三菱地所株式会社は2026年5月13日、都内で2026年3月期の決算説明会を開催した。説明会には執行役常務の梅田直樹氏、経理部長の塩田勇一郎氏、広報部の中野氏が登壇した。当期の連結業績は、営業収益が前期比10.5パーセント増の1兆7461億4800万円、営業利益が同6.6パーセント増の3297億3000万円、純利益が同17.5パーセント増の2225億700万円となり、営業利益と純利益はともに過去最高を更新した。

投資マネジメント事業において米国会計基準に基づく過去のインセンティブ報酬の取り崩しによる減益要因はあったものの、他の全セグメントが好調に推移した。好業績と成長への自信を背景に、総額500億円の自社株買いを実施し、期中を通じて柔軟な追加取得も検討することを発表した。

丸の内エリアの空室率が歴史的低水準の0.55%に、賃料引き上げ交渉も進展
業績を強力に牽引したのは、丸の内事業と海外事業である。2026年3月末時点での丸の内エリアの空室率は0.55パーセントと、2019年の0.9パーセントをも下回る歴史的な低水準を記録した。梅田氏は、インフレによる工事費や管理コストの上昇を背景に、実に95パーセント以上のテナントと賃料引き上げで合意しており、再契約時に賃料が約20パーセント上昇するケースが増加している現状を説明した。
国内消費の拡大と住宅事業の価格戦略、コスト高騰を跳ね返し高利益率を確保
商業施設分野においても、円安の影響で海外旅行を控えた国内客がアウトレット等での消費を増やし、インバウンドの減少をカバーして増益に寄与している。また住宅事業では、建築コストの高騰に対して物件の仕様を高めることで販売価格を引き上げる戦略が奏功し、高い利益率を確保している。
次期業績予想と海外戦略の進捗、2兆円の収益目標へ
次期(2026年度)の業績見通しについても、営業収益2兆円、営業利益3700億円、純利益2350億円を見込み、引き続き過去最高益の更新を予想している。利益成長の柱となる海外事業においては、オーストラリアでの事業が順調に推移しているほか、米国でのデータセンター売却益などが大きく貢献する予定である。
すでに海外の売却予定物件の7割が契約済みであり、内定を含めると8割に達していることから、目標達成への確度は高いとしている。また、政策保有株式の売却を中心に特別損益750億円を見込んでおり、企業の稼ぐ力を示すROEに関しても、今年度の8.5パーセントから次期は9パーセント程度への改善を見込んでいる。
国内外の新規領域への投資、物流施設からデータセンターまで
今後の成長に向けた新規領域への投資や既存の再開発方針も示された。国内ではインターチェンジ付近での自動運転を見据えた無人の基幹物流施設や、アジアからの多人数での訪日客に対応したホテル開発を推進する。
海外では米国のデータセンター開発に継続して投資するほか、サービスアパートメントを展開するシンガポール企業の買収や、スマートホーム事業の分社化など、新たな収益源の育成を進めている。既存プロジェクトである帝国劇場の再開発に伴う解体工事も、予定通り順調に進捗しているという。
一方で、中東情勢による資材調達への影響については、現時点で直接的な被害はないものの、事態の長期化を想定し、引き渡し遅延などを回避するための現場での精査を継続していく姿勢を示した。
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編集:小田菜々香













































