【インタビュー】「中国は統一ではなくチップを狙っている」 次期米国土安全保障長官候補が語るトランプ政権の対中戦略

2026-03-12 11:11
次期米国土安全保障長官候補マークウェイン・マリン氏の見解、トランプ政権が中国の長期戦略を阻む。(写真/AP通信提供)
次期米国土安全保障長官候補マークウェイン・マリン氏の見解、トランプ政権が中国の長期戦略を阻む。(写真/AP通信提供)

共和党の連邦上院議員であり、次期国土安全保障長官に指名されたマークウェイン・マリン(Markwayne Mullin)氏は、保守系メディア「ブライトバート・ニュース」の独占インタビューに応じた。マリン氏は、中国共産党(CCP)が「一帯一路」計画を通じて長期的な影響力拡大を図ってきた一方で、トランプ政権が強硬な戦略を採用したことにより、中国が描いてきた「百年の地政学的布石」が重大な挑戦に直面しているとの認識を示した。

このインタビューは、トランプ氏がマリン氏を、退任するクリスティ・ノエム氏の後任として国土安全保障長官に指名する前の2月4日に、連邦議会上院の事務所で行われた。指名が正式に発表された現在、このインタビュー内容は、トランプ政権の国家安全保障政策を見極める重要な窓口となっている。マリン氏は今後、ランド・ポール議員が委員長を務める上院国土安全保障・政府問題委員会の公聴会に臨む予定だ。

TPPの破綻から「一帯一路」へ 中国が乗じた影響力拡大の隙

マリン氏はインタビューの中で、中国共産党による国際秩序の再編案は短期的なものではなく、習近平国家主席が主導する長期戦略であると指摘。中国の思考プロセスは民主主義国家とは根本的に異なるとの見解を示した。

同氏は、米国の政策が通常、選挙サイクルに影響され4年ごとに大きな転換を迎えやすいのに対し、中国共産党は数十年、あるいは百年という時間軸で国家戦略を立案していると語る。「彼らは共和国でも民主主義国家でもなく、習近平氏が統治する共産主義政権だ」と強調した。

さらに、マリン氏は、オバマ政権が推進した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が米議会を通過しなかったことが、中国の拡張戦略における重要な転機の一つになったと分析した。本来、TPPは米国がインド太平洋地域の民主主義国家と連携して中国を牽制するための重要な経済枠組みと見なされていたが、米国内の政治的反対により瓦解した。

2025年11月1日、美国前大統領オバマがニュージャージー州ニューアーク市で民主党の州知事候補セロを応援する。(AP通信)
米国前大統領オバマが推進した環太平洋経済連携協定は、米国議会で承認されなかった。(写真/AP通信提供)

マリン氏によれば、中国はこの空白に乗じて「一帯一路」を提唱。古代の「シルクロード」の概念をモデルに、中国を中核とするグローバルな貿易およびインフラネットワークの構築を試みた。中国はこの計画を通じて、世界の主要な貿易・物流ルートを最終的に自国の支配下に置き、経済的・地政学的な影響力を高めることを狙っているという。

また、マリン氏は、中国が世界の金融秩序に対しても強い野心を抱いていると言及。特に世界貿易における米ドルの主導的地位に対する不満を背景に、他通貨を推進することで、国際準備通貨としてのドルの地位に挑もうとしていると指摘した。 (関連記事: ホルムズ海峡が「世界で最も危険な海域」に 各国商船がAIS上で「中国船」装う動き 関連記事をもっと読む

「債務の罠」外交と戦略的港湾の掌握

​マリン氏の分析によれば、「一帯一路」は単なるインフラ投資ではなく、緻密な地政学的戦略である。中国はアフリカや中南米の途上国に対し、港湾や政府庁舎、インフラ建設のために巨額の融資を行い、これらの国々を債務依存の状態に陥らせている。これまでの中国による関連プロジェクトの資金規模は、累計で約1.2兆ドルに達するという。

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