トップ ニュース 謝金河氏「ハメネイ氏死亡で世界は右傾化へ」 トランプ氏のイラン攻撃がもたらす「対中抑止効果」とは
謝金河氏「ハメネイ氏死亡で世界は右傾化へ」 トランプ氏のイラン攻撃がもたらす「対中抑止効果」とは 米軍が2月28日にイランを空爆、首都テヘランで黒煙が上がる様子。(写真/AP通信提供)
米イ戦争が拡大する中、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師が2月28日に襲撃を受け死亡し、イランの権力中枢に甚大な打撃を与えた。これを受け、財信伝媒の董事長である謝金河氏は、インターネット番組『老謝開講 』の中で、ハメネイ師の死亡報道直後から中東情勢が大きな転換点を迎え、中南米では右傾化の兆しが現れ始め、中国が推進する「一帯一路」戦略が中断されたと指摘した。
謝氏は次のように説明した。1月5日、米軍がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束したことで、中南米情勢に地殻変動が起きた。これまで中国は中南米での基盤強化に多大な精力を注いできたが、米国によるマドゥロ氏拘束後、中南米全体で「右傾化」の傾向が顕著になっている。チリでは右派の大統領が当選し、エクアドルやコスタリカの最近の選挙でも政権交代が相次いでおり、次はキューバで劇的な変化が生じる可能性が高い。ドナルド・トランプ米大統領によって世界情勢は激変しており、その変化は極めて劇的だ。マドゥロ氏失脚のドミノ現象に続き、現在、米国はキューバを兵糧攻めにする戦略をとっており、石油調達を阻むことで同国経済の疲弊が浮き彫りになりつつある。
ハメネイ師死亡、イランの後継者は誰か 謝氏は現在の情勢について、イランには注視すべきいくつかの変化があると指摘する。第一に、現時点でイランには明確な後継者が不在である点だ。ハメネイ師は1989年にホメイニ政権を継承して以来、38年近くにわたり執政し、イランを全体主義的な統治下においた。長老級の聖職者らによる専門家会議が組織された直後に攻撃を受け、後継者として有望視されていた人物の多くが犠牲となった。イラン政権の行方は将来の世界情勢を左右するが、最新の情報ではハメネイ師の息子が後継する可能性が高いと報じられており、そうなれば米国との敵対関係はさらに深まることが予想される。
謝氏は続けて第二の点を挙げた。イランは約9000万人の人口を擁し、広大な国土を持つ中東の重要国家であり、イラクやサウジアラビアと国境を接している。ホルムズ海峡は世界の石油輸送における最重要ルートであり、アラブ諸国が輸出する石油や天然ガスの大半はこの海峡を通過しなければならない。現在、ホルムズ海峡は依然としてイラン革命防衛隊の管理下にある。イランは先日、ホルムズ海峡を通過するすべての船舶を攻撃するとの声明を発表しており、この報道を受けて国際原油価格は急騰した。仮に原油価格が1バレル100ドル(約1.6万円)を超えれば、世界経済に甚大な打撃を与える恐れがある。
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今後の原油価格は上昇し続けるのか 謝氏は、もし米軍がホルムズ海峡を完全に掌握できれば、原油価格が80ドルまで上昇したとしても、それは短期的なトレンドにとどまる可能性があると分析する。しかし、イラン革命防衛隊が同海峡を支配し続けるならば、原油価格は高騰の一途をたどる可能性が高い。イランの政変が長期化すればするほど、原油価格を押し上げる要因となり、世界の資本市場に悪影響を及ぼすだろう。2008年のリーマン・ショック前、原油価格は一時147ドルまで高騰したが、その後急落し、一時は32ドル前後まで下落、多くの石油化学企業が巨額の赤字を計上した。現在の原油価格は80ドル付近で推移しており、北海ブレント原油も80ドルに達している。もしフーシ派が紅海を、あるいはイランが黒海方面を支配すれば、石油価格に大きな影響を与えるため、原油価格の動向は現在、最も注視すべき焦点である。
また謝氏は、イランが指導者を失い、指揮系統が混乱する中で中東の9カ国に対し無差別攻撃を開始した点に言及した。ペルシャ湾岸諸国は当初、イスラエルと対立する立場をとっていたが、イランによる無差別攻撃を受け、これらの中東諸国は米国側へと傾斜し、米国は中東諸国を自国のリーダーシップの下に団結させることに成功したといえる。米国によるマドゥロ氏拘束後、台湾の安全保障上の安心感は相対的に高まった。過去の伝統的な戦争は地上部隊による上陸戦だったが、現在の米国は他国に地上部隊を派遣することなく、独裁的な指導者を「斬首(排除)」するだけで戦争を効果的にコントロールできることを示している。
謝氏はさらに、今回の米国によるイラン攻略は石油戦略と密接に関連していると述べる。米国は事実上、中国が海外で安価な石油を調達するための拠点を壊滅させた形だ。ベネズエラとイランの防空システムはいずれも中国製だったが、オマーン湾にいた11隻の艦船がすべて米国によって撃沈されたことは、この戦争が中国に対する抑止効果を含んでいることを示唆している。米国のシンクタンクは、トランプ氏による対イラン反撃の核心的な狙いは中国への抑止にあり、「一帯一路」戦略はイランにおいて寸断されたと指摘している。中国は今回の米イ戦争において沈黙を守っているが、ベネズエラとイランが米国の掌握下に置かれた後、中国が安価な原油を購入し続けることは困難になる恐れがある。もし中国のエネルギー供給源が米国によって全面的に封鎖されれば、中国経済はさらなる苦境に立たされることになるだろう。
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