに従って完全な協定条文が立法院(国会)に送られ、審議されることになる。
投資家が今後注視すべき「3つのポイント」 一連の発表を受け、投資家は今後、以下の3点に焦点を当てて観察する必要がある。
232条の詳細発表: 米国側による半導体関税の税率と免税枠(クオータ)の細則がいつ、どのような形で公告されるか。投資MOUの具体化: 署名された投資覚書に基づき、プロジェクトがどう着地するか。特に土地、電力・水、インフラ、税務、ビザ発給などのリソース支援が具体的にどう動くか。協定の制度化プロセス: 米台貿易協定の条文公開と議会審議のスケジュール。これによって、今回の「交渉成果」が単なる政治的合意にとどまらず、企業にとって実際に運用可能で、事業価値に反映(プライシング)できる確固たる制度となるかが決まる。更多新聞請搜尋🔍風傳媒日文版
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