【単独】台湾の最危険期は2027年ではない 元米海軍情報局長が警告する「2028~32年」

2026-05-08 19:43
2026年5月1日、台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』の単独インタビューに応じる元米海軍情報局長兼元米インド太平洋軍情報部長のマイケル・スチュードマン(Mike Studeman)少将。(写真/柯承恵提供)
2026年5月1日、台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』の単独インタビューに応じる元米海軍情報局長兼元米インド太平洋軍情報部長のマイケル・スチュードマン(Mike Studeman)少将。(写真/柯承恵提供)

台湾の行政院が提出した、期間8年、予算上限1兆2500億台湾ドルの「防衛強靭性および非対称戦力調達特別条例」(通称:国防特別予算条例)草案を巡り、立法院で7日(木)に4回目となる与野党協議が行われたが、合意には至らなかった。早ければ翌8日(金)の本会議で採決が行われる見通しだ。

米国は同条例の審議状況に高い関心を寄せている。米国在台協会(AIT)台北事務所のレイモンド・グリーン所長が国民党主席の鄭麗文氏を2度訪問したほか、先日台湾を訪問した元米海軍情報局長(ONI)マイケル・スチュードマン氏(退役少将)も、「台湾が中国共産党の専制支配を望まないのなら、立法院は同条例を可決し、自己防衛の手段を増やすべきだ」と明言した。

スチュードマン氏は、中国共産党高官でさえ平穏な生活を送れていない現状を例に挙げ、「専制主義や暴政の下での生活は、常に恐怖と隣り合わせだ」と指摘する。さらに、「もし暴政を味わいたいなら、何もせず、いかなる法案も通過させなければいい。そうすれば、暴政の方からやって来るだろう」と警告した。

「自らの未来を切り開きたいと願うのであれば、自分を守るために多大な時間、労力、そして資源を投じなければならないことを理解すべきだ。これこそが、国防特別条例の意義である」と同氏は強調している。

米海軍のマイケル・スチュードマン退役少将は、2022年8月に海軍情報局長に就任した。(米海軍公式サイト)
米海軍のマイケル・スチュードマン退役少将は、2022年8月に海軍情報局長に就任した。(写真/米海軍公式サイト提供)

「暴政を味わいたいなら何も法案を通さなければいい、暴政の方からやって来る」

​現在58歳のスチュードマン氏は、2023年に米海軍情報局(ONI)局長(少将)を退役した。それ以前には、台湾を管轄地域に含む米インド太平洋軍の情報部長や、中南米を管轄する米南方軍の情報部長を歴任している。

特筆すべきは、米インド太平洋軍情報部長の在任中に2度にわたり極秘で台湾を訪問し、当時の蔡英文総統および国家安全保障の高官に対しブリーフィングを行った点だ。これは、1979年の米台断交後、台湾を訪問した現役米軍将官として最高位の記録となっている。

同氏は今月1日、台北で台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』の単独インタビューに応じた。中国共産党中央軍事委員会高官の粛清が、習近平・中国国家主席の台湾侵攻計画に与える潜在的な影響について、次のように分析した。「党の体制下で高位にある人物であっても、必ずしも党国体制の全貌を把握しているとは限らない。現状を理解するだけで毎日多くの時間を費やしており、指導的地位にある者は皆、常に不安定で恐怖から逃れられない状態にある」

共産党の体制は事実上の全体主義であり、あらゆる事象が党と国家のために機能していると同氏は指摘する。他の高官が粛清され、瞬く間にその地位から引きずり下ろされるのを目の当たりにすれば、安心感など得られるはずもなく、自己保身のために言動に細心の注意を払い、常に周囲を警戒するのは当然であるとした。
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「これこそが、専制支配や暴政の下での生活の実態だ。もし台湾が自己防衛に必要な資源を投じる覚悟を明確に持たなければ、一般的な台湾市民もこのような現実に対峙することになるだろう」

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