台湾鉄路(台鉄)は4月28日、台北駅ビル商業スペースROT(改修・運営・譲渡)プロジェクトの審査結果を公告し、新光三越百貨が優先交渉権(最優秀申請人資格)を獲得したと発表した。今後、契約内容の交渉および契約締結の手続きに入る。
審査結果の次点は「わずか1点差」で微風広場実業(ブリーズ・センター)だった。入札結果により数十億元規模のビジネスチャンスが左右されるほか、手続き上の争議も持ち上がっており、制度に関する攻防戦が行政訴訟にも発展しかねない状況となっている。
台湾最大の交通の要衝、経営権獲得目指し8社が入札
台北駅は台鉄、台湾高速鉄道(高鉄)、新交通システム(MRT)、空港MRT、長距離バスが乗り入れており、輸送量が台湾最大の交通の要衝だ。1日あたりの利用客数は60万人を超え、極めて高い顧客転換率を誇る。同駅の商業スペースは微風広場が過去19年にわたり運営し、年間売上高は約30億台湾元(約140億円)に達する。台鉄は今後、売上規模は40億元に拡大すると予測、長期的には50億元突破を目標に掲げている。
本案件の最低投資要件は約7億6500万台湾元で、契約期間は15年(8年間の優先更新権付き)となっている。安定した客層と長期契約が見込めることから、業界内では「不動産型の高収益資産」とみなされており、新光三越、微風広場のほか、統一超商、誠品生活、潤泰創新国際、新東陽、澎坊免税商店、東日本旅客鉄道(JR東日本)を加えた計8社が入札に参加した。なお、京站(Qスクエア)は書類の不備により入札資格を失った。
新光三越が勝利した理由
市場では、新光三越が勝利した最大の要因は、長期にわたる駅前商圏での事業展開にあったとみられている。既存の百貨店店舗やブランド資源を含め、総合的な相乗効果を発揮できる強みが高く評価された格好だ。
今後順調に運営を引き継いだ場合、以下の3つの効果をもたらすと見込まれる:
1. 駅前百貨店と駅構内の商業施設を連携させ、消費行動への誘導力を最大化する
2. 出店ブランド構成の見直しで面積当たりの売上高と客単価が向上
3. 「通勤客向け商業施設」から「目的型消費エリア」へのアップグレード
これは台北駅商業スペースの役割が、単なる交通機関の付属スペースから、より明確な消費目的を持った複合商業空間へと転換していくことを意味する。
微風広場は審査の正当性に疑義
一方で、微風広場はすでに正式な異議申し立てを行っており、争点を審査結果そのものから手続きの正当性へと移行させている。
1. 審査結果の事前流出
正式な公告に先駆けて市場に新光三越が落札したという情報が伝わったことで、情報の機密保持に対する疑念がある。
2. 審査過程と審査委員の資格問題 (関連記事: 台北・微風広場が「夢への入り口」に変身!「アリス、仙境を救う」没入型展が11/8開幕 | 関連記事をもっと読む )
審査委員の適格性および利益相反回避プロセスの適切な実施の有無が問われている。中時新聞網の報道によると、9人の審査委員の1人はある財務コンサルティング会社の総経理(社長)を務めているが、この企業は過去3年以内に(新光三越のグループ企業)新光人寿保険から業務委託を受けており、法令に基づき審査委員への就任を回避すべきであったと指摘されている。


















































