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「救済は間もなく到来する」トランプ氏、イラン介入を示唆 サイバー攻撃から核施設空爆まで検討か 2026年1月6日、米ワシントンで、共和党下院議員の年度政策会議での演説を終え、降壇するドナルド・トランプ米大統領(AP通信)
イランの反政府デモを巡る情勢が急速に悪化している。連日の抗議活動と当局による強硬な鎮圧により、すでに数千人が死亡したとの信憑性の高い報告が相次いでいる。米CBSニュースは病院の記録を引用し、死者数は2000人から2万人規模に上る可能性があると報じたが、イラン政府は公式な数字を一切公表していない。こうした中、ドナルド・トランプ米大統領はイラン国民に対し、抗議活動を継続し「自分たちの機関を取り戻せ」と促した。さらに「救済は間もなく到来する」と宣言し、イラン政権が「非常に強力な行動」に直面することになると警告した。
しかし、トランプ氏が国際舞台で「自由の闘士」を演じる一方で、米CNNはその「二重基準(ダブルスタンダード)」を批判している。国外では暴政に立ち向かうと豪語する一方で、国内の異議申し立てに対しては同様に強力な鎮圧を行っているからだ。権力、利益、そして人権が複雑に絡み合うこのばくえきにおいて、トランプ氏はイランの救世主なのか、それとも力を崇拝する日和見主義者なのだろうか。
トランプ氏はイラン国民をいかに「救済」するのか 今回の動乱の根源は、深刻な経済的絶望にある。イラン通貨・リアルはこの1年で価値が半減し、1ドル=100万リアルという過去最安値を記録した。国民はもはや、政府が生活コストの危機を解決できるとは信じていない。首都テヘランでは数十万人が「独裁者に死を」と叫び、最高指導者アヤトラ・アリ・ハメイニ氏の肖像を焼き払った。しかし、多くの抗議者が命を落とし、1万人以上が逮捕され、死刑執行に直面しているとされる。
トランプ氏はイランの抗議参加者を公に支持し、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」で繰り返し介入の意向を表明している。当局が抗議者の殺害を続けるならば、米国がイラン人を「救済」するために向かうと主張した。トランプ氏は1月10日の投稿で「イランはかつてない自由の夜明けに直面している。米国はいつでも支援を提供する準備ができている!!!」と記した。また、CBSに対し「彼らが数千人を殺害し始めた。今、絞刑(こうけい)の話も出ている。これらが彼らにとってどのような結果をもたらすか、注視していく」と述べた。
ホワイトハウスでエネルギー関連の幹部らと会議を行うドナルド・トランプ米大統領。(AP通信)
シナリオ1:サイバー攻撃とスターリンクによる支援 現時点で最も可能性が高い第一段階の行動は、非軍事的なものである。トランプ氏はサイバー攻撃や秘密工作を含む措置を検討している。米ポリティコによると、トランプ氏がイランに米軍部隊を派遣する可能性は低く、現時点では米軍資産の大規模な移動も確認されていない。
イラン政府によるインターネット遮断に対し、トランプ氏は大統領専用機(エアフォースワン)内で記者団に対し、「ネットワークを疎通させるかもしれない。イーロン・マスク氏と話をしてみる。諸君との話が終わったらすぐに電話するつもりだ」と語った。これは衛星通信「スターリンク(Starlink)」技術を利用して封鎖を突破することを示唆しているが、イスラエル・タイムズによると、イランはすでにスターリンクの信号を妨害・遮断しているという。
2026年1月10日、ドイツ・ベルリンで大勢の群衆が通りを埋め、標語や旗を掲げてイラン国内で勃発している大規模な反政府デモを支援した。(AP通信)
シナリオ2:軍事打撃と核施設への爆撃 より過激な選択肢には、軍事行動を伴う「キネティック・ストライク(物理的打撃)」が含まれる。首席地政学戦略家のマット・ゲートケン氏によると、米国は無人機やミサイルを使用し、空中または海上からイランの軍事インフラ、政府施設、さらには核施設を攻撃する可能性があるという。その目的は、政権の能力を削ぎ、さらなる暴行を抑止することにある。トランプ氏も11日、記者団に対し「軍が研究しており、我々もいくつかの非常に強力な選択肢を検討し、決定を下すつもりだ」と語った。
しかし、軍事介入には多大なリスクが伴う。国家安全保障研究所(INSS)の上級研究員は、象徴的な軍事打撃は当局の鎮圧力を弱める可能性がある一方で、イラン政権内部の結束を強め、より広範な紛争の拡大を引き起こす恐れがあると警告している。また、イランの反対派には統一されたリーダーシップが欠如しているため、米軍の空襲が戦術的な成功を収めたとしても、政権交代という戦略的な目標を達成できるかは不透明だ。
