闇バイトはなぜ国境を越えるのか 背後に「トクリュウ」とマフィアの資金網

若者を狙う越境闇バイトの背後には、匿名流動型犯罪グループと合法的な肩書きで実態を隠蔽するマフィアの国際的な資金網が存在するとみられる。(写真/黃信維撮影)
若者を狙う越境闇バイトの背後には、匿名流動型犯罪グループと合法的な肩書きで実態を隠蔽するマフィアの国際的な資金網が存在するとみられる。(写真/黃信維撮影)

近年、若者を言葉巧みに誘い出し、カンボジアやフィリピンなど海外を拠点とする「闇バイト」が深刻な国際的社会問題となっている。関係者によると、日本の警察による摘発を逃れるため、時差が少なく、日本国内とほぼ同じ時間感覚で犯罪の指示を出せる東南アジアが拠点として選ばれる傾向にある。海外から日本の標的を狙う事例も後を絶たない。

こうした犯罪の背景には、SNSを通じて離合集散を繰り返す匿名流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」の存在があるとされる。さらに、その背後では巨大なマフィアや暴力団などが暗躍しているとの指摘もある。

例えば台湾でも同様の被害が急増しており、警察が空港で特定の危険国へ渡航しようとする若者に対し、警告の看板を掲げて引き留める事態にまで発展しているという。

東南アジアを拠点に広がる越境型犯罪

​関係者の分析によれば、日本、台湾、中国などの犯罪組織は、国籍を問わず資金を媒介として密接につながっている。そこでは敵味方の区別がつかない巨大な犯罪ネットワークが形成されているとみられる。

特筆すべきなのは、現代の犯罪組織が建設業や不動産業などを営むフロント企業を巧妙に利用している点だ。組織のメンバーが合法的な企業の役員など公的な肩書きを持ち、表向きは一般のビジネスマンとして活動しているケースが、日本国内でも多数確認されているという。

得られた犯罪収益は、偽装された業務委託料などの名目でフロント企業を経由し、最終的には暴力団などの資金源に流れ込んでいるとされる。

東京日本橋的馬喰橫山站文宣,提醒民眾「非法打工」就是犯罪。(黃信維)
闇バイトの危険性を警告するポスター。(写真/黃信維撮影)

フロント企業を通じて隠される資金の流れ

​関係者によると、このように犯罪組織が企業化し、実態を巧妙に隠蔽しているため、捜査当局にとっても資金の流れや真の黒幕を特定することは極めて難しくなっている。

海外を拠点とする特殊詐欺や強盗事件の背後には、固定的な組織構造を持たず、実行役の若者を使い捨てる犯罪グループと、合法的な肩書きを隠れ蓑にして利益を吸い上げるマフィアの強固な資金網が存在している。関係者は、こうした実態に強い警鐘を鳴らしている。

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