韓国SKハイニックスは「TSMC以上の勢い」か AI株高で浮上する「AI税」論争 台湾株が急伸を続ける一方、韓国株も上昇幅で世界トップを維持する。(資料写真/顔麟宇撮影)
人工知能(AI)ブームの勢いが、台湾や韓国の株式市場を押し上げ続けている。台湾株式市場では5月も加権指数の上昇が続き、ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)も高値更新を続けた。一方、13日の加権指数は前営業日比523ポイント、1.25%安の4万1374ポイントで取引を終え、4万2000ポイントの大台突破には至らなかった。
台湾の著名な経済評論家で、財信伝媒グループ会長の謝金河氏は14日、自身のフェイスブックに「好調すぎる!韓国の悩み」と題した文章を投稿した。謝氏は、AIブームが台湾、韓国など半導体サプライチェーンを抱える国・地域に大きな恩恵をもたらす一方、株価の急騰が富の分配をめぐる新たな議論を引き起こしていると指摘した。日本もAI関連産業の恩恵を受けており、各国政府はこうした課題に向き合う必要があるとの見方を示した。
台湾株、4万2000ポイントが「上値の壁」に 5月の台湾株式市場は過熱感を強めている。メーデー連休明けの4日には、加権指数が1778ポイント急騰し、4万ポイント台に乗せた。その後も上昇基調が続き、一時は4万2000ポイントに迫ったが、12日の終値は4万1898ポイントにとどまり、4万2000ポイント台を固めきれていない。
投資家の間では、4万2000ポイント付近が今回の上昇局面における「上値の壁」になるのではないかとの見方も出ている。米経済メディア「Business Insider」はこれまでの報道で、台湾株の「バフェット指数」が500%を突破し、「火遊び」に近い水準に達していると警告していた。
株式市場のバリュエーション指標「バフェット指数 」を考案した「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏。(写真/AP通信)
韓国で浮上した「AI市民配当税」構想 謝氏は、韓国の李在明(イ・ジェミョン) 政権が先ごろ、AI関連企業の超過利益に課税し、その財源を国民に分配する「AI市民配当税」構想を示したことにも言及した。この構想は韓国メディアで「暴利税」と受け止められ、韓国株式市場では1日で時価総額3000億ドルが吹き飛ぶ事態となり、政府は急きょ火消しに回ったという。
謝氏はさらに、「好調すぎる」という言葉の裏には深い意味があり、それがまさに現在の韓国に当てはまると分析している。今回の「AI軍拡競争」は半導体メモリから始まっているが、同製品市場シェアはSKハイニックスが57%、サムスン電子が22%、3位に米マイクロン・テクノロジーが続いている上、韓国は高帯域幅メモリー(HBM)市場で約8割シェアを占めており、AIブームにより世界で最も恩恵を受けている国だと指摘した。
韓国株価指数 の上昇幅、2年連続で世界首位に SKハイニックスの株価は7万3100ウォンから196万7000ウォンへ、約25倍に跳ね上がり、時価総額は9331億米ドルに達した。サムスン電子の株価も4万9900ウォンから29万1500ウォンへと6倍近くに上昇し、時価総額は1.27兆米ドルに膨れ上がった。
この両社の時価総額の合計はTSMCを上回っており、2社だけで韓国株式市場全体の55%以上を占める。サムスンとSKハイニックスの勢いは台湾企業をはるかに凌駕しており、株式市場のパフォーマンスにおいて台湾は大きく水をあけられている状況だ。
SKハイニックス、「母親が婿に望む勤め先」 1位に 「韓国国民の誰もがSKハイニックスに熱狂している」と述べる謝氏は、SKハイニックスの2026年第1四半期の純利益が37兆6000億ウォン(約4兆円)、通年では230兆ウォン(約24兆円) に達すると予測する。
同社の従業員1人当たりの年間ボーナスは6億ウォン(約6400万円)を超える可能性があり、10年前に同社株に約55万台湾ドル(約280万円)を投資したある韓国人の母親は、現在その資産を1900万台湾ドル(約9500万円)にまで増やしているという。
また謝氏は、SKハイニックスの利益成長率がサムスンを上回っていることから、韓国で「母親が婿に望む勤め先」の第1位となっており、韓国における同社の影響力は、台湾におけるTSMCをはるかに超えていると語った。
一方のサムスンでは最近、待遇改善を求める従業員5万人以上がストライキに参加し、18日間に及ぶ抗議活動がサプライチェーンに打撃を与えたため、大統領が声明を出す事態にまで発展している。
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