台湾のWHA参加案、「一つの中国」を巡る中国等の反対により10年連続で見送り

2026-05-19 12:05
WHA開幕を前にジュネーブを訪問した台湾外交部長(外相)の林佳龍氏は、「世界保健機関(WHO)への参加が目標であるが、その実現に向けて取り組む過程においても、台湾の存在を世界にアピールすることができる。WHA期間中、多くの国の医療・公衆衛生の専門家がジュネーブに集結しており、台湾のために声を上げるいかなる機会も決して諦めない」と述べた。(写真/中央社・呉柏緯記者 ジュネーブにて115年5月18日撮影)
WHA開幕を前にジュネーブを訪問した台湾外交部長(外相)の林佳龍氏は、「世界保健機関(WHO)への参加が目標であるが、その実現に向けて取り組む過程においても、台湾の存在を世界にアピールすることができる。WHA期間中、多くの国の医療・公衆衛生の専門家がジュネーブに集結しており、台湾のために声を上げるいかなる機会も決して諦めない」と述べた。(写真/中央社・呉柏緯記者 ジュネーブにて115年5月18日撮影)

5月18日、スイスのジュネーブで第79回世界保健機関総会(WHA)が正式に開幕したが、台湾は再び会場外での待機を余儀なくされた。総会は最終的に「台湾をオブザーバーとしてWHAに参加させる」との提案を議題に組み込む要請を却下し、台湾は10年連続でWHAから除外される結果となった。

11の国交締結国が提案、50カ国以上が支持表明 外交力がかつてなく結集

今期のWHAに向け、台湾側は膨大な外交資源を動員した。台湾外交部(外務省に相当)によると、世界保健機関(WHO)の加盟国である11の国交締結国が一致して、台湾のオブザーバー参加を求める提案をWHO事務局に提出し、今期総会の追加議題として取り上げるよう求めた。また、グアテマラやセントクリストファー・ネイビスなどの国交締結国の議会も、親台湾の決議を採択し、多様な形で支持の声を上げた。

国際社会からの支持の声も明らかに高まっている。50カ国を超える行政機関や立法機関が台湾支持を公に表明した:

  • 英国:外務省が、台湾の国際機関への有意義な参加を支持する立場を継続的に対外発信している。
  • スウェーデン:外相のマリア・マルメル・ステネルガルド(Maria Malmer Stenergard)氏は議会質疑に対する書面答弁で、台湾の有意義な国際参加を強く支持すると再三強調し、理念を同じくする他の国々と連携してWHO事務局に働きかけている。
  • 欧州連合(EU):組織の規則や慣例に反しない範囲において台湾の国際体系への参加を認めるべきだと公言し、中国が持ち出す「一つの中国」原則には国際的なコンセンサスが存在せず、EUもこれを承認または採用したことはないと明確に指摘した。
  • 米国:国務省が今年1月にWHOから脱退したものの、国連駐在米国代表のマイケル・ウォルツ(Michael Waltz)氏は、台湾の国際機関への有意義な参加を支持する姿勢を堅持し、中国側が国連総会第2758号決議を意図的に誤用していると非難した。

さらに、親台国の国会議員や「世界医師会」などの国際医療団体も相次いでWHO事務局長に書簡を送り、台湾を速やかにオブザーバーとしてWHAに招待するよう要請した。

外交史上初、林佳龍氏が石崇良氏を伴いジュネーブの最前線へ

今回のWHAでは、かつてない外交行動が見られた。台湾外交部長の林佳龍氏が自らジュネーブに赴き、WHA開催直前に現地入りした史上初の台湾外相となった。また、台湾衛生福利部長(厚生労働相に相当)の石崇良氏も同行し、両氏は共同で国交締結国代表団との昼食会や外交レセプションを主催し、友好国に直接謝意を伝え、台湾の存在感をジュネーブに刻むことに尽力した。 (関連記事: 台湾の民間団体、WHO加盟を要請 ジュネーブで23年連続アピール 関連記事をもっと読む

林氏は関連行事において、台湾がWHOに参加できない主な原因は中国の外交的圧力によるものであり、単なる医療保健の課題にとどまらず外交問題でもあると指摘。「台湾がWHOに参加できないことは不公平であり、同時に世界の損失でもある。中国は自他ともに利益をもたらさない行為をしている。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック期間中における台湾と中国の対応は、最良の対比である」と強調した。

