IEA、過去最大の4億バレル放出を決定 ホルムズ海峡の混乱で市場安定化を急ぐ

米カリフォルニア州のドライバーがガソリンスタンドでセルフ給油する様子。(写真/AP通信提供)
米カリフォルニア州のドライバーがガソリンスタンドでセルフ給油する様子。(写真/AP通信提供)

中東情勢の緊迫化によるエネルギー市場の動乱を鎮静化させるため、国際エネルギー機関(IEA)は11日、同機関の設立以来、過去最大規模となる4億バレルの戦略石油備蓄(SPR)を放出すると発表した。石油供給が不安定化する中、トランプ米大統領は先週までの「石油市場への介入反対」という姿勢から一転、同盟諸国に対し積極的な備蓄放出を働きかけるなど、その180度の方向転換が注目を集めている。しかし、ホルムズ海峡の封鎖により1日あたり2,000万バレル規模の供給が途絶える可能性を考慮すると、4億バレルという膨大な放出量であっても、わずか20日分程度の輸送量に過ぎない。戦況が長期化すれば、「焼け石に水」となる懸念が強まっている。

現在、ブレント原油価格は1バレル=99.54ドル(約1.5万円)付近で推移している。イランは「原油価格の武器化」を中核戦略に据えているとみられ、世界に対し「価格が1バレル=200ドルまで高騰するのを覚悟せよ」と警告を発した。フィナンシャル・タイムズ(FT)やブルームバーグ、ウォール・ストリート・ジャーナル各紙は、市場の供給不足がすでに2億2,000万バレルを突破している現状では、大規模なSPR放出も価格抑制への効果は限定的であるとの見方を伝えている。ロイター通信のコラムも、中東産原油への依存度が60%に達するアジア諸国にとって、米国による備蓄放出は「遠くの水は近い火を消せない」状況に直面していると指摘した。

ホルムズ海峡が開放されない限り、世界の安全保障上のバッファー(緩衝材)を使い果たすこの「歴史的救済措置」も、結局は穴の空いたバケツに貼られた絆創膏に過ぎない結果となる恐れがある。

IEAが4億バレルの備蓄放出を決定、米国は1億7,200万バレルを負担

今回の危機に対し、IEAのファティ・ビロル事務局長は「石油市場が直面している課題は、規模の面で前例がない。IEA加盟国が今回の緊急招集に応じたことを歓迎する」と述べた。IEAが調整した32の加盟国による4億バレルの放出規模は、2022年のロシア・ウクライナ戦争勃発時に2段階に分けて放出された計1億8,200万バレルを大きく上回る。

FT紙によると、IEA加盟国は緊急時に動用可能な戦略石油備蓄(SPR)を計約12億バレル保有している。SPRの活用は、1970年代の石油危機に伴いIEAが設立されて以来、今回で5回目となる。ビロル事務局長は具体的な放出速度の詳細には触れなかったが、米国は計画された放出ペースに基づくと、全量の引き渡しには約120日を要するとの見通しを示しており、市場へ一気に供給されるわけではない。
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今回放出される4億バレルのうち、米国は最大のシェアを引き受け、メキシコ湾沿岸の岩塩坑に貯蔵されている4億1,600万バレルの在庫から1億7,200万バレルを放出することを約束した。これにより米国の石油備蓄は1980年代以来の最低水準となる貯蔵容量の60%まで低下し、非緊急時の法定最低限度を下回ることになる。トランプ氏が選挙時に公約した「SPRを上限まで満たす」という内容とは、皮肉にも対照的な結果となる。

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