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世界供給20%が消失危機、ホルムズ海峡封鎖の衝撃 「7%で大インフレ」の過去超えるリスクに識者が警鐘 中東情勢の緊迫化で原油価格が高騰。ジャーナリストの陳鳳馨(チェン・フォンシン)氏はインフレへの甚大な影響を警告する。(資料写真/AP通信)
中東での紛争激化により、世界的な原油価格の急騰が続いている。ウォール街の経済アナリストらは、紛争が長期化するほど、原油高が引き金となる「スタグフレーション(不況下のインフレ)」の発生リスクが高まると警鐘を鳴らしている。
台湾のベテランジャーナリスト、陳鳳馨(チェン・フォンシン)氏はインターネット 番組で、年初からのWTI原油および北海ブレント原油の上昇幅がいずれも5割を超えていると指摘。エネルギー価格の上昇という直接的な危機に加え、インフレによる各国の金融緩和政策の転換(利上げへのシフト)が世界経済に及ぼす影響を注視すべきだと強調した。
供給の「わずか7%」が引き起こした歴史的インフレ 陳氏は、米国の現状について、コーヒー(前年比17%増)や肉類(同18%増)、電気料金(同6%増)などが上昇しているものの、全体のインフレ率は依然として低下傾向にあると分析。その上で、歴史的な事例として1973年の石油危機を挙げた。
当時、石油輸出国機構(OPEC)の結成と対外禁輸により、世界の原油供給のわずか7%が影響を受けただけで、原油価格は134%も急騰した。その結果、世界は深刻なスタグフレーションに陥り、米国でもニクソン政権からレーガン政権期にかけて、長期にわたる高インフレと不況の同時進行を経験した。
2008年の金融危機(リーマン・ショック)時には、原油価格は過去最高となる1バレル=147ドルを記録した。これを受け、米国のオバマ前大統領は環境汚染のリスクを抱えながらもシェールオイルおよびシェールガスの開発を決定。その結果、米国の原油生産拡大により価格は安定に向かい、米国は世界最大の原油輸出国となった経緯がある。
しかし陳氏は、現在の中東情勢が原油価格を再び過去最高値へと押し上げた場合、世界経済への衝撃は計り知れないと指摘する。今回のホルムズ海峡封鎖による影響は、世界の原油供給の約20%に及ぶ。これは 第1次石油危機や過去の禁輸措置を大幅に上回る規模だ。イランの産油量自体は世界シェアの約4%に過ぎないが、同国が同海峡という要衝を掌握していることが最大の脅威となっている。現在、同海峡を通過する船舶数および総トン数は急速に減少し、ほぼゼロに近い状態だという。
在庫も限界に 世界経済を道連れにするイランの戦略 原油は生産されても搬出できなければ在庫として積み上がるしかない。エネルギー調査機関ケプラー(Kpler)のデータによると、2月28日時点での貯蔵余力は、サウジアラビアで残り19日、アラブ首長国連邦(UAE)で21日、イランで13日、クウェートで14日、カタールで19日となっており、各国の在庫は限界に達しつつある。
本来、ホルムズ海峡を通過する原油および石油製品は日量2,000万バレルに上る。一部は陸上パイプラインで代替可能だが、世界供給への影響は10%を大きく上回る。「輸出を阻止しているイランの狙いは、紛争を通じて世界経済を道連れにすることにある。戦争が続く限り、エネルギー供給への影響は避けられない」と陳氏は指摘した。
終戦の鍵を握る3カ国とは また、直近2週間で多くの中央銀行が金利決定会合を予定している。世界各国はインフレ対応を迫られており、利下げよりも利上げの可能性が高まっている。エネルギー価格の高騰に加え、金融緩和政策の転換という二重の危機に直面する中、インフレが解消されない限り中央銀行が取れる手段は極めて限られているという。
陳氏は最後に、今後の動向を左右する鍵はイスラエル、イラン、ロシアの3カ国にあると述べた。トランプ氏は早期終戦を望んでいるが、開戦は容易でも終戦のコントロールは困難であるとの見解を示した。「トランプ氏の発言のみを注視して市場が反応するのは極めて危険であり、これら3カ国の動きを慎重に見極める必要がある」と締めくくった。
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