最新ニュース
東京・築地跡地に5万人収容スタジアムや陸海空のモビリティハブ整備へ、三井不動産などが進める大規模開発計画の全貌が判明
台湾の独立系ネットメディア「風傳媒」、ソニーグループのニュースアプリ「News Suite」との連携を正式に開始
「習氏が米大統領の弱点握る」台湾元高官が指摘する米中の台湾共同管理
【論評】習近平氏の「台湾攻撃」発言が突きつけた現実 米中首脳会談後、台湾はどこへ向かうのか
JR東日本「GATEWAY Tech TAKANAWA 2026」を開催 スマホをかざさない改札や次世代アグリテックなど最新技術を公開
音楽の街・下北沢がアジアの拠点に 「Shimokitazawa SOUND CRUISING 2026」開催へ、台湾から當代電影大師が参戦
サマソニ25周年の集大成へ、追加アーティスト第9弾と各ステージの陣容が明らかに
【スター・ウォーズ】映画公開記念!Happyくじ「STAR WARS(TM) マンダロリアン・アンド・グローグー」5月22日より順次発売
台湾高速鉄道、屏東延伸へ前進 半導体回廊の新動脈に 高雄・屏東に新駅、2039年開業を目指す
米専門家、トランプ氏の台湾政策に警鐘 対台湾武器売却の取引材料化に懸念
台湾・嘉明湖の「謎の巨大人影」写真が再注目 米鑑定で「変造なし」とUFO研究団体が主張
プレミアムアルコールブランド「CRAFT WONDER」設立2周年イベントを東京で開催、全国のクラフト酒造と共創した魅力を発信
アップル、インテルに半導体製造を委託か 2027年量産へ、TSMCはなお9割超を維持
トランプ氏は習近平氏に歩み寄りすぎたのか 中国側の冷遇に見る米中関係の新局面
東京都が世界に羽ばたく新鋭デザイナーを募集 2026年度「NFDT」「SFDA」始動でパリ発表も支援
【寄稿】台湾の外国人政策は「国民優先」へ転換できるか 特別法と専門機関の必要性
【東京グルメ】有明に名店集結!「Tokyo Tokyo Delicious Museum 2026」開催決定 予約困難店の味を気軽に堪能
森ビル2026年3月期決算、営業収益・利益が過去最高を更新 麻布台ヒルズなどの好調が牽引
New Balanceが気鋭アーティスト5名と協働する展覧会 GREY ART MUSEUM 2026 が開幕 伝統と革新を五感で体感
鄭麗文氏の北京訪問は「先見の明」だったのか 米中首脳会談後の台湾に活路と専門家が指摘
【夏珍コラム】台湾はあまりに重要だからこそ「消えた」…
NVIDIAだけではない、AI冷却でダイキンが最高益を更新 データセンターが新主戦場に
大谷翔平とドジャース名投手コーファックス氏のダブルサイン球 世界限定1個で発売へ
「SAKE COMPETITION 2026」審査会開催 首里城正殿復興を記念し泡盛部門を新設
グッチとSAKE HUNDREDが共同開発 100本限定の高級スパークリング日本酒「密花」発売
【独占】新生「原宿クエスト」は何を目指すのか 開発・設計担当者が語る「二面性」とインディ精神
【ふるさと納税】原油高・ナフサ高騰で 「ラベルレス」が急増 自治体が導入するスマート包装の経済効果
【第63回ギャラクシー賞】マイベストTV賞はTBS『じゃあ、あんたが作ってみろよ』に決定
ローズウッド、東京初進出 六本木5丁目再開発の330メートル高層タワー最上層に開業へ
【独占】日本の永住許可要件が厳格化、5年ビザ必須に 現職3年・年収400万円が鍵
【独占】2027年開業「渋谷マルイ」はなぜ木造商業施設に生まれ変わるのか 丸井担当者が語る狙い
【USJ開業25周年】夏季限定「ネオン・シャイン」開催決定 夜のパークを彩るネオンと水と泡のダンスショー
食品業界の最先端技術が集結!第5回FOOMAアワード、注目の6候補製品を公開
【USJ25周年】「ONE PIECE」夏イベント開催決定 ハンコック率いる九蛇海賊団が登場
【フジロック '26 】主要4ステージのラインナップが発表 16日よりチケット一般販売開始と藤井風コラボグッズ解禁へ
出入国在留管理庁、在留外国人向けに各種手続の電子化や支援情報を案内
トランプ氏、エアフォース・ワン機内から高市首相に電話 中国・印太情勢を協議、台湾情勢への言及は明かさず
【独占】ポムポムプリン30周年イベントの舞台裏 明円卓氏が語る「愛される理由」の見せ方
トランプ大統領、帰途の機内で台湾問題に言及 林外交部長「疑米論は事実無根」との見解
西武と統一の「Wライオンズ」コラボ開催決定、郭泰源氏や工藤公康氏ら豪華OBが台南の新球場に集結
米中首脳会談、習氏の台湾問題言及にトランプ氏沈黙 米国務長官「対台湾政策に変更なし」と強調
コアラ、新作ソファーベッド「BYRON」5月18日 発売 マットレス発想の寝心地と省スペース設計を両立
米Kizikが走れるハンズフリーシューズ「FREEDOM RUN」を4月1日にGINZA SIXで先行発売
台湾プロ野球で「大敗中に談笑」物議 元ソフトバンク選手がプロ意識に苦言
中国人観光客の台湾本島解禁に進展か 国台弁「相互視察開始」、台湾側は申請否定