同時に、イランのモハンマド・バーゲル・ガリバフ議長は国営テレビの放送を通じ、米国がイランを攻撃すれば、イスラエルおよび「この地域のすべての米軍拠点、基地、艦船が我々の正当な標的になる」と警告した。最高指導者のハメイニ氏も9日、抗議の声が高まる中でもイラン政府は「退かない」との姿勢を示している。
イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメイニ氏。(AP通信)
CNN分析:トランプ氏による「抗議者解放」の二重基準 CNNの分析によると、トランプ氏はイランのデモ参加者を「救済」するために武力行使も辞さない構えを見せているが、「抗議の神聖性」に対する同氏の基準は、「抗議者のメッセージに同意するかどうか」に完全に依存しているという。対イランでは敵対政権に反抗する群衆を支持する一方で、米国内では「反トランプ」を掲げる抗議者を「テロリスト」と呼び、鉄腕で鎮圧する姿勢を見せている。その一例が、1月7日にミネソタ州で発生した米連邦移民・関税執行局(ICE)による市民射殺事件への対応だ。
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1月7日、ミネソタ州ミネアポリスで、37歳の米国人女性レネ・グッド氏が車を運転中にICE職員によって路上で射殺された。トランプ政権は、彼女が法執行官を車で轢こうとした「テロリスト」であると断定した。しかし、ドイツの声を代表とするメディアが現場の映像を分析したところ、車両がICE職員と衝突した形跡は全くなかったと指摘している。
この事件を受けて連邦機関の庁舎前で大規模な抗議活動が発生し、一部の法執行官が催涙ガスやペッパー弾を使用し、デモ隊を暴力的に強制排除した。ニューヨーク・タイムズがトランプ氏に対し「抗議者への攻撃的な戦術は適切か」と問うたところ、同氏は問題を回避し、「ICEは非常に不当な扱いを受けていると思う」と述べるにとどまった。
2026年1月7日、ミネソタ州で37歳の米国市民レネ・グッド氏がICE職員に射殺された。街頭の標語には「ICEはテロリスト」「ICEに殺害されたグッド氏よ、安らかに」と記されている。(AP通信)
他にも例はある。2025年10月、全米で反トランプの「無王集会(No Kings rallies)」が行われた際、トランプ氏は何ら根拠を示すことなく、数百万人の参加者を「アンティファ(Antifa)」やテロリストと嘲笑した。9月に極右派のコメンテーター、チャーリー・カーク氏が刺された際も、法執行当局が単独犯による犯行と発表したにもかかわらず、トランプ氏はこれを利用して左派グループの鎮圧を宣言し、言論の自由の保護を縮小することを示唆した。反ICEデモであれ、ガザの虐殺に反対するデモであれ、トランプ氏はこれらの活動を繰り返し「不法」と描写し、親パレスチナの観点を持つ合法的な移民までも追放対象にすると脅している。
要するに、トランプ氏は自身が好まない抗議活動に「反乱」のラベルを貼っているのである。
2026年1月8日、ICE職員による米国市民レネ・グッド氏の射殺に抗議する群衆。デモ参加者は法執行官からペッパースプレーを浴びせられ排除された。(AP通信)
トランプ氏の「介入学」:民主主義より権力、人権より利益 CNNは、トランプ氏がイランの抗議者の潜在的な「救世主」になろうとしているものの、同氏の発言を振り返れば、鎮圧は単に「強い国家が市民に対して行うこと」であると捉えているようだと指摘する。最も悪名高い例は2017年、ロシアのプーチン大統領が敵対者を殺害しているという指摘に対し、トランプ氏が「我々の国がそれほど潔白だと思うか?」と答えたことだ。
さらに過去の発言からは、トランプ氏が崇拝しているのは「人権」ではなく「力」であることが浮き彫りになる。1990年の『プレイボーイ』誌のインタビューで、中国政府による天安門事件の処理について、同氏は次のように述べている。「学生たちが天安門広場に押し寄せた時、中国政府は危うく失敗するところだった。学生たちは凶暴で恐ろしかったが、中国政府は力でこれを鎮圧した。これは力の威力を見せつけたものであり、我々の国がいかに弱腰だと思われているかを示している」。当時、同氏はソ連のゴルバチョフ氏についても、デモへの対処が「十分に強硬ではない」と批判していた。
英チャタムハウス(王立国際問題研究所)の専門家は、イランの抗議活動の結果がどうであれ、現体制の正当性はすでに崩壊しており、「終焉」に向かっていると指摘する。トランプ氏がイランの解放を叫ぶ背景には、人権や民主主義といった大義よりも、権力と利益を巡る計算が色濃く反映されていると言わざるを得ない。
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