台湾産アップルマンゴー(アーウィン種)が国際的な評価を高めている。台湾南部・屏東県枋山郷産の「盧家マンゴー」は、プレミアム級の品質を武器に日本最高級の百貨店「伊勢丹」への進出を果たし、一玉当たりの販売価格は最高で3700円を突破した。
「マンゴー界のルイ・ヴィトン(LV)」とも称されるこの高級青果の立役者は、25歳でUターンし家業を継いだ3代目の若手就農者・盧旺昇氏だ。盧氏は屏東産マンゴーの海外展開を成功させただけでなく、台湾の大手飲食チェーン「Smoothie House(思慕昔)」や「麻古茶坊(MACU)」、さらには大手スーパー「カルフール(家樂福)」の主要な提携パートナーにもなっている。
一玉3700円の価値を生む独自農法、「牛乳栽培」と品質管理の裏側
台湾メディアの『中央社(CNA)』および『NOWNEWS』の報道によると、盧家マンゴーが輸出市場で継続的な成功を収めている鍵は、盧氏による妥協を許さない「職人レベル」の栽培技術にある。生産量を追求する従来の農法とは異なり、同農園では以下の3つの核心的な戦略を導入している。
●草生栽培と牛乳肥料の活用:除草剤の不使用を徹底し、特製の牛乳を用いた有機肥料を施すことで、自然かつ栄養豊富な環境下でマンゴーを生育させている。
●的確な「減産」による養分の集中:「一つの枝に実を一つだけ残す」という極めて厳格な管理を実行。これにより、すべての養分を一つの果実に閉じ込め、糖度と香りを最高到達点まで引き上げている。
●品質認証の取得と安定供給:農園は輸出用果樹園としての認証を既に取得している。さらに、急速冷凍技術を用いて供給期間を延長し、年間8から10か月にわたり高品質なマンゴーを大手飲食ブランドへ安定供給する体制を構築した。
日本向け輸出の検疫プロセスがもたらす食感の変化と産地の優位性
現在、盧家マンゴーは台湾国内の宅配やカルフールでの販売を主力としながらも、全体の約1割を日本、韓国、シンガポール、香港、マカオなどの国と地域へ輸出している。盧氏は、日本市場における品質への要求は非常に高く、厳格な残留農薬検査に加え、12から15度の糖度が求められると指摘している。
一方で、盧氏はあまり知られていない事実を明らかにした。それは「台湾で食べるマンゴーのほうが、日本で食べるよりも本来の美味しさを味わえる」という点である。その理由は各国の検疫プロセスの違いにある。日本向けに輸出されるマンゴーは、ミバエを死滅させるため、45度以上の環境下で30から40分間処理される「蒸熱処理」を経る必要がある。
盧氏は「蒸熱処理を経たマンゴーは、食感がやや柔らかくなる」と説明する。これに対し、台湾現地で収穫されたばかりのマンゴーは蒸熱処理が不要であり、より弾力のあるしっかりとした食感が楽しめる。さらに、価格も日本の半額程度に留まっており、「産地ならではの優位性」を如実に示している。
気候好転で輸出量が4倍増の予測、東南アジア産に対する高い競争力
市場動向について、盧氏は今年の生産状況に楽観的な見方を示している。昨年は寒波と長雨の影響を受け、生産量が例年の1から2割に激減し、輸出量も低迷した。しかし、今年は気候条件に恵まれて着果率が8割まで回復しており、輸出量は昨年の200トンから1000トン規模へと急増し、3から4倍の成長が見込まれている。
タイ、フィリピン、インドといった強力な競合国に対し、盧氏は自信をのぞかせる。台湾産アップルマンゴーが持つ「鮮やかで深みのある赤い外見」と「濃厚で独特な香り」は、他には代えがたい強みだ。日本国内でも温室栽培のマンゴーが生産されているものの、台湾産マンゴーはその最適な気候条件を背景に、優れたコストパフォーマンスを武器として、中高価格帯の市場で確固たる地位を築くことができると強調した。
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編集:柄澤南
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