中国EVは米国市場に入るのか トランプ氏訪中で関税・規制緩和が焦点に
2026年5月12日、米大統領・トランプ氏は中国国家主席・習近平氏との会談に向け、北京へと出発した。(写真/AP通信提供)
トランプ米大統領は現在、大統領専用機「エアフォース・ワン」で北京に向かっている。イラン問題、台湾情勢、貿易摩擦、ハイテク覇権争い、人工知能(AI)といった多様な議題が、中国の習近平国家主席との交渉のテーブルで取り上げられると予想されている。
しかし、英通信社ロイターの香港駐在コラムニスト、カトリーナ・ハムリン氏は12日付のコラム記事で、今回の米中首脳会談では電気自動車(EV)の関税障壁も議題に上るだろうと指摘。比亜迪(BYD)や奇瑞汽車(チェリー)をはじめとする中国の自動車メーカーが最終的に米国市場へ進出することについて、「起こるかどうかの問題ではなく、いつ、どのように起こるかの問題だ」と論じている。
近年、米中間の貿易摩擦や技術的障壁は越えられない溝のように見えたが、現実的なビジネスの論理と米中関係の微妙な変化が、この防衛線を静かに突き崩しつつある。ハムリン氏の指摘によれば、中国製車両は確かに価格競争力が高く、吉利汽車(ジーリー)の「EX5」や小米(シャオミ)の「SU7」などのEVは、デザインや機能面で米フォード・モーター(Ford)やゼネラル・モーターズ(GM)などの欧米ブランドを凌駕することも多い。ただし、米国政府が築き上げた保護主義の壁により、3桁に上る高関税や各種規制が中国車を米国市場から締め出している。しかしハムリン氏は、14日に予定されるトランプ氏と習氏の会談で、微細ながらも最初の変化の兆しが示される可能性があると指摘。そして、その変化の鍵を握るのは習氏ではなく、トランプ氏であるという。
トランプ氏は今年1月、米デトロイトで行った演説で、中国の自動車メーカーに対して興味深い好意的な姿勢を示していた。当時、トランプ氏は「もし彼ら(中国)が米国に工場を建設し、あなた方やその友人、隣人を雇用したいというなら、それは素晴らしいことだ。私はそれを歓迎する」と述べた。この発言は、中国メーカーの米国進出に向けた一縷の想像の余地を開くものとなった。
中国自動車メーカーが抱くアメリカン・ドリーム
つい最近まで「アメリカン・ドリーム」を手の届かないものと考えていた中国の自動車メーカーは、今やその可能性を真剣に検討し始めている。小鵬汽車(シャオペン)の顧宏地共同社長は先月の北京モーターショーで、米国が絶対に注視すべき市場であると述べた。BYDの李柯執行副社長や、理想汽車(リ・オート)のセバスティアーノ・ルッソ デザインディレクターも同様の見解を示している。ハムリン氏の分析によれば、トランプ氏が中国車の米国市場参入を交渉のテーブルに乗せることは、論理的に十分に筋が通っている。トランプ氏はかねてより、あらゆる産業の海外企業に対し米国本土への投資と事業展開を求めており、一方の中国メーカーも、中国に次ぐ世界第2位の自動車市場(昨年の新車販売台数1600万台)を渇望しているからだ。
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ハムリン氏は、中国自動車メーカーが海外進出を急ぐ理由は、米国市場の巨大さだけではなく、お膝元である国内市場の不振にあると指摘する。中国では今年第1四半期の新車販売台数が約2割減少した。国内市場における過当競争(内巻)と縮小が、中国メーカーに海外市場への依存を強めている。米コンサルティング会社アリックスパートナーズ(AlixPartners)のデータによると、中国メーカーは2030年までに海外生産台数を現在の約3倍に引き上げる目標を掲げており、現在は総販売台数の3分の1を輸出が占めている。
また、米調査会社ロジウム・グループ(Rhodium Group)の指摘によれば、中国の自動車産業が過去25年間に海外で行った投資は1200億ドル(約19兆円)を超えている。現在は米国市場への参入が禁じられているものの、BYDや吉利汽車などのブランドは、隣接するメキシコやカナダで代替案や事業展開の機会を模索している。
細分化された浸透 中国メーカーは米国を去っていない
3桁の関税を課せば中国の自動車サプライチェーンを米国から完全に締め出せると考えるのは、グローバル化の複雑さを過小評価していると言える。ハムリン氏は、中国の自動車メーカーが米国市場から完全に隔絶されたわけではないと明言する。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)も、中国に本社を置く自動車企業が米国内に60社以上のサプライヤーを持ち、約500社の企業の株式を保有していると指摘している。また、米経済専門チャンネルCNBCの報道によれば、自動車メーカー、テクノロジープロバイダー、部品サプライヤーなど計100社以上の中国企業が、米国内で何らかの事業展開を行っている。
このように事業を細分化して浸透を図る動きの中で、最も注目されるのが吉利グループの事例だろう。ハムリン氏は、吉利が英国のスポーツカーブランド「ロータス(Lotus)」やスウェーデンの「ボルボ(Volvo)」を買収したことが主な要因だと指摘している。さらに注目すべきは、アルファベット(Alphabet、Googleの親会社)傘下の自動運転タクシー企業ウェイモ(Waymo)が採用している車両が、吉利傘下のブランド「極氪(ジーカー、Zeekr)」のものである点だ。
従来のM&Aやサプライチェーンの浸透にとどまらず、中国の新興EVメーカーは米国の中心部に研究開発拠点を設立している。理想汽車や蔚来汽車(NIO)は米国内に研究開発センターを設置しており、小鵬汽車に至ってはカリフォルニア州で20件以上の研究員やエンジニアの求人を出している。特筆すべきは、これら中国の新興EVメーカー3社が、いずれも米国の証券取引所に上場していることである。
米国の消費者の本音 財布は嘘をつかない
