【独自】米Shield AIが台湾展開拡大 創業者「無人機とAIが対中非対称戦の中核に」

2026-05-01 14:57
風傳媒の単独インタビューに応じる米軍用AIスタートアップ「Shield AI」創業者の曾国光氏(2026年4月、柯承恵撮影)
風傳媒の単独インタビューに応じる米軍用AIスタートアップ「Shield AI」創業者の曾国光氏(2026年4月、柯承恵撮影)

ウクライナ戦争や米イラン戦争では、無人機(ドローン)が偵察、監視、攻撃の各任務で存在感を示し、小が大に対抗する非対称戦の手段としてその有効性を十分に示した。中国は小型商用ドローン分野で世界的な優位を持ち、有事には軍事転用も比較的容易とみられる。このため、台湾の防衛整備における無人機需要は急速に高まっている。

台湾政府は、総額1兆2500億台湾元の軍事調達特別予算のうち、無人機およびその対抗システムに3350億台湾元を計上した。さらに、関連する海外企業との協力も積極的に進めている。2025年には、米国の著名な軍用無人機メーカーであるAnduril(アンドゥリル)やShield AI(シールドAI)などが相次いで台湾に現地法人を設立し、漢翔航空工業(AIDC)や国家中山科学研究院(中科院)とそれぞれ協力関係を築いている。

こうした中、Shield AIの共同創業者である曾国光(ブランドン・ツェン)氏がこのほど台湾メディア『風傳媒』の独占インタビューに応じた。曾氏は、中国が持つ膨大な通常戦力に対抗するうえで、無人機こそ台湾防衛の非対称戦力を強化する手段であり、さらに無人機とAIの組み合わせは、台湾が投資できる軍事装備・技術の中で最も費用対効果が高いとの認識を示した。

Shield AIは台湾での人員体制を拡大する方針で、今後数年にわたり台湾サプライチェーンからの調達額も増やしていく計画だ。その総額は100億台湾ドル(約490億円)を超える見通しだという。

行政院が提出した1兆2500億台湾元の軍事調達特別予算では、無人機と対ドローンシステムに3350億台湾元が計上された。(行政院公式サイト)
行政院が提出した1兆2500億台湾元の軍事調達特別予算では、無人機と対ドローンシステムに3350億台湾元が計上された。(行政院公式サイト)

1兆2500億台湾元の軍購特別予算、無人機に3350億台湾元を計上

卓栄泰・行政院長は4月30日、行政院会議で国防部(国防省相当)による「防衛強靭性および非対称戦力計画調達特別条例の実施計画」に関する報告を受けた後、今回の特別予算は「三つのピース」と「七つのカテゴリー」で構成されていると説明した。

第一のピースは、台湾全体の防空能力の構築であり、その中には無人機対抗システムも含まれる。第二のピースは、高度技術と人工知能(AI)の導入で、軍の情報分析と意思決定を迅速化する「AIによる意思決定支援システム」の整備を目指すものだ。

第三のピースは、防衛産業の自主発展能力の強化である。米台協力と国防用無人機需要をてこに、最短期間で台湾企業の自主生産能力を拡大し、中国製に依存しないサプライチェーンを構築すると同時に、防衛産業の発展を通じて内需や経済活性化にもつなげたい考えだ。

米台双方の無人機分野における産業協力は、昨年9月の台北航空宇宙・防衛産業展の期間中にも相次いで明らかになった。Shield AIは漢翔と正式な協力協定を結び、製造、組立、試験、保守を含む、上流から下流までの先進的な無人システム・エコシステムの構築を進めている。 (関連記事: 【論評】AIが資金を吸い尽くす怪物に──TSMCを除いたとき、台湾が直面する2つの根本的な問い 関連記事をもっと読む

また、今年2月には中科院がShield AIとの契約締結を発表した。Shield AIが開発した先端AIプラットフォーム「Hivemind」を、中科院が開発する無人システムに統合し、台湾の無人機を「自動操縦」から「自律判断」へ進化させる構想だ。

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