台鉄会社の新観光列車「海風号」が正式運行を開始したのに続き、その姉妹列車である「山嵐号」も4月19日に初運行を迎えた。花東縦谷を巡りながら沿道の壮麗な山川風景を楽しめるこの列車について、19日より各大手旅行社のウェブサイトを通じてチケット予約が可能となり、鉄道旅行と自然景観を組み合わせた特別な体験が味わえる。
山嵐号のルート

「山嵐号」観光列車は花東縦谷間を走行し、花蓮駅と台東池上駅を往復する。途中、寿豊、玉里、池上、東里、鳳林の各駅に停車する予定だ。沿線の観光地はそれぞれ独自の特徴を持っており、寿豊駅は高架駅でプラットフォームから壮大な海岸山脈を望むことができる。また玉里駅では、地元に残る日本統治時代の歴史的遺跡を探索し、濃厚な文化の雰囲気に触れることも可能だ。
山嵐号初運行!4月19日始動
台鉄会社は19日に「山嵐号」のメディア向け試乗イベントを開催し、花蓮駅から池上駅までの旅程を発表、花蓮駅で出発式を行った。記者会見では正式にチケット予約開始が発表され、初便の「山嵐号」は4月19日に運行開始することが明らかになった。
記者会見で台鉄総経理の馮輝昇氏は、花蓮が0403地震及び一連の自然災害を経験した後、中央と地方政府の協力により徐々に回復していると述べた。特に今年の春節輸送期間中、花蓮駅の日帰り旅客数は9万人に達し、地震前の輸送量を回復しただけでなく、新型コロナウイルス流行前の水準をも上回ったことで、花蓮の活力が戻っていることを示したとした。
馮輝昇氏はさらに、「海風号」が運行開始から3ヶ月足らずで3000人以上の乗客を集め、新台湾ドル1000万元以上の収益を生み出したと報告。「山嵐号」の運行開始により花東地域の観光能力がさらに向上し、将来的に花蓮が美しい自然景観だけでなく、より多様で興味深い旅行体験を提供できることへの期待を示した。
山嵐号の特徴
台鉄の「山嵐号」と「海風号」の2つの新観光列車はいずれもEMU500型電車を使用している。「山嵐号」は4両編成で合計60席を提供する。外観は爽やかな黄緑色のカラーリングが施され、車内は深緑色を基調としている。4人掛けのソファ席や2人掛けの座席など、さまざまな座席配置が用意されているのも特徴だ。車内には特大のフロア窓が設置されており、乗客は旅の途中で谷沿いの美しい風景を存分に堪能できる。

山嵐号の食事体験
台鉄によると、「山嵐号」では列車内での嗅覚体験を新たに提供している。この体験はプロのアロマセラピストが設計したもので、台湾のヒノキを基調とした独特な香りの空間を演出している。さらに有名シェフを招き、6つのテーマにわたって地元の特色ある食材を美食に取り入れ、乗客に多感覚での楽しみを提供している。


山嵐号の料金
パッケージツアーは花蓮から池上駅、または池上から花蓮駅まで新台湾ドル3900元で、食事、記念証書、贈り物、保険が含まれている。
山嵐号の予約方法
団体ツアーについては、台鉄と雄獅旅行社が2〜3日の深度ツアーを提供しており、最低価格は9599元からとなっている。4泊3日コースを選択すれば、「藍皮解憂号」「山嵐号」「海風号」の3つの台湾観光列車を一度に楽しむことも可能だ。詳細な旅程については公式ウェブサイトで確認できる。
山嵐号の運行スケジュール
雄獅公式サイトによると、4月19日から20日、4月25日から27日を皮切りに、毎週木曜日、金曜日、土曜日、日曜日に運行される予定となっている。
編集:田中佳奈
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