政治や国家安全保障といった壮大な枠組みの下でも、米国の一般消費者の判断基準は極めて現実的である。ハムリン氏とWSJはいずれも、米国のドライバーが中国車の購入を強く望んでいると指摘する。先月の北京モーターショーにおいても、来場者の中に米国のジャーナリストやインフルエンサーが混ざり、中国製EVに対する米国内の視聴者の高まる関心に応えるコンテンツを提供していた。米自動車調査会社コックス・オートモーティブ(Cox Automotive)が今年発表した調査報告によれば、米国の消費者の約40%が、中国ブランドの自動車の購入を「非常に」または「極めて」前向きに検討する可能性があると回答している。
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この「真香の法則(最初は否定していたものを結局受け入れてしまう現象)」の背後にある最大の推進力は、米国市場で制御不能になりつつある新車価格の高騰である。消費者が価格の上昇を目の当たりにする中、小型で手頃な予算志向のモデルはますます希少になっている。現在、米国の新車の平均価格は5万ドルを超えており、10年前の平均価格3万6000ドルと比較すると、その上昇幅は驚異的である。米メディアは、自動車メーカーがより高い利益率を見込める大型SUVの生産を優先していることが主な要因だと分析している。対照的に、中国のBYDや吉利などの国内ブランドは、1万2000ドルを下回る価格の選択肢を提供しており、この巨大な価格差が米国の消費者にとって抗いがたい魅力となっているのだ。
実のところ、一部の中国車はすでに米国の国境地帯に静かに浸透している。テキサス州エルパソやカリフォルニア州サンディエゴなどの国境の町では、メキシコから輸入されたBYD車を見かけるのが日常の光景となっている。法律上、これらの車両を米国のシステムで登録することは認められていないにもかかわらずだ。デトロイトの重鎮でさえ、中国製EVの魅力には抗えない。フォード・モーターのジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)は、小米の「SU7」を6カ月間試乗した結果、「車を返したくなくなった」と明かしている。
ウィンウィンを目指す妥協点の模索
当然ながら、現在の米国の関税や規制体制を弱体化、あるいは解体しようとすれば、デトロイトのビッグスリーやワシントンの政治家たちの猛反発を招くことは必至である。全米自動車ディーラー協会(NADA)を含む5つの主要な自動車業界団体は今年3月、不公正な競争への懸念を理由に、中国自動車メーカーの米国進出を引き続き阻止するよう米政府に強く求めた。米連邦議会の超党派議員らも、国家安全保障と雇用に対する懸念から、すでに独自の対策に乗り出している。現在、上下両院では、中国車の輸入を禁ずる行政規則を正式な法律とするための超党派法案の審議が進められている。
政治的な抵抗は極めて大きいものの、ハムリン氏は双方が互恵的な妥協点を見出すことは可能だとみている。米国側にとって最もシンプルかつ直接的な調整は、輸入関税の引き下げである。現在の3桁に上る関税率には、調整に向けた十分な余地が残されている。さらに、その他のアプローチとして以下の選択肢が挙げられる。
第一の可能性は、トランプ氏が示唆したように、完成車の直接輸入ではなく、中国企業に米国本土での自動車および部品製造を許可することである。科学誌『ネイチャー』傘下の『npj Climate Action』が2026年1月に指摘したところによれば、BYDのカリフォルニア州のEVバス工場は、米国内の代替品より30%低いコストで車両を生産する能力を備えている。しかも、同工場で生産されるバスは、金額ベースで最大70%の米国製部品を使用しているという。
第二の選択肢は、パートナーシップを構築し、米国本土で自動車や部品を製造することである。米新興EVメーカー、リビアン(Rivian)のRJ・スカリンジ最高経営責任者(CEO)は、自社のLiDAR(運転支援や自動運転に用いるセンサー)の製造において、中国企業との提携を検討していると明かした。フォードやGMなどの米国メーカーは、中国市場において中国の同業他社と合弁事業を展開してきた数十年にわたる豊富な経験があり、この種の協力モデルは彼らにとって決して馴染みのないものではない。
第三の解決策は、技術ライセンス契約である。これにより、米国内の雇用を維持しつつ、中国の発展著しい技術力の恩恵を受けることができる。ハムリン氏は、フォード・モーターが中国の寧徳時代新能源科技(CATL)からバッテリー技術のライセンス供与を受け、3万ドル以下の低価格EVの開発に役立てる計画を挙げている。こうしたライセンス計画は法律で禁じられているわけではないが、すでに米連邦議員らから反対の声が上がっている。米国政府がこうした合意を支持し、促進することができれば、時代を画する重大な進展となるだろう。
ハムリン氏の指摘の通り、中国の自動車大手が今回の米中首脳会談で即効性のある成果を得られなくとも、変化が訪れるのは時間の問題に過ぎないように見える。しかし注目すべきは、米連邦下院が11日、中国製自動車の米国市場参入を法的に禁ずる超党派議案を提出し、バイデン政権による中国製EVの締め出し政策を継続させようとしている点である。この法案の規制対象には、中国で設計された車両や、高度なコネクテッド技術および車載ソフトウェアを搭載した車両が含まれる。今年初めにも、100名以上の超党派議員がトランプ氏宛てに連名で書簡を送り、「米国の道路を走るすべての車が移動式のデータ収集デバイスになり得る」として、中国車の受け入れを警告している。一方、在米中国大使館は米国政府に対し、「国家安全保障の概念の過剰な解釈や、差別的かつ排他的な措置を直ちに停止し、公平で透明性が高く、非差別的なビジネス環境を提供するよう」求めている。
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