台湾最大野党・中国国民党の鄭麗文主席(党首)と中国の習近平国家主席による「鄭・習会談」(4月10日)終了後、中国政府は中台間の直行便拡大や、上海市および福建省の住民に対する台湾本島への個人旅行解禁を含む10項目の台湾優遇策を発表した。これに関連して中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の張晗報道官は13日、中台の観光業界が既に相互視察を開始しており、今後の観光交流・協力に向けた地ならしを進めていると説明した。
一方、台湾・大陸委員会(陸委会)の梁文傑副主任委員は14日、中国大陸側の観光視察団が離島の金門県および馬祖列島(連江県)を訪問したことは認めたものの、現時点で台湾本島への渡航申請は確認されていないと明らかにした。
「視察団」とは、旅行業者が正式なツアー商品を発売する前に、対象となる観光地や名所、ホテル、レストランなどを先行して体験する活動を指す。その目的は、旅程の詳細を現地で確認して品質を確保するとともに、マーケティング用の素材映像を撮影し、地域色豊かなテーマ型ツアーを企画することにある。一般に、中国からの視察団が訪問した後、該当地域への中国人観光客の訪問解禁につながる可能性があるとされる。
国台弁:中台観光業界が相互視察開始
今年2月上旬、国民党と中国共産党が双方のシンクタンクによる座談会(国共フォーラム)を開催した後、中国の文化和旅游部(文旅部)は上海住民による金門および馬祖への観光旅行を「再開する」と発表した。その後、約3カ月を経て、同政策はようやく実施に移された。上海市文化和旅游局が4月29日に公告した内容によると、同日より、上海住民は上海市および福建省の関連資格を有する旅行会社を通じて、金門および馬祖への団体ツアーまたは個人旅行に申し込むことが可能となった。
さらに「鄭・習会談」後に発表された10項目の台湾優遇策に含まれる、中台直行便の拡大に関連して最近、中国の格安航空会社、春秋航空が浙江省寧波市と台湾南部の高雄市を結ぶ直行便の運航再開を発表したほか、中国東方航空も四川省成都市と台湾中部の台中市を結ぶ直行便を新たに開設した。これら2路線はいずれも、夏休み期間に入る7月上旬より運航を開始する予定だ。
国台弁の張報道官は13日、中台の観光業界が既に相互視察を開始したと述べた上で、「我々はすでに上海市および福建省の住民による台湾本島への個人旅行の試験的再開を推進すると発表している。台湾の関連当局が民意に応じて早期に解禁し、両岸における人的往来・交流の正常化、および各分野における交流・協力の常態化を実現するための環境を構築するよう望む」と述べた。
陸委会:「小両会」通じた協議必要
これに対し、台湾陸委会の梁文傑副主任委員は「現時点で中国大陸側による『台湾本島』への視察団を許可した事実はない。これまでに上海から金門および馬祖への視察団は全て許可し、既に訪台を終えているが、本島への訪問はなく、具体的な申請案件も確認されていない」とコメントした。
さらに梁氏は「台湾への観光旅行については、団体、個人を問わず、いわゆる『(観光)小両会』を通じた協議を経る必要があるという当方の立場に変わりはない。協議で一定の結論が出た後に次の段階へ進むべきであり、相手側(中国大陸)が我々の要求に応じることを引き続き希望する」と強調した。
「観光小両会」とは、中台間の観光実務を担う半官半民の実務窓口を指す。具体的には、台湾側の「台湾海峡両岸観光旅遊協会(台旅会)」と、中国大陸側の「海峡両岸旅遊交流協会(海旅会)」を意味する。同メカニズムは、中台間の旅行者交流をはじめ、旅行の品質管理、安全保障、緊急事態対応など、公権力が関わる事務を専門に処理している。
政治的、経済的な広範な対話を担う台湾の「海峡交流基金会(海基会)」および中国大陸の「海峡両岸関係協会(海協会)」による「大両会」とは異なり、「小両会」は観光分野の具体的な実務協議を担う点が特徴だ。
台湾ニュースをもっと深く⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp
編集:平松靖史 (関連記事: 中国東方航空、7月から成都―台中直行便 乗り継ぎ不要で所要時間17時間短縮 | 関連記事をもっと読む )

















































