ジャパン・ソサエティー理事長が日米関係を分析 高市首相の外交手腕を評価し、日本の主体的リーダーシップを提言
ジャパン・ソサエティーのウォーカー理事長は、高市首相の対米外交を評価するとともに、内向き化する米国に対して日本が企業外交を含めた主体的役割を担うよう提言した。(写真/日本記者クラブ提供)
米ニューヨークに本部を置くジャパン・ソサエティーのジョシュア・ウォーカー理事長は5月1日、日本記者クラブで「高市現象と日本の政治」と題して講演し、今後の日米同盟や国際情勢について見解を示した。ウォーカー氏は、3月19日に行われた高市早苗首相とトランプ米大統領の首脳会談を「成功」と評価し、両者が極めて良好な信頼関係を築いたと指摘した。その背景として、中国の習近平国家主席による台湾への圧力が高まる中、自民党が2月の総選挙で大勝し、日本政治の安定性が世界的に評価されている点を挙げた。
現在のアメリカは極端な内向き志向を強めており、欧州との大西洋同盟にも亀裂が生じている。さらに2月に勃発したイランとの紛争において、アメリカはイスラエルの情報と空軍力を活用して軍事的優位に立ったものの、中東における事態の根本的な解決には至っていない。ホルムズ海峡の封鎖リスクなど、中東のエネルギーに依存する日本にとって深刻な安全保障上の懸念がある一方で、エネルギーの自給が可能なアメリカとの間には危機感の「温度差」が存在すると警告した。
こうした国際環境の変化を踏まえ、同氏は日本に対し、より主体的なグローバルリーダーシップの発揮を求めた。日米関係を大統領と首相の個人的な関係のみに依存するのではなく、日本企業がアメリカ国内での投資やロビー活動を自ら積極的に展開し、重層的なネットワークを構築することが不可欠であると強調した。
5月中旬に予定されている米中首脳会談について、トランプ大統領は個人的な成果としての合意を求める傾向があるが、米中間の構造的な対立や技術覇権争いは根深く、日本が「頭越し」に不利な合意を結ばれる懸念は少ないと分析した。また、台湾有事に関するアメリカの対応については、トランプ氏の取引重視の姿勢が不確実性をもたらすものの、台湾が世界の半導体サプライチェーンで果たす役割とアメリカへの投資実績が、結果としてアメリカの関与を担保する重要な要素になっていると指摘した。
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