韓国監査院は先日、2021年に発生した戦闘機同士の空中接触事故に関する驚愕の調査報告書を公表した。当初は機体の故障や不可抗力の事故と見られていたが、実際にはパイロットらが空中での「写真・動画撮影」に没頭したことによる規律違反と、危険なスタントが引き起こした不祥事であったことが明らかになった。
「ラストフライト」の記念撮影が惨事に
英国放送協会(BBC)の報道によると、事故は韓国中部の大邱(テグ)付近で発生した。報告書によれば、僚機のパイロットが自身の部隊における「最後の飛行任務」を記念しようと、飛行中に規律を破って私物のスマートフォンを取り出し、自撮りや動画撮影を開始したという。
Two fighter jets collide in mid-air over South Korea when pilots start taking photos and videohttps://t.co/fAbvNnRWIo
— Daily Mail (@DailyMail)April 22, 2026
さらに深刻なことに、この明白な規律違反は以前から黙認されており、パイロットたちの間では悪しき慣習となっていた実態も判明した。

別の機体のパイロットは、僚機が撮影していることに気づきながらも、無線で制止するどころか、同乗していたパイロットに僚機を撮影し返すよう要求。より「映える」映像を撮るため、僚機のパイロットは事前の予告なく機体を急上昇・反転(フリップ)させるという、極めて危険な動作を敢行した。
8億8千万ウォンの損害、問われる軍の規律
この突発的な動きにより両機の距離が急接近し、撮影していた側の機体は衝突を避けようと急降下を試みたが間に合わず、高価なF-15K戦闘機2機が空中で接触した。この事故により、1機の左翼ともう1機の垂直安定板が損傷する事態となった。
幸いにもパイロットたちは基地へ無事帰還したが、機体の修理費用は8億8千万ウォン(約1億円)という巨額に達した。本件は単なる操縦ミスにとどまらず、軍内部の規律崩壊を象徴するスキャンダルとして波紋を広げている。
判決を巡る議論 賠償額はわずか10分の1に?
韓国空軍は当初、民間の航空会社に転職し、本件の引き金となる規律違反の撮影を行った元操縦士に対し、修理費の全額にあたる8億8千万ウォンの賠償を求めた。しかし、元操縦士はこの決定を不服として提訴。最終的な司法判断により、賠償額は10分の1にあたる8,800万ウォン(約950万円)にまで減額された。
裁判所は、空軍側が現役パイロットによる私的な撮影機器の使用を十分に管理できていなかった点に触れ、軍側にも一定の監督責任があると指摘した。さらに判決文では、当該の元操縦士が服役期間中に良好な服務記録を保持していたことや、事故発生後に冷静な操縦技術を発揮して損傷した機体を基地へ安全に帰還させ、被害の拡大を食い止めた点も考慮された。
韓国空軍の主力機、F-15K「スラムイーグル」
F-15Kは、米軍のF-15E「ストライク・イーグル」をベースに、ボーイング社が韓国空軍向けにカスタマイズした型式であり、現在59機が運用されている。同機は「AN/APG-63」航電システムを搭載し、空対空および空対地などの任務を遂行できる全天候型の多用途戦闘機としての能力を備えている。
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編集:柄澤南 (関連記事: 朴喆熙前駐日韓国大使が「高市現象」を多角的に分析 有権者の流動化と野党分裂が生んだ「一極優位体制」の現状と外交展望 | 関連記事をもっと読む )


















































